何気なく使っている「東名高速」や「圏央道」などの道路名は、実は正式名称ではありません。ただ、NEXCO各社の案内上でも通称が使われるため、あまり耳にする機会はないでしょう。

「○○高速」は4路線だけ

 東名、名神、圏央道……。日常会話のほか案内でも用いられる高速道路の名称ですが、建設史や公文書などを読んでいると、計画当時からの正式名称が登場することがあります。


高速道路のイメージ(画像:写真AC)。

 東京都から名古屋市を経由し小牧IC(愛知県小牧市)までを結ぶ東名高速道路は、正式名称を「第一東海自動車道」といいます。ただ、高度経済成長真っただ中にあった建設時、当時の技術を結集し世界銀行からの借款にも成功するなど、開通前から広く認知された「東京〜名古屋間の東名高速」として、その後も「東名高速道路」の名称で定着したのです。

 なお第一があるなら第二があり、「第二東海自動車道」とは新東名高速道路と伊勢湾岸自動車道(豊田東JCT〜東海IC)を指します。こちらも、すでに知名度がある東名に対しての名称ということで、新東名の名称で馴染んでいます。

 圏央道はどうでしょうか。正式名称は「首都圏中央連絡自動車道」といい、一部未開通なものの、横浜市から千葉県木更津市にかけて首都圏の縁を環状に結びます。なお首都圏中央連絡自動車道には「高速道路」という語が入っていませんが、自動車専用道路に分類されます。

 そもそも現状において、通称に「高速道路」が入る路線は4つしかありません。前出の東名、新東名のほか、名神、新名神です。その理由についても先述の通り、建設段階から定着していた「東名高速」「名神高速」、そしてそれらの新道となる「新東名高速」「新名神高速」は、一般に最も受け入れやすい道路名称として例外的に採用されたのです。

 ちなみに正式名称は、グーグル・マップ上で拡大表示すると、通称と併記する形で掲載されています。