電子レンジやオーブントースターなど消費電力の高い家電が集中するキッチンは、ブレーカーが落ちないようにコンセントを設置したいもの。加えて、家電を使いたい場所に、必要な数のコンセントがなければ、とても不便です。調理家電の利用機会がますます増える今、日刊住まいライターが、家づくりの配線計画の際に考えたことと、新居での使い勝手について語ります。

わが家のキッチンコンセントは4か所12口

現在30代、夫婦でふたり暮らしの筆者。2年ほど前に工務店で2階建ての家を建てました。以前の住まいのキッチンでは、「コンセントの位置が悪い」「ブレーカーがすぐ落ちる」ことが悩みのタネに。そこで、この家づくりでは、しっかりとコンセント計画をしています。

できあがったキッチンの広さは、およそ4.5畳。コンセントは4か所12口あり、以下のように振り分けています。

・冷蔵庫の上に2口コンセント
・電子レンジ、炊飯器、トースターを置く場所(キッチン背面)に4口コンセントを1つ、2口コンセントを1つ
・キッチンワークトップ前のスパイスニッチ内に2口コンセント
・キッチン収納棚の中に2口コンセント(もとのプランにはなかった。)

 

コンセントで筆者がとくにこだわったのは、キッチンの背面(壁側)での使い勝手。ここには、収納家具が設置してあり、その上に、電子レンジやトースターなどを置いています。便利に使えるように、6つのコンセント(2口と4口)を用意しました。

以前の住まいでは、ご飯を炊きながら、この手の家電を同時に使うと、すぐブレーカーが落ちていました。そのため、炊飯器をキッチンから離れた場所のコンセントにつないだり、炊飯器を使ってる間はレンジの使用をあきらめたり。不便な状態でした。

新居ではこれを避けるために、2口のプレートと4口のプレート、それぞれブレーカーを分けてもらっています。

 

わが家には、スパイスニッチ内にも、コンセントが設置してあります。スパイスニッチは、筆者が新しいキッチンにどうしても欲しくて、こだわってつくったのです。その際、「調理台の前にもコンセントがあった方が便利ですよ」と電気屋さんに言われました。

 

キッチンの手元隠しの一部がニッチになっていて、奥にコンセントがあります(撮影のため、ニッチからスパイス類はどかしています)。

電気屋さんによれば、ここにあると、ワークトップで以下のように使う際に便利とのことでした。

・ミキサーを使うとき
・お菓子づくりでハンドミキサーを使うとき
・キッチンでスマホを充電するとき

 

コンセントが使えない!周りにものを置く場合は要注意

電気屋さんからすすめてもらった、パイスニッチ内のコンセント。じつは、つくったのは失敗でした。実際に使うことは、ほとんどありません。

理由は、スパイスを収納している状態だと、コンセントが隠れて使えないから。コンセントを使おうとしたら、いちいちスパイスを取り出さなければならず、手間です。

スパイスニッチの中につくってなければ、きっと便利に使えていたことでしょう。配線計画の際、周りにものが置かれるような場所にコンセントを検討する場合は、要注意です。

ちなみに、スパイスニッチの裏側のキッチンの手元隠し(ダイニング側)にもコンセントがあります。そのため、ニッチ内のコンセントの役目は、こちらでフォロー。不都合は生じていません。

電気屋さんが気を利かせて設置したコンセントで助かる

この写真は施工直後の際の様子。IHコンロ前に立って左を向いたところには、たっぷりとした収納棚があります。この収納棚は、食材のストック、米、調理家電、食器棚に入りきらない食器などを収納するつもりで設置。

本当はキッチンパントリーをつくりたかったのですが、スペース的に無理。苦肉の策で生み出した、奥行き30cmの収納です。

いちばん下の棚には、PCを置く予定でした。レシピなどちょっとした調べ物や、調理中の隙間時間に仕事で使いたかったのです。筆者は在宅ワーカーのため、新居の家じゅう、どこでもPC作業できるようにプランしたのです。

 

このいちばん下段の棚の右側には、コンセントがついています。じつは住んでから、「あれ? こんなところにコンセントがある!」と気づきました。というのも、もともと筆者が要望を出していなかったからです。

しかし結果的に筆者は、このコンセントの存在に、とてもありがたみを感じることに!

 

というのも、この棚で調理家電を使う際に、とても便利。筆者は現在ここで、炊飯器を使うからです。また、収納の棚をデスク代わりにしてパソコン作業をするときも、コンセントから充電できて快適。

お世話になった電気屋さんに「頼んでなかったのに、コンセントつけてくれたんですか?」と聞いてみたら、「そこにあったら絶対便利だと思って、サービスしておきました!」との返事。

本当にここにつけてくれてよかった。もしなかったら、延長コードを使う必要が。きっと不便だったことでしょう。

 

ブレーカーが落ちないキッチンは快適!

冒頭でもお伝えしたように、この新居は、ブレーカーがすぐに落ちる家にしたくありませんでした。そのため、電子レンジ向け、トースター向け、炊飯器向けに使うコンセントを事前に想定して配線計画を行い、制御するブレーカーを振り分けています。

おかげで、ご飯を炊きながらレンジ調理しながら、トースターでお惣菜の揚げ物を温める、といったことが希望通り可能に。

以前の住まいと比べて、食事の準備が格段に便利になりました。キッチンのどこで家電を使おうとしても、届く場所にコンセントがあるので「ここに電源があったらなぁ〜」と不便に思ったことも一度もなし。少しの想定外はあったけれど、コンセントが多いキッチンはとても快適です。