「おしりの骨の真ん中が痛い」のは「坐骨神経痛」が原因?医師が徹底解説!

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おしりの骨の真ん中が痛いのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

「おしりの骨の真ん中が痛い」症状で考えられる病気と対処法

おしりの骨の真ん中が痛い時には、骨折や、神経痛など様々な原因が考えられます。
これからおしりの骨の真ん中が痛いときに考えられる病気やその症状を解説していきます。

おしりの骨の真ん中が痛い症状で考えられる原因と対処法

ぶつけてからおしりの骨の真ん中が痛い時、一つは尾骨骨折が考えられます。おしりの骨の真ん中にある出っ張りの部分にある骨(尾てい骨)は正式には尾骨といい、激しく尻もちをついたときに骨が折れることがあります。
特に、高齢の方では強く尾骨をぶつけていないのに尾骨骨折を起こしていることもあり、注意が必要です。
尾骨骨折は緊急で手術が必要な怪我では有りませんので、日中に整形外科を受診するようにしましょう。

産後におしりの骨の真ん中が痛い症状で考えられる原因と対処法

産後におしりの骨の真ん中が痛い時、仙腸関節炎などが考えられます。
妊娠中や出産後は、体型の変化やホルモンバランスの変化によりおしり周りの筋肉や靱帯が緩むことで、腰痛や骨盤部の痛みが出ることが多いです。
仙腸関節と呼ばれる部分に炎症が起きることでもおしりの骨の真ん中やその横まで痛みが出ることがあります。
産後に起きるこれらの痛みは、長時間座ることや歩く際に痛みを起こしやすく、生活に支障をきたすことも多いです。
運動をすることがその改善に繋がりやすいのですが、一人では改善するのが難しいことも多く、早めに医療機関に相談することが重要です。
かかりつけの産婦人科や近くの整形外科でご相談ください。

座るとおしりの骨の真ん中が痛い症状で考えられる原因と対処法

座るとおしりの骨の真ん中が痛い時、坐骨神経痛が原因のこともあります。
坐骨神経痛とはその名の通り、坐骨神経と呼ばれる大きな神経が原因で痛みやしびれなどが生じる病態の総称です。
坐骨神経痛の原因としては、腰椎椎間板ヘルニアという腰由来の場合や、梨状筋症候群と呼ばれるおしりあたりの筋肉による坐骨神経の圧迫など様々なものが挙げられます。
座っている時だけでなく、歩く際に体重をかけると強い痛みが走り、歩くことが難しくなることもあります。
治療方法は原因によりさまざまで、その原因に対する治療が最も効果的です。
症状が強くなるような動き、姿勢を避け、日中に整形外科を受診するようにしましょう。

ぶつけてからおしりの骨の真ん中が痛い症状で考えられる原因と対処法

ぶつけてからおしりの骨の真ん中が痛い時、先程の尾骨骨折以外に、大腿骨骨折の可能性もあります。
大腿骨骨折が足の付け根の部分で起こると、おしりあたりのすごく強い痛みが現れ、歩くことが難しい場合も多いです。
高齢の方で、こけてから動けなくなった場合や、痛みがずっと続くような場合にはこの骨折が考えられますので、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。
整形外科が専門です。

中学生でおしりの骨の真ん中が痛い症状で考えられる原因と対処法

中学生でおしりの骨の真ん中が痛い時、坐骨結節裂離骨折が考えられます。
坐骨結節裂離骨折は坐骨と呼ばれる骨盤の骨の一部が剥がれるようにして生じる骨折を指します。
坐骨結節という部分にはハムストリングと呼ばれる筋肉がついており、サッカーなどで足の曲げ伸ばしを繰り返す動作やジャンプ動作などで骨に負荷がかかることが多いです。
この骨折が生じるとおしりのあたりの激しい痛みで、歩けなくなることもあります。
スポーツ中に突然生じたお尻の痛みがあればすぐに近くの整形外科を受診することをおすすめします。

すぐに病院へ行くべき「おしりの骨の真ん中が痛い」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

尻もちをついたあとから歩けない場合は、整形外科へ

しりもちをついてからお尻の痛みで歩けない時、尾骨骨折や大腿骨骨折などが考えられます。
大腿骨骨折の場合は部位によっては数百mlも出血することがあり、急いで整形外科を受診することが重要です。

受診・予防の目安となる「おしりの骨の真ん中が痛い」ときのセルフチェック法

・おしりの骨の真ん中が痛い以外に歩けない場合

・おしりの骨の真ん中が痛い以外におしりの横も痛い場合

・おしりの骨の真ん中が痛い以外に足のしびれがある場合

・おしりの骨の真ん中が痛い以外におしりや太ももの腫れがある場合

「おしりの骨の真ん中が痛い」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「おしりの骨の真ん中が痛い」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

骨盤裂離骨折

​​骨盤裂離骨折により、おしりの骨の痛みが生じることがあります。坐骨結節部の裂離骨折です。
サッカーやバスケットなどでのボールを蹴る動作や、ジャンプ動作、ダッシュにより、坐骨結節と呼ばれる部位につく筋肉に引っ張られることで骨盤の骨の一部が剥離し、この骨折が生じます。
スポーツ中の突然の痛みで、歩くことが難しくなり受診される方が多いです。
このような痛みが現れた場合には、まず安静にすることが重要です。安静にしても痛みが続く際には整形外科を受診するようにしましょう。

坐骨神経痛

お尻の痛みがある時、坐骨神経痛が原因となっている場合があります。
坐骨神経痛とは、坐骨神経と呼ばれる大きな神経が何らかの原因で障害されることにより、おしりから足にかけての痛みや、しびれ等が生じる状態の総称です。
腰の高さでの神経の圧迫やお尻周りの筋肉による圧迫などが原因で生じることがあります。
お尻の痛みや、歩く際に体重をかけると痛みがはしるなどの症状があるときには整形外科を受診するようにしてください。

「おしりの骨の真ん中が痛い」の正しい対処法は?

おしりの骨の真ん中が痛い時、まずは安静にすることが重要です。
ロキソニンSやバファリンなどの市販の痛み止めや、モーラステープなどの貼り薬も使用して構いません。用法用量を守るようにしましょう。
こけたり、尻もちをついたなど急性の痛みの場合は冷やすことで痛みや腫れを少し抑えることができます。
慢性的に痛みがあるような場合には温めるほうが効果的な場合もありますのでご注意ください。
早く症状を改善したい場合や、痛み止め等を使っても痛みが改善しないときには急いで医療機関を受診するようにしましょう。

「おしりの骨の真ん中が痛い」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「おしりの骨の真ん中が痛い」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

お尻の真ん中の骨(尾てい骨)が痛いときの対処法を教えてください。

柏木 悠吾 医師

まずは安静にしましょう。安静でも改善しないようであればすぐに医療機関を受診することをおすすめします。

座るとお尻の真ん中の骨(尾てい骨)が痛いのは坐骨神経痛でしょうか?

柏木 悠吾 医師

坐骨神経痛の可能性もあります。整形外科でご相談ください。

おしりの骨の真ん中が痛いのですが病院に行くべきですか?

柏木 悠吾 医師

痛みがすぐに改善すれば問題ないことが多いですが、時間が経っても改善しないときには医療機関でみてもらうようにしましょう。

おしりの骨の真ん中が痛いのを放置するとどうなりますか?

柏木 悠吾 医師

痛みを放置して改善すれば問題ないことが多いですが、原因によっては改善しない場合やより悪くなることもあります。

まとめ

おしりの骨の真ん中が痛いときに考えられる病気や障害をいくつか紹介しました。
骨折などが原因の場合は放っておいても良くならないことも多いです。気になる症状がある方は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。

「おしりの骨の真ん中が痛い」症状で考えられる病気

「おしりの骨の真ん中が痛い%」から医師が考えられる病気は7個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

整形外科の病気

坐骨神経痛

仙腸関節炎

尾骨骨折

大腿骨骨折

坐骨結節裂離骨折

梨状筋症候群

腰椎椎間板ヘルニア

骨折などが原因である場合には、放置していると治りづらいので注意が必要です。

「おしりの骨の真ん中が痛い」に似ている症状・関連する症状

「おしりの骨の真ん中が痛い」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

おしりの骨の真ん中から横まで痛い

あしのしびれがある

あしを動かすとお尻周りが痛い

あしをつくと痛い

あしがはれている

尾てい骨の痛み右のおしりが痛いおしりから突き上げるような痛みおしりがキューっと痛い

「おしりの骨の真ん中が痛い」症状の他にこれらの症状がある場合でも「坐骨神経痛」「仙腸関節炎」「尾骨骨折」「大腿骨骨折」「坐骨結節裂離骨折」「梨状筋症候群」「腰椎椎間板ヘルニア」などの疾患の可能性が考えられます。歩けない場合やおしりの横も痛い場合、足のしびれがある場合、おしりや太ももの腫れがある場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

【参考文献】
・腰椎椎間板ヘルニア診療ガイドライン2021
・大腿骨頚部/転子部骨折診療ガイドライン2021