「これは非常に心配です」阪神・湯浅離脱で注目集める守護神問題 球界OBが解説

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首位に立ったチームをいかに岡田監督が前に進めていくか(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 阪神は19日の広島戦(甲子園)に6ー1と快勝、15日以来の単独首位に立った。

 先発は大竹耕太郎、緩急をつけたピッチングで勢いのある広島打線を封じ込める。初回、2回は三者凡退と打ち取り、走者を出しながらも要所を締め、7回途中1失点で今季2勝目をあげた。打線で光ったのは、ここのところ不振がクローズアップされていた佐藤輝明だ。5回先頭の打席では左翼線へ落ちる当たりを気合のヘッドスライディングで二塁打とすると、続く井上広太の右前打で無死一、三塁の形を作り、先制のホームを踏んだ。

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 さらに2点リードで迎えた6回二死二塁の場面では三遊間を破る、貴重な適時打をマーク。これが開幕から55打席目で初タイムリーとなった。

 投打がかみあって、再び首位浮上となったチームだが、心配な材料も浮上している。先に守護神の湯浅京己が右ひじの張りのため、登録抹消とあった。復帰時期は未定と、この間、「勝利の方程式」はどのようになるのかも注目を集める。球界内からも様々な考察の声が出ている。

 かつて岡田監督政権下で投手コーチも務めた阪神OBの中西清起氏が18日までに更新した自身のユーチューブチャンネルで阪神の守護神問題について言及している。

 湯浅が離脱したことによって、左腕の岩崎優、岩貞祐太、昨年も守護神を務めたケラー、また加治屋蓮、石井大智といった勝ちパターンの投手たちのスクランブル態勢が予想されるとした中西氏。

 「たとえば9回でも石井が2人投げて、岩崎が1人投げる、もしくは岩崎が2人投げて、石井が1人投げる」など、1イニングを2人で抑えるなどの変則起用も考えられるとした。

 こういった起用に関して「これは非常に心配です」と中西氏。これまでは9回は湯浅と磐石の形があったところを一人欠くことで「守護神というのは守り神ということなので。守り神がいないというのは厳しい」としてリリーフ陣の負担を心配する場面も。今後の起用も見守っていきたいと話した。

 湯浅離脱後の直近2試合、18日の広島戦では西勇輝が9回128球の力投を見せ勝利につなげた。また19日の試合は7回途中まで投げた大竹の後を継いだ左腕の岩貞が9回までつなぎ、9回はケラーが締めた形となった。

 元々安定したピッチングスタッフを誇る阪神だが、この非常事態では先発も長くイニングを投げることが求められそうだ。常に先を見るとされる岡田監督のタクトにも引き続き注目が集まりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]