大手アダルトビデオメーカーのソフト・オン・デマンド(SOD)が、セクシー女優と会える“大人のテーマパーク”として2020年10月に新宿・歌舞伎町の一角にオープンした「SODランド」。

【画像】有名、無名問わず、多くのAV女優が出勤していた

 60分3000円の入館料で現役AV女優と会うことができるということもあり、店の前に列ができるほどの人気店だが、このところSODランドのTwitterには臨時休業を知らせる内容のツイートが表示されている。一体何が起きたのだろうか。


SNSで連日の臨時休業を発表(Twitterより)

「警視庁が3月14日に、SODランドの経営者や店舗責任者を風営法違反で検挙しました。SODランドは許可がないのにもかかわらず、店内で女性店員が客に対して接待行為をしていたということで、風営法の無許可営業で摘発されました」(全国紙社会部記者)

SODランドに警察のガサ入れが

 摘発翌日の20時ごろに店を訪れると<CLOSE>の札が入り口にかかったままで照明は消えており、人の気配はなかった。

  そもそもSODランドとは一体どんな店なのだろうか――。店の外壁には次のような説明が書かれていた。

〈ソフト・オン・デマンドがプロデュースする「AV女優と逢える」をコンセプトにした飲食テーマパークです。有名女優から新人女優、これからデビューする金の卵まで、各フロアのコンセプトにあった女の子たちが、あなたのご来店をお待ちしております。SOD独自のメニューや各種オプションを楽しめる新感覚オトナのエンターテインメント空間をぜひ体験してください。〉

 店はビルの地下1階から地上4階まで全5フロアあり、入り口にはそれぞれのフロアのコンセプトが詳細に書かれていた。1階にある受付以外は、AV女優ら女性店員と会話をしたり、酒を飲んだりすることができるという。


 最上階の4階は全席私語禁止の“サイレントバー”で、SOD社が製作したアダルトビデオ撮影用の車両「マジックミラー号」がコンセプト。マジックミラー越しに露出した女性を鑑賞できるのがウリだという。店の看板には次のような記載があった。

AV女優と会える歌舞伎町のテーマパーク

〈水着姿のキャストをマジックミラー越しに眺めることができるBAR。オプションを注文すると目の前に来てセクシーなパフォーマンスを楽しむことができる。静かにじっくり女体を眺めたいお客様にオススメのフロア。〉

 実際にAV女優と会うことができる“飲食テーマパーク”。SODランドのホームページを見てみると、AV女優らの出勤予定が写真とともにカレンダー形式で掲載されており、『私服day』や『黒ギャル出勤Day』など様々なイベントも開催されているようだ。

 AVメーカーの雄が掲げる独創的なコンセプトは世の男性を魅了しないわけがない。連日大入りで評判を呼んでいたが、今回、警察の摘発を受けることとなってしまった。店の実態はどのようなものだったのか――。

 SODランドで働いたことのある女性A子さんが語る。

「飲食店という建前でしたが、性的な要素は強かったと思います。メイドカフェのエロバージョンといったら分かりやすいでしょうか」

 A子さんは店内でのパフォーマンスについてこう続ける。

「地下1階ではドリンクメニューに甘栗入りのハイボールがあって、お客さんが割りばしで甘栗をツンツンすると、女の子が演技で喘ぐなんていうことをやっていました。オープン当初半年くらいは『ノーパンデー』っていうのがあって、パンツは穿いてるんですけどお客さんに性的な想像をさせるような演出や、鞭でお客さんのお尻を叩くとかちょっと過激なものもありましたね。

 実は警察の指導も何回か入っていて、店側はそれによって接客内容を変えたりフロアをリニューアルしたりしていたんです。あとコロナ禍でもあったので、そういった状況によってサービスを変えていました」


 店には現役AV女優のほかにも、引退したAV女優や風俗店勤務の女性などが働いていた。著名なAV女優は“プレミアム出勤”といい、主にイベントの時に働いていたという。

「カウンター越しでAV女優さんたちが撮影の裏側とか演技なのかどうかとかそんな話をしていたと思います。基本はエロ話で、風俗とかと違って、過激な性サービスとかもなかったはず。単体女優さん目当てのマニアやファンのほかにも、SODランドには素人女優さんもいるので、その子たち目当てのお客さんも結構来ていましたね。男性客が多かったですが、意外とAVは女性ファンも多くて、女性客の入りもありましたよ」(AV事務所関係者)

明らかに怪しい雰囲気はなかったが…

 大手アダルトビデオメーカーの店ということもあってか、明らかに怪しい雰囲気はなかったようだ。昨年の夏ごろにSODランドを訪れた男性はこう話す。

「キャバクラとか風俗店と違って照明も明るいし、“明るいエロ全開”みたいな雰囲気の店でしたよ。1階で受付をした後に丸いステッカーみたいなのを渡されて、そこに自分のニックネームと性癖を書いて、それを服に貼るように言われました。周りの客も恥ずかし気もなく、普通にアダルト系の言葉を書いてましたね。

 店内はフロアにもよりますが、AV女優とテーブル越しに話したり、AVにめちゃくちゃ詳しい男性客とかもいるので客同士で盛り上がったりみたいなこともありましたね。そういう意味では本当に“大人のテーマパーク”って感じでした」

 SODランドを何度か訪れたことのある別の男性は、AV女優らによる“あるパフォーマンス”について語る。

「4階はフロア中央にマジックミラー越しの部屋があり、それを囲むように仕切られた座席があるんですが、ちょっとしたパフォーマンスがあるんですよ。メニューに『パイ揺れマティーニ』とか『お尻フリフリポテト』というのがあるんですが、その名の通り、水着姿のAV女優さんがマジックミラー越しにおっぱい揺らしながらシェイカーでドリンクを作ってくれるんです。客としては興奮しましたが、今思えば“グレー”な接客だったのかもしれません……」 

(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))