この3年で老け顔に? 自信を持ってマスクをはずせますか

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 新型コロナの「5類」に移行を受け、これからマスクを外す機会が増えてきています。長年マスクで顔を隠していて、顔の老化が加速してしまったと思う人も多いのでは。たるみの原因は、むくみと顔面骨の縮みも関係しているそうです。歯科医師の宝田恭子先生に、顔の老化の原因を解説してもらいました。

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◆顔老けの原因(1)骨の老化

 一般的に女性の顔は、40歳くらいから崩れ始め、50歳を超えると顔のしわやたるみが急速に目立つようになるそうです。

「中でも、顔面骨の縮小とゆがみが、一番の原因。骨が縮んでしまうことによって、骨にのっていた筋肉が下がってしまうといいます。昨今骨粗しょう症予防の重要性が叫ばれていますが、骨密度の低下が一番に表れるのは、実は“顔面骨”なのです」(宝田先生/以下同)

 顔面骨と腰椎の骨密度を比較したアメリカの研究では、顔面骨の方が骨密度の減少率が10%も大きく、骨密度が低下し始める年齢も腰椎は61 歳以上なのに対し、顔面骨は41〜60歳で既に低下し始めることが報告されています。

 また、女性の骨は、女性ホルモン(エストロゲンなど)によって守られていると言われます。しかし、閉経を境に女性ホルモンの分泌が大幅に減少するため、特に閉経後は「骨を減らさない努力」を意識して行わないと骨粗しょう症が一気に進行します。

◆顔老けの原因(2)表情筋の変化とむくみ

 顔の老化の2つ目の原因は「表情筋」の衰えです。中でも頬骨から上唇まで延びている「大頬骨筋」と「小頬骨筋」のゆるみが大きく関係しています。

「これらは口角を引き上げる役割を担っているため、顔面骨の縮小などによってゆるんだり硬くなったりすると、“ほうれい線”“マリオネットライン”の他、鼻の下が伸びたり、口角が下がったりもします。また、表情筋の衰えは、血流の悪化も招き、顔のむくみも出やすくなります」

◆顔老けの原因(3)マスクによる口呼吸

 「年齢は口元に出やすい」とよく言われますが、長年のマスク生活、そして猫背姿勢も老化加速の要因の一つ。

「マスクを装着し続けているとどうしても息苦しくなり、口をぽかんと開けて呼吸しがちになります。すると口角が下がって口が“への字”になり、そのまま放っておくと、腹話術の人形のように口角から下に向かっていわゆる“マリオネットライン”が深く刻まれ、さらには“ほうれい線”や“首のしわ”の原因にもなります」

◆骨を強化する栄養素とは?

 「シワやたるみ、むくみを解消するには、骨を強化し、顔の筋肉を鍛えるのがいちばん」と宝田先生。骨を強化する栄養素である「カルシウム」「ビタミンD」「タンパク質」をしっかり摂り、骨と表情筋を鍛えることが大事とのこと。

 カルシウムは牛乳、ヨーグルト、海藻類、しらすなどに多く含まれますが、体内に吸収されにくいので、吸収を助ける食品と一緒に摂るとより効果的。レモンに多く含まれるクエン酸にはカルシウムを溶けやすい形に変える「キレート作用」というチカラがあります。レモン果汁を海藻やしらすをのせたサラダのドレッシングに使う、牛乳にはちみつと一緒に加えて飲むなど、手軽に吸収率を高めることができます。

 ビタミンDは食事以外で、日光にあたることでも生産されるので、適度に日光に当たるのも効果的です。

 私たちの骨は、コラーゲンが9割を占めるタンパク質の骨基質に、カルシウムを主体とするアパタイトが隙間を埋めるようにして成り立っています。タンパク質が不足するとコラーゲンで強固に保たれていた骨組みのバランスが崩れ、脆くて折れやすい骨になってしまうためタンパク質は欠かせません。

 また、食生活にむくみを改善する食材をプラスするのもおすすめ。なかでも、レモンはむくみを改善する働きがあるへスペリジンというポリフェノールを含んでいます。皮に多く含まれるので、魚のマリネやサラダに皮ごと薄くスライスしたレモンを加えたり、レモンのはちみつ漬けなどで楽しみながら取り入れてください。

●監修者/宝田恭子先生

1956年東京都生まれ。東京歯科大学卒業、同保存科勤務後、宝田歯科三代目を継承する。日本アンチエイジング歯科学会 監事、認定バクテリアセラピスト、メディカルアロマセラピー研究会、日本睡眠改善学会、認定睡眠改善インストラクター等。現在も毎日診療を欠かすことなく、著書、講演会活動の他、『徹子の部屋』『おしゃれ工房』『教科書にのせたい』等 さまざまなテレビ番組に出演。近著『顔面地滑りをくい止める 宝田式 速効5分 顔筋リフトアップ』(PHP 研究所)。