昨年は値上げを実感した人も多かったはず。今年もまだ値上げが予定されているなど、いよいよ家計の影響を心配する声もあります。節約アドバイザーの丸山晴美さんが、2023年に意識しておきたい節約ワザについて教えてくれました。

2023年、節約のために意識しておきたいこと

物価が上がって、現金の価値が下がるインフレ時は、「収入を増やす」「節約」「投資運用」の3つを同時にする必要があります。まだやっていないものがあれば一つずつクリアしていきましょう。今回は値上げ時にすぐできる節約術を紹介します。

昨年の2022年は値上げに始まり、値上げに終わった1年でした。2023年1〜4月に予定されている食品の値上げは、7390品目となり、引き続き値上げの年となり家計には厳しい状況となりそうです。

参考:帝国データバンク「食品主要105社」価格改定同行調査2023年1月

●まっ先に見直すべきは、「固定費」

光熱費も値上げが続いており、1月分の明細が届いて驚いている人も多いでしょう。今までと変わらない生活をしていても、出費が増え続ける状況はこの2023年も続くでしょう。収入が増えればよいのですが、それも難しい状況が続いています。

初めにやっておきたいことは、固定費の見直しです。口座の引き落とし記録やクレジットカードの明細を見ながら解約できそうな出費はないかチェックしましょう。とくに定期購入や定額制などのサービスや習い事などの費用は今一度見直しましょう。
固定費は一度見直すことでその分貯蓄や予算を増やしたい費目へ回すことができますので、早めに見直すのがおすすめ。通信費も、こだわりがなければ格安SIMへ乗り換えると毎月の出費を抑えることができます。
お子さんの進級でスマホを持たせたいと考えている場合は、まずは親御さんが使っていたスマホに、格安SIMを組み合わせると、初期費用と毎月の費用を大きく節約できます。

●光熱費は軒並み値上げ。使いすぎを防ぐ

電気代やガス代も値上げで出費が増えています。2023年は昨年以上に値上がりすることが確定しています。電気は使っていない照明はこまめに消して、暖房の設定温度を低めにする。電気を使った保温はできるだけしない、などなど基本的な節電アクションは習慣化させましょう。

今後も値上げが続くことを考えて、10年以上前の冷蔵庫、エアコン、照明(蛍光灯)を使っている場合、省エネ性能が高いものへ買い替えや、カーテンを遮光性や断熱性が高いものに買い替えたり、二重窓にするなど省エネ性能を高めるための出費をしましょう。

ガスは浴室での使用がメインになるので、お風呂の湯量は少な目にして、お風呂が沸いたら続けて入浴して追い炊き回数を減らしたり、節水シャワーヘッドを使うといった、すぐにできることはやってみましょう。

節約アドバイザーが教える節約のポイント9つ

ここからは、暮らしのなかで、応用しやすい、「すぐできる」節約術を紹介します。

(1) 衣類などはあるものですます

服や靴など衣類や化粧品は手持ちのものですませて、消耗品は適宜買い替えるようにしましょう。修理やリフォームをして使い続けるのもおすすめします。子ども服などはフリマアプリなどでユーズドを活用すると安く買うことができるでしょう。

フォーマルウエアは、レンタルにするのもいいでしょう。すでに持っている人は、卒業式や入学式前日にフォーマルが入らない! と慌てないために、その予定がある人は今のうちに試着しておきましょう。

(2) 食費は自炊を中心としたやりくりが大切

日々値上げを実感するのが、食費ではないでしょうか。食費は栄養バランスを考えながら自炊をしましょう。

(3) 買い物は予算とメモを持参する

メモは紙に書いても、スマホのメモ機能を使ってもどちらでもかまいません。必要なものから買って、予算が余ったら嗜好品を買うように、優先順位を考えながら買うようにしましょう。

また、レジへ会計する前にカゴの中身を確認して買い忘れがないか、なくても困らないけど、半額シールが貼ってあったからついカゴへ入れていないかもう一度よく考えましょう。

(4) 買い出しは3日に1回に

週1回のまとめ買いでやりくりするのは上級テクニック。とはいえ、毎日買い物をすると必要以上に買い物をしてしまいがち。おすすめは3日に1回のプチまとめ買い。在庫を確認しながら買い物するものをコントロールしましょう。冷蔵庫にあるもので、おかずをつくって買い物をしない日(無買デー)を増やすと、残った食材整理にも役立ちます。

(5) クーポンや特売日を狙う

たとえば29日の「肉の日」や5がつく日の特売日を狙って買い物をしたり、アプリのクーポンを活用したり、キャッシュレス決済とポイ活をして少しでもお得に買い物ができるように意識をしてみましょう。

(6) 節約食材を取り入れる

お米を中心とした旬の食材(野菜、魚、果物)や、鶏胸肉、豚こま肉、ひき肉、卵や大豆製品など比較的に値上げ幅が控えめな食材で自炊しましょう。業務用は定番品で使用頻度が高いものを取り入れて、それ以外はこだわりがなければスーパーのプライベートブランド商品に切り替えましょう。

(7) 加工食品はできるだけ使わない

冷凍食品といった加工食品は原材料の値上がりだけではなく、製造時のエネルギーが高騰していたり、包装資材の高騰などで2023年も引き続き値上がり傾向にあります。例えば冷凍チャーハンの買いおきは便利ですが、ご飯と卵があれば数十円でつくれます。
お弁当の冷凍食品も、ホウレンソウのごゴマあえやナムル、ひじき煮などまとめてつくって小分け冷凍をしておき、加熱してつめるだけで、もう自家製冷凍食品のでき上がりです。

(8) 食事は「アルモンデ」つくる

買い物の前だけではなく、1週間に1回は冷凍室も含めた冷蔵庫の中身をチェックしましょう。早く使いきりたい食材を解凍して、残り野菜など「あるもので」工夫してつくると話題の「アルモンデ」にして、食品ロスと食費を減らしましょう。

(9) お茶は自作する

ペットボトル飲料も値上がりしています。できるだけお茶パックを煮だして、つくりおきしておきましょう。各々MY水筒に入れて持てば、冷蔵庫の開閉回数も減らせ、ペットボトルの消費が減ることで、資源ゴミを減らすことができます。

●2023年も引き続きメリハリのある出費を

満足度が高い出費を心がけるには、お金の優先順位を考えて必要なものからお金を使うようにしましょう。そしてまた、お金をかけるべきところと抑えるところのメリハリをつけましょう。優先順位に迷ったときは、一度すべてのことを紙に書き出してから、一つずつ優先順位をつけて整理をしていきましょう。