「花粉症」の薬・症状・自分でできる対策はご存知ですか?医師が監修!

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喉がムズムズして咳が止まらないのを治すには?Medical DOC監修医が対処法や考えられる原因・病気・何科へ受診すべきかなどを解説します。気になる症状は迷わず病院を受診してください。

「喉がムズムズして咳が止まらない」症状で考えられる病気と対処法

喉がムズムズして咳が止まらないという症状は、多くの人々が経験する悩みの一つです。このような症状が続くと、不快感や集中力の低下など、日常生活に影響を及ぼすこともあります。なぜ喉がムズムズし咳が止まらないのでしょうか?それでは、具体的な解説に入っていきましょう。

喉がムズムズして咳が止まらない症状で考えられる原因と対処法

喉がムズムズして咳が止まらないという症状には、さまざまな原因が考えられます。症状の特徴としては、喉のイガイガ感や刺激感があり、咳が頻繁に出ることが挙げられます。
この症状の原因として考えられる病気には、アレルギーや花粉症、上気道炎(風邪)、喘息などがあります。アレルギーによる症状であれば、特定のアレルゲンを避けることや抗アレルギー薬の使用が有効です。上気道炎や喘息の場合は、軽症であれば様子見で改善することもありますが、長引いている場合や症状が深刻な場合は内科(特に呼吸器内科)を受診し診察および治療が必要になります。特に喘息の場合は放置すると気道に炎症が残り、喘息発作を繰り返すたびに症状がどんどん重くなっていきます。吸入薬を使用することで著明に症状が改善するため医療機関受診が大切です。セルフケアとしては、のどの保湿やうがいを行うことが有効です。また、温かい飲み物や喉を刺激しない食事を摂ることもおすすめです。

喉がムズムズして痰と咳が止まらない症状で考えられる原因と対処法

喉がムズムズして痰と咳が止まらないという症状の場合は肺炎が疑われます。上気道炎(風邪)でも痰が絡むことはありますが、痰の量が多く痰が絡むような咳をしている場合は細菌性肺炎をより強く疑います。このような場合の痰は濁った黄色もしくは緑色の痰であることが多いですが、必ずしも痰が汚いからといって細菌性肺炎とは限らず、それだけではウィルス感染か細菌感染か判断することはできません。また喫煙者の場合は慢性閉塞性肺疾患(COPD)である場合もあります。喫煙そのものも痰が増えて咳が出ますが、喫煙をやめてもCOPDになってしまうと痰絡みのある咳が続いてしまいます。痰と咳が止まらないような方で喫煙をされている方は禁煙をしましょう。
痰と咳が止まらない場合、様子見では改善しない肺炎を起こしている可能性があるため必ず内科を受診し医師の診察を受けましょう。

夜になると喉がムズムズして咳が止まらない症状で考えられる原因と対処法

夜になると喉がムズムズして咳が止まらないという症状は、特に就寝時に自覚するケースが多いのが特徴です。夜になると日中と比較してリラックスするため副交感神経が優位になります。すると、体の緊張は緩みますが気管支は狭くなってしまうため、咳が出やすくなることがあります。また就寝中は気づかないうちに口呼吸で喉が乾燥し、喉がイガイガしてしまう方もいます。このような場合は就寝前にのどの保湿や温めることが重要です。温かい飲み物を飲む、加湿器を使う、就寝前に刺激の強いものを食べないよう心がけましょう。また、口呼吸を矯正したい場合、就寝時にマスキングテープを上唇から下唇かけて貼ることをお勧めします。肌荒れしないよう、唇に貼るテープは粘着力の弱いテープを使用してください。
また、布団にダニや花粉が付着している場合、アレルギーによる症状が夜に限定して起きることがあります。布団のダニアレルギーへの対処法としては定期的な布団のお手入れが有効です。ダニは高温で乾燥した場所が苦手なので布団を天日干しにしたり、布団乾燥機を使用したりすることで増殖を抑えることができます。しかし、ダニの死骸や糞に対してアレルギー反応を起こしやすいため、布団もしくは布団カバーは定期的に交換し洗濯することも重要です。花粉アレルギーの対策としては外出後の服装のまま、あるいは洗髪する前の頭のまま布団に触れないようにすることが有効です。花粉がついていない状態で布団を使用するよう意識することで夜間のアレルギー症状の発生は減少します。

すぐに病院へ行くべき「喉がムズムズして咳が止まらない」に関する症状

ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。
応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。

呼吸困難感がある場合は、呼吸器内科へ

呼吸困難や窒息感がある場合や、咳が長期間(1週間以上)続く場合、咳が夜間に悪化する場合には、注意が必要です。様子を見ているだけでは改善しない肺炎や結核、喘息発作といった重篤な病気が咳の原因かもしれません。内科(特に呼吸器内科)を受診して、必要に応じて血液検査やレントゲン撮影をしましょう。

受診・予防の目安となる「喉がムズムズして咳が止まらない」ときのセルフチェック法

・喉がムズムズして咳が止まらない以外に発熱がある場合

・喉がムズムズして咳が止まらない以外に痰に血が混じる場合

・喉がムズムズして咳が止まらない以外に胸部痛や胸部の圧迫感がある場合

「喉がムズムズして咳が止まらない」症状が特徴的な病気・疾患

ここではMedical DOC監修医が、「喉がムズムズして咳が止まらない」に関する症状が特徴の病気を紹介します。
どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。

アレルギー

喉がムズムズして咳が止まらないという症状が特徴的な病気の一つとしてアレルギーがあります。アレルギーは、免疫システムが過剰反応を起こし、特定の物質(アレルゲン)に対して体が異常な反応を示す状態です。喉がムズムズして咳が止まらない場合の、アレルギーの原因としては花粉症やハウスダストアレルギー、ダニアレルギーなどが考えられます。これらのアレルゲンに触れることで、のどや気道が刺激され、咳が引き起こされます。また、アレルギー反応によって炎症が起こり、痰の増加も見られることがあります。
アレルギーの対処法としては、アレルゲンを避けることが重要です。花粉症の場合は、花粉の飛散時期や特定の場所を避けるなどの対策が有効です。また、市販の抗ヒスタミン薬や鼻スプレーなどを使用することで、症状の軽減が期待できます。市販薬を使用しても改善が乏しい場合は、耳鼻咽喉科・内科(アレルギー科)を受診し検査を行い、処方薬の内服やアレルギー免疫療法が考慮されます。

風邪

風邪は、ウイルス感染によって引き起こされる一般的な病気です。主な症状には、喉がムズムズして咳が止まらない、鼻づまりやくしゃみ、倦怠感などがあります。風邪は通常、他の患者からの飛沫感染や直接触れることによってウイルスが広がることで感染します。風邪の対処法としては、安静にして休息をとること、十分な水分摂取、栄養バランスの取れた食事、喉の保湿、市販の風邪薬の使用などがあります。風邪の場合、一般的には自己療養で対処することができます。医療機関で処方される薬も痰切りの薬と解熱剤のみであり、基本的には本人の免疫力でウィルスを倒し、自然と体力が回復するのを待ちます。
病院へ行くべき目安としては、呼吸困難がある場合、強い咳や胸部の痛みがある場合、症状が長期間(1週間以上)続く場合などです。症状が重篤で日常生活に支障をきたす場合は、早めに医療機関を受診しましょう。受診すべき医療機関は内科です。

気管支喘息

気管支喘息は、気道の炎症によって引き起こされる慢性的な呼吸器疾患です。主な症状には、喉がムズムズして咳が止まらない、呼吸困難、喘鳴(ゼェゼェ・ヒューヒューとした呼吸)などがあります。気管支喘息の発作は、気道の狭窄や炎症による痰の増加によって引き起こされます。
気管支喘息の発作時の治療は気道を広げるための吸入薬の使用です。気管支拡張薬やステロイド薬が使われ、炎症を抑えることで症状の軽減が図られます。また、喘息のトリガーとなるアレルゲンや刺激物を避けることも重要です。
病院へ行くべき目安は、息苦しさ、ヒューヒューと鳴るようないつもと違う呼吸音が出現した時です。もしすでに喘息の診断をされていて吸入薬を持っている場合は、吸入薬の使用により完全に自覚症状が改善すれば自宅で様子を見ることができます。気管支喘息の診断や治療のためには、内科(特に呼吸器内科)を受診する必要があります。喘息は慢性疾患であり治療のゴールは喘息発作が起きない状態を維持することです。吸入薬で症状が改善したとしても、後日必ずかかりつけの医療機関を受診し、治療薬の調整について相談しましょう。

「喉がムズムズして咳が止まらない」の正しい対処法は?

「喉がムズムズして咳が止まらない」の症状に対する対処法として、まず喉の保湿と保温が重要です。温かい飲み物を摂取したり、加湿器を使用したりすることで喉の乾燥を防ぐことで、症状が緩和されます。
また、健康な食事や飲み物の摂取も症状の緩和に役立ちます。温かいスープやハチミツ入りのお茶、ビタミンCや抗酸化作用のある食品などを摂取し、免疫力をサポートすることで症状が早く改善することもあります。
咳の症状に対しては、市販の咳止め薬を使用することができますが、使用する際には注意が必要です。ウィルス感染や細菌感染では病原体を外に吐き出すために咳をしているため、咳を抑えてしまうと感染が進行してしまう可能性があります。咳がひどくて困っているような場合でなければ基本的に咳止めの使用は控えましょう。
自分でできる応急処置をしても症状が収まらない場合や症状が悪化した場合は、医療機関を受診してください。このような症状の時は内科(特に呼吸器内科)もしくは耳鼻咽喉科を受診しましょう。医師の診断や適切な治療を受けることで、症状の改善や早期の回復が期待できます。

「喉がムズムズして咳が止まらない」症状についてよくある質問

ここまで症状の特徴や対処法などを紹介しました。ここでは「喉がムズムズして咳が止まらない」についてよくある質問に、Medical DOC監修医がお答えします。

喉がムズムズして咳が止まらないのですが花粉症なのでしょうか。

丸山 潤(医師)

喉がムズムズして咳が止まらない場合、花粉症が原因である可能性があります。花粉症は、花粉などのアレルゲンに対して免疫系が過剰反応を起こすことで起こります。日本で最も有名な花粉症はスギ花粉症で、2~5月にスギ花粉が飛散し症状が出現します。その他、ブタクサ、ヒノキ、シラカンバなど季節ごとに飛散する花粉があり、1年通してずっと花粉症の症状が持続する方もいます。
喉の症状やくしゃみ、鼻水などが同時に現れる場合は、花粉症の可能性が高いです。市販の抗アレルギー薬が有効ですが、症状の改善が乏しい場合は耳鼻咽喉科もしくは内科を受診し医師から処方される薬で治療しましょう。

喉がムズムズして咳が止まらないときは市販薬を飲んでも問題ないですか?

丸山 潤(医師)

喉がムズムズして咳が止まらない場合、市販薬を一時的な緩和のために使用することは問題ありません。市販薬には喉の炎症を緩和する効果や咳を鎮める効果があります。ただし、使用する際には使用方法や用量を守り、禁忌事項や副作用などの注意事項を確認する必要があります。また、重度の症状や長期間の使用が必要な場合には、医師の指導のもとで処方薬を使用することが適切です。市販薬を使用しても症状が改善しない時や現在の症状に何かしら不安を感じているような場合は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

のどがイガイガ・むずむずして空咳が出ます。アレルギーでしょうか?

丸山 潤(医師)

のどがイガイガ・むずむずして空咳が出る場合、アレルギーが原因である可能性があります。アレルギー性の炎症によって喉の違和感や咳が引き起こされることがあります。アレルギーの原因としては、花粉症やダストアレルギーなどが考えられます。アレルギーの場合、原因となる物質(アレルゲン)が存在します。どの季節に症状が強くなるか、もしくはどこにいる時に症状が強くなるかを把握しておくことが大切です。季節性がある場合は花粉症、布団で寝る時だけならダニアレルギー、家の中でペットを飼っている場合は犬・猫アレルギーの可能性が考えられます。正確な診断には詳しい検査と診察が必要となるため、内科(特にアレルギー科)や耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

まとめ

喉がムズムズして咳が止まらないという症状には、さまざまな原因が考えられます。本記事では、この症状の特徴や主な原因となる病気について解説しました。
この症状の主な原因としては、アレルギーや風邪、気管支喘息などが考えられます。対処法としては、まず喉の保湿と温めることが重要です。温かい飲み物や加湿器の使用をお勧めします。また、咳で困っている場合は、市販の咳止め使用も検討できますが、適切な使用方法や注意事項を守ることが重要です。
喉がムズムズして咳が止まらないという症状は、日常生活に影響を与えることがあります。早めに適切な対処を行い医療機関での診察を通じて、症状の緩和や回復に向けたケアを行いましょう。アレルギーが疑われる場合は内科(特にアレルギー科)や耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。熱がある、ヒューヒューと喘鳴がある、息苦しいといった場合は内科(特に呼吸器内科)を受診するようにしましょう。

「喉がムズムズして咳が止まらない」症状で考えられる病気

「喉がムズムズして咳が止まらない」から医師が考えられる病気は10個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

呼吸器科の病気

上気道炎(風邪)

インフルエンザ気管支喘息

細菌性肺炎

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

循環器科の病気

心不全

消化器科の病気

胃食道逆流症(GERD)

アレルギー科の病気

アレルギー性鼻炎

アレルギー性気管支炎

花粉症

アレルギーや風邪、気管支喘息などが主な原因疾患に考えられます。うがいや安静にすることなどで体力の回復に努めても日常生活に影響が出ている場合には、医療機関を受診しましょう。

「喉がムズムズして咳が止まらない」に似ている症状・関連する症状

「喉がムズムズして咳が止まらない」と関連している、似ている症状は9個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからMedical DOCの解説記事をご覧ください。

関連する症状

息苦しい

夜間に咳き込む

喉が痛い

痰が止まらない

喉がイガイガ咳が止まらない横になると咳が出る乾いた咳が続く 熱はない長引く咳

「ちょっと動くと汗が出る」症状の他にこれらの症状がある場合でも「上気道炎(風邪)」「インフルエンザ」「気管支喘息」「細菌性肺炎」「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」「心不全」「胃食道逆流症(GERD)」「アレルギー性鼻炎」「心筋梗塞」「アレルギー性気管支炎」「花粉症」などの疾患の可能性が考えられます。発熱があったり、痰に血が混じったり、胸部痛や胸部の圧迫感があったりする場合には、早めに医療機関を受診しましょう。

【参考文献】
・患者さんに接する施設の方々のためのアレルギー疾患の手引き(日本アレルギー学会)
・喘息・予防管理ガイドライン2018
・アレルギー性鼻炎ガイド 2021年版