Photo:カンガルーバンパーを装着した車 ©sawahajime

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●カンガルーバンパー

 最近でこそ見かける事は少なくなったが、昔は「カンガルーバンパー」と言う、太いパイプをフロントバンパーの上部に設置するオプション部品があり、これを得意げに装着した車を良く見かけた(写真1参照)。

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 これは、本来はオーストラリア向けの輸出車に装備されていた部品だ。

 カンガルーは、体長は大きいと160cm、体重も85kgに達する大きな種まである。こんなデッカイ奴にぶつかれば、普通乗用車なんぞは相当なダメージを被る。

 オーストラリアではカンガルーとの衝突事故が多く、万一体重の重いカンガルーと衝突すると走行不能となるので、自衛手段として前方からの衝突時に極力ボディへのダメージを軽減する目的で普及した部品である。

 オーストラリアの郊外を夜中に走った経験があるなら、結構スピードも出せる道路で、突然にカンガルーに飛び出されたらどうなるかと不安になるが、日本国内では全く必要の無い装備だ。

 万一歩行者との事故が発生した場合に備え、2018年にはボルボV40シリーズに世界初の「対人エアバッグ」まで備える車が登場したと言うのに、こんなバンパーは却って人体へのダメージを大きくする危険性がある。

 ラリー車の補助前照灯の類と同様、普段使う事が無い格好だけの装備となる。補助ライト類なら対向車が眩しくて迷惑な程度で、あまり危険ではないが、カンガルーバンパーの場合は普通の仕様よりも危険だと考えられ、日本国内では無用な装備だ。

●リヤフォグランプ

 輸入車の場合は、生産国やその輸出先の国々では、霧が深いアルプスの峠道といったコンディションでは、後続車に自分の位置を認識させる為に有効な装備ではある。

 しかし日本国内では、雪国の地吹雪や、ホワイトアウトの状況でもなければ滅多に使用する場面は無い。

 ところが、一年中スタッドレスタイヤなんぞに縁の無い都会地で、故意なのか無知なのか、必要も無い状況でリヤフォグを点灯して走っている車を見かける。

 こんな車の後ろに付くと、光量が大きくて、照射角度も鬱陶しくて、イライラさせられるケースもある。

 そんな時は、適当に頃合いを見て追い越したり、間に他車を挟んだりする。

 昔はアッパービームで追尾したり、少々乱暴な手段も使ったが、最近は下手をすると「煽り運転」になりかねない。

 またそんな無知な車の運転者には、正常な判断が出来ない輩が乗っていて、とんでもない行動をする事も皆無ではない。

 少なくも豪雪地帯でもない限りには不必要な装備で、迷惑であっても我慢して、極力影響を受けない位置取りをするのが賢明な対処法だろう。

●巨大なタイヤ装着車

 運転席に乗り込むのに、よじ登らなければならない位に車高を上げて、巨大なタイヤを装着した車に出くわす事がある。

 果たして車検に合格しているかも不明だが、正式な改造理由で車検受けして合格している可能性は極めて低いと考えている。

 採石場でも経営していて、所有地内には巨大なダンプが稼働しており、そんな不整地で連絡用とかに使用するのが通例で、たまに一般公道を走る可能性があるので改造申請してナンバーを取得したのでもなければ、こんな仕様が必要である筈は無い。

 無駄と言うより、排除すべき車だと思われる。

●国内には不要な違法改造車

 不法改造車の排除には、警察はもっと熱心に取り組むべきだろう。

 日本の大学は、入学時にはハードルが高いが、卒業するのは容易いと言われるレベルの学校も少なくないが、車検制度も、一旦車検を受けたら次の車検までの間、問題になる事が殆ど無いからだろう。

 『こんな車に近づくな』(2023年5月18日付)に取り上げた様な、タイヤが明らかにアライメント不良な筈の、「ハの字」にしたシャコタンの車が、街中を我が物顔に走っていたりするが、車検取得後に勝手に違法改造したのだろう。

 何故、こんな車がまかり通るのか。

 そのくせ、パトカーが赤色回転灯を点灯して、取締りをしている現場では、別にナンバープレートを折り曲げて見難くした様な、明らかに不良ユーザーでなくて、一見普通の原付バイクを停止させている場面が多い。

●警察も頑張れ

 警察も「原付バイクの狙い撃ち」をする暇があったら、不法改造車に対して「整備不良」で切符を切りまくれば、反則金収入もあるし、整備不良の改造部分の補修修復作業で整備工場も潤い、何よりも交通安全に役立つのではないだろうか。