ホームカラーは、気になったときに気軽にできてお財布にも優しい反面、髪への負担が大きいイメージがありませんか?「自宅で染めるときの注意点を教えます!」と話すのは、女性の髪問題に詳しいヘアライター・佐藤友美(さとゆみ)さんと、人気ヘアサロンMINXのディレクター・八木花子(八木ちゃん)さん。早速、50代の読者をモデルに、ホームカラーのコツを教えていただきました。

 

美容院のカラーとホームカラーはなにが違う?

さとゆみ:今日はホームカラーについて教えてください。ヘアライターをしていると、「美容院のカラー=髪に優しい」「ホームカラー=髪への負担が大きい」というイメージがあるのですが、実際のところはどうなのでしょうか。と、美容師さんに聞くのも申し訳ないと思いつつ。

八木ちゃん:まず、美容院のカラーとホームカラーの違いについてお話ししますね。一般的にホームカラーの方が美容院のカラーよりも髪にダメージが大きいとされている理由は大きく2つあります。
1つ目は美容院の場合、お客さまの髪の状態を見て、一人一人薬液の強さを変えています。言い換えれば「しっかり染まる」のだけれど「その人にとって、必要以上に強い薬液は使わない」を両立しているわけです。

さとゆみ:なるほど。市販品は、ダメージ具合や、色の入りやすさがバラバラのお客様に対して一律に染まるカラー剤なので、どうしても薬液が強くなってしまうというわけですね。「染まらない」というクレームをなくすためには、いちばん染まりにくい人に合わせて商品をつくらなくてはならないという話も聞いたことがあります。

八木ちゃん:一人一人の髪の状態に合わせてカラー剤を選んでもらえるというのが、美容院でのヘアカラーのいちばんのよさだと思います。

八木ちゃん:2つ目は、美容院のカラーは、根元とそれ以外のカラー剤を使い分けている点が違います。すべての美容院がそうだとは言えないのですが、ヘアカラーに力を入れている美容院の場合、新しく伸びてきた新生毛(根元部分)と、すでにカラーをしたことがある既染毛(中間から毛先)の髪で、薬液の強さを変えているところがほとんどです。

さとゆみ:すでにカラーをしたことがある中間から毛先の髪は、カラーが入りやすくなっているので弱い薬液、新たに染める髪は強い薬液でカラーするわけですね。

八木ちゃん:そのとおりです。市販のカラー剤で、根元部分と毛先部分で薬液を変えているものは、ほぼ見ないので、その点でも美容院のカラーは髪のダメージを減らすことができますね。

さとゆみ:美容院でのカラーは高いと感じる人もいるかもしれませんが、そういった配慮がされているわけですね。

●ホームカラーをするときに気をつけてほしいこと

さとゆみ:それでもやっぱり家で染めたいという場合は、どんなことに気をつければよいでしょうか。

八木ちゃん:できるだけ、カラー剤を毛先にもみこまないようにするのが良いと思います。

さとゆみ:伸びてきた部分だけをカラーするのもおすすめですよね。

八木ちゃん:はい。もし、中間から毛先は前のカラーが残っているのであれば、新しく生えてきた部分だけを染めるとか、白髪染めするなどの「リタッチ」という方法もおすすめです。自分で塗るのであれば、根元部分だけを指先で塗るようにすると、髪へのダメージを最小限にすることができます。

さとゆみ:この方法だとムラにもなりにくくていいですね。

八木ちゃん:市販のカラー剤は色選びも難しいと感じる人が多いと思います。最近では、美容院でホームカラー剤を売っているところも増えています。美容院であれば、確実にその人にあった髪色のカラー剤を選んでくれるので、そういった商品も活用してみてください。

●八木ちゃんおすすめのホームカラー剤

1回使いきりのホームカラー剤。左から、オルディーブ シーディル インターバルRC¥1980、ヴィラロドラ カラーインターバルRC¥1980(ともにミルボン)。