西武・今井達也【写真:荒川祐史】

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西武・今井は7回途中6失点で今季初黒星…25歳の誕生日を飾れなかった

■ロッテ 6ー2 西武(9日・ベルーナドーム)

 西武は9日、本拠地ベルーナドームで行われたロッテ戦に2-6で敗れた。今季好調だった先発の今井達也投手は、7回途中9安打6失点で今季初黒星(3勝)を喫した。初対戦の池田来翔内野手にプロ初本塁打を含む3安打、中村奨吾内野手には今季2号2ランを含む4安打された。この日は25歳の誕生日だったが、プロ入り後初のバースデー先発を飾れなかった。

 松井稼頭央監督は試合後、今井の投球を「いいボールも結構あったが、要所で粘り切れなかった」と評した。

 初回、「1番・三塁」でスタメン出場したプロ2年目の池田に、初球の149キロ直球を左中間へ運ばれ二塁打。1死三塁となった後、3番の中村奨にカウント2-2から外角スライダーをとらえられ、左中間への先制適時二塁打にされた。今井はこの打席で中村奨にあえて持ち味のストレートを使わず、7球全てが変化球(スライダー4球、チェンジアップ3球)だった。

 3回の失点も、初回と全く同じパターンだった。1死から池田に初球カーブを左翼線二塁打され、2死後に中村奨を迎えた。今度は初球から150キロ超の速球を4球続け、カウント2-2としたが、5球目の内角低めチェンジアップを左前へはじき返され、2点目を献上した。

 6回には2死二塁で、茶谷健太内野手のバットを内角高めの154キロの速球で折りながら、打球は中前へ落ちる適時打に。1-3のスコアで続投した7回には2死から池田に真ん中高めスライダーを左翼席へ運ばれ、プロ初本塁打を献上。続く角中勝也外野手を四球で歩かせた後、中村奨にこの日105球目の外角低めの146キロを、左翼席へ放り込まれた。ここで降板を命じられた今井は、ベンチ内でグラブと帽子を叩きつけて悔しさを表した。

4月13日のロッテ戦では完封勝利も…今回は「対策ができていると感じた」

「打たれるのは仕方がないと思うけれど、得点圏にランナーがいる時、ここで1本で出たら点が入ってしまうというところで、粘り切れなかったことがいけなかった」と今井は振り返った。

 ロッテとの前回対戦は4月13日の埼玉県営大宮公園野球場で、8回1死まで無安打無得点の快投を演じ、自身2年ぶりの完封勝利を達成した。中村奨を4打数1安打1三振1併殺に抑え、池田は1軍にいなかった。そしてこの日、4打点の中村奨にはスライダー、チェンジアップ、ストレートをことごとくとらえられ、「前回対戦で完封していたこともあって、対策ができていると感じた。次は僕が先を越すようにしていかないと」とリベンジを誓った。

 悔しさを露わにしたことについては、「7回もマウンドに行かせてもらったのに、しっかり投げ切れなかった。監督も豊田(清投手コーチ)さんも、もう1イニングいけると思って送り出してくれたのに、その期待に応えられなかった。それに1-3のままなら、ワンチャンスで逆転できる点差だったのに、そこで粘り切れなかったのが悔しかったところです」と心境を明かした。

 とはいえ、この日最速で156キロを計測したストレートがコーナーに決まった時には、圧倒的な迫力を感じさせる。今井も「三振を取りたい時に取れると、失点を防げるし、自分も楽になる。イニング数以上に三振を取れるように、毎試合心掛けています」と語る。この日は6回2/3で6奪三振で、今季通算33回2/3で35三振を奪っている。大器が着実に完成形へ近づいているのは、間違いない。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)