OpenAIのサム・アルトマンCEOが手がける仮想通貨プロジェクト「Worldcoin」のユーザー数が、正式サービス開始から1週間で50万人以上増加し、トータルで300万人近くに到達していることがわかりました。一方で、セキュリティ面での懸念から、ケニア政府は登録の一時停止措置を行っています。

Government suspends registration of Worldcoin - The Standard

https://www.standardmedia.co.ke/national/article/2001478507/government-suspends-registration-of-worldcoin



Kenya suspends Worldcoin scans over security, privacy and financial concerns | TechCrunch

https://techcrunch.com/2023/08/02/kenya-suspends-worldcoin-scans-over-security-privacy-and-financial-concerns/

Worldcoinは、デジタルID「World ID」とデジタル通貨「WLD」で構成される仮想通貨プロジェクト。世界各地に設けられた生体認証装置「Orb」で虹彩データをスキャンすればWLDが提供されるという、ちょっと変わった仕組みを取り入れていて、2023年7月25日から正式サービスが始まりました。

OpenAIのサム・アルトマンによる仮想通貨「Worldcoin」が正式サービス開始 - GIGAZINE



登録は35都市で行われており、正式サービス開始から1週間で50万人以上が新規登録。総ユーザー数は300万人近くになっているとのこと。

ケニアはフランス、インドネシア、スーダン、チリとともに、Worldcoinの事前登録を2021年から開始した国の1つで、すでに大量のWLDが流通し取引されています。

しかし2023年8月2日、ケニア政府はWorldcoinの登録を一時停止することを決定しました。

ニュースサイト・The Standardによれば、キンディキ・キスレ内務官房長官は「一般大衆に対していかなる危険もないと公的機関が認定するまで、『Worldcoin』およびケニア人が関与している可能性のある団体による同様の活動をただちに停止しました」と述べたとのこと。

また、もし一般人がWorldcoinの活動に関与していた場合、処分が下されることになっています。

ケニアでは、Worldcoinに新規登録すると7700シリング(約7700円)相当のトークンが発行されるということで、大衆の人気を集めていますが、登録時に必要な虹彩スキャンで取得されたデータがどのように使われるのかという点について、データ保護コミッショナー事務局が懸念を示していました。