「呑気症」の症状・原因・見分け方はご存知ですか?医師が監修!

写真拡大 (全5枚)

ストレスを原因とした病気が数多くあるのをご存じでしょうか。そしてその1つに呑気症(どんきしょう)という病気があります。

呑気症の症状で苦しんでいるのは女性が多いといわれ、主に20代などの若い女性に多くみられます。症状としては命に関わるような症状になることは少ないといわれています。しかし呑気症は現代を生きている私たち誰もがなりうる病気の1つです。

そのため呑気症にならないためにも、まずは呑気症について知っておくことが大切でしょう。ここでは、呑気症の症状・原因・治療法などについて詳しくご紹介をしていきます。

呑気症とはどのような病気ですか?

呑気症の症状を教えてください

呑気症は、別名で空気嚥下症とも呼ばれる病気です。そして症状は以下のようなものが挙げられます。

ゲップの回数が増える。

ガスが溜まり、おならの回数が増える。

お腹が張った感じがする。

吐き気や腹痛がする。

呑気症の原因を教えてください

呑気症の原因は、はっきりとは分かっていません。しかしストレスなどが溜まり心が弱っている状態の時に発症しやすいともいわれています。
私たちは、ストレスなどを感じてしまうと必要以上に空気を体内に取り入れてしまうことがあります。
そしてそれが原因となり、呑気症は発症するのです。
またストレスの感じ方は人それぞれです。時には自分では気付いていないのにも関わらず、心が不安定になっているということもあるでしょう。
そのため、呑気症の疑いがある場合は自分の心に一度無理をしていないか問いかけてみることをおすすめします。
そして心が疲れているようならば、自分を労わってあげることも大切でしょう。
また、その他にも食べるのが早い・口呼吸・姿勢の悪さ・奥歯を噛みしめる癖などが原因になっている可能性もあります。

呑気症の見分け方を教えてください

呑気症の見分け方としては、お腹の不調などの呑気症の症状が出ており、かつストレスなどを感じ精神的に不安定な状態であることが挙げられます。
また他の人より食べるのが早いことや無意識に歯を噛みしめるなどの癖がある場合も、呑気症の可能性があります。
しかし、一般人に呑気症を見分けるのは難しいでしょう。また、ストレス等の心の不調を原因とした病気は呑気症以外にも数多くあります。
そのため心の疲れが原因で体の調子が良くないと感じた場合は、まずは医療機関に診てもらうことをおすすめします。

呑気症のチェック項目を教えてください

呑気症のチェック項目には以下のようなものがあります。

お腹が張っている感じがする。

おならが出やすい。

げっぷがいつもより多い。

吐き気がする。

腹痛などお腹に違和感がある。

また上記のような症状を感じ、以下のような項目がある場合は呑気症の可能性を考えると良いでしょう。

ストレスなど精神的苦痛を感じている。

食べるのが早い、奥歯の噛み癖などの癖がある。

そして、呑気症の原因はその他にもあるといわれています。たとえば、呼吸不全や心不全も要因となると考えられています。
また、ストレスや癖などは自覚するのが難しい場合もあるでしょう。そのため前述した症状で体に不調を感じた場合は、一度医師の診断を受けると良いでしょう。

呑気症の予防と治療について

呑気症は予防できますか?

呑気症の原因はストレスなどの心の不調無意識に習慣化している癖が主な原因といわれています。
そのため、まずは心が不安定にならないよう日ごろの生活に気を配ることが大切です。
たとえば、食生活で栄養バランスの取れた食事をすることや睡眠をしっかり取ることなども呑気症の予防となるでしょう。
その他にも1人の時間を作ることや自分の趣味など好きなことをする時間を作るのも大切です。
また、日ごろから食事をゆっくり食べるなどの行動に気を付けることも呑気症の予防に繋がるでしょう。

呑気症と食事方法は関係していますか?

呑気症と食事方法は関係しています。なぜなら、呑気症の原因の1つに早食いや奥歯を噛みしめる癖など食事の仕方が挙げられるからです。
そのため早食いの癖がある方は、まずはゆっくりと食べることを心掛けてみると良いでしょう。
しかし一方で、このような癖を自覚するのは難しいともいえます。
そのため早食いの癖を直したい場合は、周りの人に注意をしてもらうなどの協力をしてもらうのも良いでしょう。
また、食事方法はストレスなどが原因で発生している可能性もあります。
そのため食事方法のみを改善するのではなく、生活リズムを整えるなど日々の生活の改善に力を注ぐことも大切でしょう。

呑気症はどのように治療しますか?

呑気症の治療を行うにはまず、呑気症であることを診断してもらわなければなりません。
呑気症と診断を下してもらうためには、医師による問診や胃カメラなどによる胃の検査が必要となります。
そして、診断された後に治療がスタートします。しかし、呑気症の場合はストレスなど心の問題が原因で発症するケースが多いので、手術や薬物投与などの有効な治療法はありません。
そのためまずは、認知行動療法という心理療法の一種が行われます。
認知行動療法では、まず自分が呑気症であることやその症状について理解をします。そしてその後に心の調和を保つために自分の生活や行動を改善していきます。
また歯の噛み癖がある場合は、歯並びが原因の場合もあるでしょう。その場合は歯科医師による治療を進められることもあります。

呑気症は鍼灸で改善できますか?

鍼灸とは中国医学における治療法の1つです。
鍼灸では一般的に、症状が出ている部分に針を刺す、またはお灸をするなどをして治療をしていきます。
そして鍼灸は呑気症の治療で使用されることがあります。なぜならば、鍼灸は睡眠障害などやストレスなど精神的な苦痛を緩和する可能性があるからです。
そのため心の不調が呑気症の原因ならば、鍼灸を治療法として用いることでリラックスすることができ、呑気症の症状が緩和することもあるでしょう。
しかし一方で、医学的には鍼灸が呑気症に対する有効な治療法であることを証明する結果はありません。
そのため呑気症の症状にお悩みのようならば、まずは医師の診断を受け適切な治療を行うことが良いでしょう。

呑気症について

呑気症とは治療後でも再発しますか?

呑気症は治療後でも再発をする可能性はあります。特に呑気症の原因がストレスなどの精神的要因の場合は要注意です。
なぜならば、たとえ一時のストレスが緩和されても、再び同じような事があると呑気症を再度発症してしまう可能性があるからです。
また、治療をするそれ以前にまずは呑気症が発症しないよう日々の生活を改善することが大切でしょう。
そのためには、健康的な生活スタイルを維持することを心掛けることが必要となります。
そして状況に応じては、なるべく早くに医師に相談し、適切な治療法を選択することが大切となるでしょう。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

呑気症は、現代病とも呼ばれ、ストレスが主な原因となり発症するものです。
現在、呑気症に対しての有効な治療法は確立されていません。
そのため、まずは自分自身で予防することが大切でしょう。
生活リズムを整える、睡眠時間をしっかり確保するなど、少し気を付けるとできることは多くあります。
またそれでもお腹に違和感を覚えたり、げっぷやおならがよく出るなどの症状がでたりした際は、なるべく早く医師に相談をするなどの対応をするようにしましょう。

編集部まとめ


ストレスなどの精神的な苦痛は、体にさまざまな症状で心が弱っていることを伝えてきます。そしてその1つが、呑気症です。

また、呑気症は心理的要因が原因になることが多いので、総合内科などでは診断が下らない場合もあります。

そのため呑気症の症状があり、心が疲れているように感じた場合は、心療内科に相談をしてみるのも良いでしょう。

どのような症状であれ、体調が優れない場合は、体または心が弱っている証拠です。無理をせず、適切な治療を受けられる医師の診察を受けることをおすすめします。

参考文献

ストレスをためない暮らし方(厚生労働省)