会見を行う国務調整室の朴購然(パク・グヨン)第1次長=5日、ソウル(聯合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】韓国政府は5日、国際原子力機関(IAEA)が東京電力福島第1原発の処理済み汚染水の海洋放出計画は安全基準に合致するという内容の包括報告書を公表したことに関し、尊重するとの立場を示した。

 国務調整室の朴購然(パク・グヨン)第1次長は同日、政府ソウル庁舎で行った定例会見で「IAEAは国際的に合意された権威ある機関であるため、そこで(結論を)下したことに対して尊重するという政府の基本的立場は以前から申し上げてきた」とした上で「今回も同様だ」と述べた。 

 一方、IAEAの報告書の内容については「分析を進めている」として判断を留保した。 

 朴氏は、韓国原子力安全技術院を中心に韓国独自の汚染水放出の安全性に関する検討作業を2年間にわたり行っているとしながら「その作業は最終段階にあり、IAEAの報告書の分析内容も一緒に説明するのでもう少し待ってほしい」と述べた。

 韓国政府はIAEAのグロッシ事務局長が7〜9日に韓国を訪問すると発表したが、これを考慮して報告書の判断結果を明らかにしないのかとの質問には、グロッシ氏は既に発表済みの内容を韓国に来て説明するものだとして「われわれの技術検討とは全くの別物だ」と強調した。

 朴氏は「韓国政府独自の科学・技術的検討報告書の発表時期を最大限前倒しするために努力している」として、「検討が終われば速やかに会見などで伝える」と説明した。

 IAEAは4日、2021年7月から行ってきた日本の汚染水放出計画の検証結果を盛り込んだ包括報告書を公表。計画は国際安全基準に合致すると評価した。

 韓国政府はこれとは別に、21年8月から韓国原子力安全技術院の主導で汚染水放出の安全性を点検しており、分析結果を盛り込んだ報告書の発表を準備している。現在は報告書作成の最終段階だ。

 政府は、IAEAの報告書の内容に対する判断や政府の視察団が5月に福島で確保した生データの分析内容、東電による海洋放出設備の試運転に対する評価なども報告書に含める予定だ。

 朴氏は、クロソイなどの大きな魚だけでなくプランクトンなど小さな海洋生物にも環境影響評価を行うべきだとする指摘には「汚染水の放出以降もどのように安全性を担保するかを含め、さまざまな形について両国間でどのように協力するか、外交部を中心に対話している」と説明した。 

 福島産の水産物輸入再開の可能性については「期限が必要なのではなく、国民が科学的に安全だということを確認し、情緒的に受け入れる準備ができない限り、政府が輸入することは絶対にない」と強調した。

 また、朴氏は汚染水を浄化処理する多核種除去設備(ALPS)が放射性物質の「炭素14」を除去できず安全ではないとする一部の懸念に対して、希釈前の汚染水から検出される炭素14の量は安全な排出基準を大幅に下回っているとして、心配する必要はないと説明した。