「AGA治療薬の副作用」はご存知ですか?副作用が発生する確率や対処法も解説!

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医師や薬剤師から薬について説明を受ける時、副作用についてしっかり話を聞いていますか。どの薬にも副作用はあり、AGA治療薬についても同様です。

副作用は起こる確率が低いものもあり、自分には関係ないからと説明を受け流してしまうこともあるでしょう。

しかし、副作用について理解しておくことは必要以上に不安にならなかったり、事前に対処法を考えたりすることに繋がります。そのため、安心してAGA治療に臨めるでしょう。

そこで本記事では、AGA治療薬の副作用について詳しく解説します。

AGA治療薬の副作用


AGA治療薬には様々な種類があり、副作用も治療薬ごとに異なるものです。AGA治療薬は主に次の4つがあります。

プロペシア

ミノキシジル

ザガーロ

フィナステリド

ロゲイン

ここでは、治療薬ごとの副作用について詳しく解説します。

プロペシア

プロペシアとは、フェイナステリドを有効成分とするAGA治療薬の飲み薬です。国内で広く処方されており、AGAの最も有効な治療方法の1つです。プロペシアの副作用には次のようなものがあります。

リビドー減退

勃起機能不全

射精障害

胃不快感

ほてり

これら副作用のうち、最も表れやすい副作用がリビドー減退です。性機能に関わる副作用は、子作りに影響するため場合によっては深刻な問題になります。そのため子作りを希望されている方は医師へ相談すると良いでしょう。

ミノキシジル

ミノキシジルとは、ミノキシジルを有効成分とするAGA治療薬です。内服薬と外用薬があります。外用薬の副作用については「ロゲイン」の章で後述するため、ここではミノキシジル内服薬の副作用について解説します。ミノキシジル内服薬の主な副作用は次のとおりです。

動悸・息切れ

頭痛・めまい

むくみ

ミノキシジル内服薬は元々血圧を下げる薬として開発されたものです。血管を拡張し、血行を改善する効果があります。そのため血圧が不安定な方や心疾患がある方などは心機能や不整脈が悪化する恐れがあります。
医師から血圧について指摘を受けている方や心疾患のある方はミノキシジルの内服する際は必ず医師に相談しましょう。

ザガーロ

ザガーロとは、デュタステリドを有効成分とするAGA治療の飲み薬です。AGAに関するガイドライン上でもデュタステリドを使用した治療が強く推奨されており、AGAに対し高い治療効果と安全性が証明されています。ザガーロの副作用には次のようなものがあります。

肝機能障害

勃起不全

リビドー減退

射精障害

初期脱毛

肝機能障害はザガーロに限らず医薬品全般で稀に起こる副作用の1つです。ザガーロもここまで紹介したプロペシアやミノキシジルと同様の副作用があります。性機能に関わる副作用があるため、ザガーロを服用する場合にも子作りを希望されている方は医師へ相談すると良いでしょう。

フィナステリド

フィナステリドは前述したプロペシアのジェネリック医薬品です。そのため副作用も同様であるため、フィナステリドの副作用については「プロペシア」の章をご覧ください。

ロゲイン

ロゲインとは、ミノキシジルを有効成分としたAGA治療の外用薬です。ミノキシジル外用薬の副作用には次のようなものがあります。

皮膚炎

顔面の多毛

初期脱毛

これら副作用のうち、多くの方に表れる副作用は初期脱毛です。初期脱毛とは、治療開始後約2週間から8週間ほどで起こる抜け毛の増加をいいます。AGAの治療を目的に薬を使用しているのに脱毛がみらえると不安になり治療をやめてしまう方もいます。しかし、初期脱毛のタイミングで治療をやめてしまうと効果を実感できないため、継続して治療を行うようにしましょう。

AGA治療薬で副作用が発生する確率


AGA治療薬で副作用が発生する確率について明確な数字は明らかではありませんが、発生率はごくわずかといわれています。AGA治療薬は服用を中断すると効果が得られなくなるため、長期的に服用することが重要です。長期的に服用しても副作用の確率が高くなるわけではないため、安心して服用できます。
発生率が高い副作用は初期脱毛です。初期脱毛はヘアサイクルが関係しています。AGA治療によりヘアサイクルが休止期から成長期へ移行すると、古い髪の毛が新しい髪の毛に押し出されて脱毛が起こるのです。初期脱毛は永遠に続くものではありません。いつまでも初期脱毛が続く場合には医師へ相談しましょう。

AGA治療薬の副作用の対処法


AGA治療薬で副作用が発生する確率は低いです。しかし、副作用が起こる確率が全くないということはありません。副作用が発生した場合、どのような対処法があるか理解しておけば必要以上に不安にならずに済むでしょう。ここでは、AGA治療薬の副作用の対処法について解説します。

薬の量を減らす

1つ目は「薬の量を減らす」です。副作用が表れた場合、医師によっては薬の量を減らして経過を診ます。完全に服用をやめてしまうとAGAが進行する恐れがあるためです。薬の量を減らし、副作用が落ち着けばそのまま服用を続けられます。
薬の量を減らす場合は自己判断では行わず、必ず医師に相談しましょう。自己判断でAGA治療薬の量を減らすと副作用が悪化する可能性があります。

薬の種類を変える

2つ目は「薬の種類を変える」です。AGA治療薬の有効成分は薬ごとに異なるため、身体への作用も異なります。例えば心疾患のある方の場合、血流に影響を及ぼすミノキシジルを服用すると動悸や息切れといった副作用が表れやすいです。そのような場合に血流への影響が少ない薬へ変更すると副作用が落ち着くことがあります。
AGA治療薬は病院での処方以外にも市販や個人輸入も可能であり、簡単に手に入りやすいといえます。薬が合わないと感じ、病院に行くのも手間だからと自分で薬を手に入れて薬の種類を変更する方もいるかもしれません。しかし、個人輸入が可能な薬は安全性が保証されていない場合が多く、重篤な副作用が起こる可能性もあり大変危険です。
市販の薬であっても自己判断で薬の種類を変更することは、期待する効果が得られない場合もあるためおすすめできません。薬の種類を変える場合も自己判断では行わず、必ず医師に相談しましょう。

AGA治療薬を選ぶポイント


AGA治療薬を選ぶ際には次の2つのポイントがあります。

期待する効果で選ぶ

価格で選ぶ

AGA治療薬はどの薬を使用しても薄毛を治療するという目的は同じです。しかし、薬の種類によって効果は様々であるため治療過程は異なります。AGA治療薬の価格も薬によって違いがあります。AGA治療は長期間にわたって治療が必要なため、高価な薬の治療を続けるのが負担になる方もいるでしょう。
そのため、自分の予算に合わせてAGA治療薬を選ぶことが長期間にわたって治療を継続するポイントといえます。ここではAGA治療薬を選ぶ2つのポイントについて詳しく解説します。

期待する効果で選ぶ

1つ目は「期待する効果で選ぶ」です。AGA治療で得られる効果は主に次の2つです。

抜け毛の減少

発毛を促す

それぞれの効果について解説します。まずは「抜け毛の減少」です。抜け毛は、DHT(ジヒドロテストステロン)というホルモンが原因です。このDHTは、男性ホルモンであるテストステロンが5αリダクターゼという酵素と結合することで生成されます。
薄毛治療では、DHTそのものを減らすのではなく、DHTの生成に必要とされる5αリダクターゼという酵素の働きを抑制し、抜け毛の減少の効果が得られるのです。抜け毛の減少の効果が得られるのは前述した薬のうち、プロペシア・ザガーロ・フィナステリドです。
次に「発毛を促す」です。薄毛治療で使用される薬の中には、インスリン様成長因子1や血管内皮細胞増殖因子など発毛を促す発毛因子の産生を促すものがあります。これらが髪の産生・成長に重要な役割を果たす毛母細胞に働きかけることで発毛が促されるのです。
発毛を促す効果が得られるのは前述した薬のうちミノキシジルとロゲインです。期待する効果が得られる薬を使用すると、AGA治療の効果を実感しやすいでしょう。

価格で選ぶ

2つ目は「価格で選ぶ」です。AGA治療薬の価格は内服薬の場合、月々3,000円~15,000円、外用薬の場合月々10,000円~15,000円です。あくまで相場であり、価格は治療を受けるクリニックによって異なります。
AGA治療薬の価格はクリニックのホームページに記載されている場合もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。AGA治療は治療をやめてしまうと効果がなくなり、またAGAに悩まされるかもしれません。そのため、長期間にわたって治療が必要です。高価な治療では長期間にわたって治療を行うことが難しい方もいるでしょう。
そのような場合には次の3つのポイントを押さえると、少しでも治療費を安くできる可能性があります。

早めに治療を受ける

ジェネリック医薬品を希望する

オンライン診療や電話診療を活用する

経済的負担が過度にならない価格のAGA治療薬を選び、長期間にわたって治療を行うとAGA治療の効果を実感しやすいでしょう。

編集部まとめ


AGA治療薬の副作用について解説しました。

AGA治療薬の副作用は薬によって異なります。性機能に影響が出たり、動悸や息切れの症状が表れたりします。また、外用薬の場合には皮膚炎にも注意が必要です。

副作用が起こる確率は極めて低く、長期間服用しても副作用の確率が高くなるわけではないため安心して服用できます。

ただし、副作用の1つである初期脱毛は多くの方に表れる副作用です。初期脱毛はAGA治療薬が効いている証拠であるため、過剰に不安になる必要はありません。

副作用が出た場合には、薬の量を減らしたり薬の種類を変えたりして対処しましょう。この際、自己判断で行わず医師に相談することが重要です。

AGA治療薬を選ぶ際には期待する効果で選ぶこと価格で選ぶことの2つがポイントです。

ポイントを押さえて薬を選択し、副作用について正しい知識を身につけておけば治療に失敗する可能性は低くなります。

本記事が参考になれば幸いです。

参考文献

男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版(日本皮膚科学会)

プロペシア錠0.2mg/プロペシア錠1mg(医薬品医療機器総合機構)