Lightroomで、解像度が低い写真の解像度を上げることができる便利機能「スーパー解像度」の使い方を紹介します。
*Lightroom Classic画面で解説しますがLightroom CCも基本的には同様の操作で補正可能です。■使用する機能「スーパー解像度」目次1.スーパー解像度とは?スーパー解像度とは、トリミングをしたことでピクセルサイズが小さくなってしまった画像や、低解像度のカメラで撮影したデータなどを、AIの学習機能を使って、元画像と比較して縦2倍、横2倍、総ピクセル数を4倍にして解像度を上げて鮮明な画像を作る機能です。2.スーパー解像度を使う手順使い方は簡単です。難しい操作はありません。以下の写真で使い方を見ていきましょう(図1)。図1Lightroom Classicでこの写真を読み込み、画面上側の[現像]を押して、現像モジュールを開きます(Lightroom CCは[編集])。左上の[ナビゲーター]パネルで画像を拡大して解像度をチェックします(図2)。図2。画像のズーム率はディスプレイサイズによって異なる。適宜トリミングした際に見せたい部分がぼけていないかなどをチェックする続いて、写真メニュー→“強化...”をクリック、または画像上で右クリック→“強化...”をクリックします(図3)。図3すると「強化のプレビュー」ダイアログが表示されます(図4)。初期設定は[スーパー解像度]にチェックがついています(図4)。図4。[スーパー解像度]にチェックが入っていると、[RAWディテール]にもチェックがつく
[スーパー解像度]のチェックを外すと、[RAWディテール]のチェックがアクティブになります。両方外すと拡大画面の下に[強化なし]と表示されます(図5)。図5[スーパー解像度]にチェックが入っている状態で拡大画面上をクリックすると、[強化なし]と表示されて、強化前の画像と見比べることができます(図6)。強化することによってかなりディテールが出て、解像感があることがわかりますね。図6なお元画像がRAWファイルではない場合、[RAWディテール]はチェックできません(図7)。図7スーパー解像度を適用するには、このダイアログで[スーパー解像度]にチェックを入れて、[強化]をクリックするだけです(図8)。これで強化された(解像度を上げた)DNG形式のファイルデータができました。強化にかかる時間はパソコンのスペックに左右されます。図8。強化後に画像の一部を拡大した図。解像度が高くなり、かなりアップにしても細部の質感が残っていることがわかる3.スーパー解像度適用後の切り取りスーパー解像度を適用後の補正作業も紹介します。解像度を上げたら適宜、写真を切り取ります。Lightroom Classicで写真を切り取る場合は、[現像モジュール]を開いている状態で、[基本補正]パネルの上、ツールストリップの[切り抜き]をクリックします。切り抜きのガイドが表示されるので、画像をドラッグして範囲を決めたらトリミングします(図9)(図10)。*切り抜き作業の詳しい解説はこちら「写真を切り抜く・トリミングする方法」。図9図10最後に[基本補正]パネルで画像を整えたら完成です(図11)(図12)。*明るさ補正の詳細は「明るさを調整する/白飛びを補正する」を参照。図11。スーパー解像度で解像度を上げて、部分的にトリミング後、明るさなどを補正した画像図12。[基本補正]パネルの最終的な設定強化後のデータファイルは名前の一部に「強化」と表記されて、わかりやすくなっています。なお、一度強化して書き出した画像をもう一度強化しようとしてもできないようです。ちなみに、写真ではわかりませんが、全長が6cmを超えている大きなバッタで、50mmのマクロレンズでの撮影でした。もっとバッタに寄って撮影したかったのですが、逃げられてしまうリスクとのせめぎ合いで四つん這いになりながら、じわじわと近づいての我慢比べには勝ちましたが、このあと逃げられてしまったので寄りきれなかったという意味では完敗です。そんなときにスーパー解像度は、とてもありがたい機能ですね。スーパー解像度は、実質ピクセル数が4倍になるとはいえ、トリミングして切り抜く範囲が小さすぎると結局解像度は足りなくなってしまいます。できるだけ撮影時に考えられる寄り、引きのフレーミングで撮影して備えておくことが望ましいです。それでもサイズが足りないなどの不測の場合に助けになる機能という認識がいいかもしれません。以上、Lightroomで、解像度が低い写真の解像度を上げることができる「スーパー解像度」の紹介でした。
●構成:編集部 ●構成+制作+写真:谷本夏[studio track72] ●編集:編集部