家づくりでは工事が原因で、近隣トラブルに発展することがあります。建ったあと、長く住むことになるだけにそれだけは避けたいもの。2年前にハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、工事前に営業担当者とともに挨拶回りをしたことで、工事も順調に進み、その後の暮らしも良好に。じつはハウスメーカーの方で用意してくれた、2つのものが決め手になったと感じています。

工事前にメーカーの用意したチラシと手土産を持って挨拶回り

わが家は2年前にセキスイハイムで家を建てました。妻の地元ですが、近隣は新興住宅街で、妻が面識のない方々が多く住んでいるところです。

家づくりでは、土地の整地工事が始まる前に、住宅メーカーの担当者と一緒に挨拶回りをしました。挨拶回りは初めてのことだったので、どういった段取りで行うのがいいのかもわからず、担当者に同行してもらいました。

ちなみに、事前に「なにか準備した方がいいでしょうか?」と担当者に聞いたところ、メーカー側ですべて準備をするとのこと。結果的に、これがとても助かりました。

具体的な挨拶回りの中身は、このようなもの。

「今度、○○のところに家を建てることになりました田中です。よろしくお願いいたします」と口頭で伝えます。その際、工期、建材の搬入日、騒音が発生しうる期間などをまとめたチラシを1枚と手土産品を渡しました。

不在のところには、チラシのみをポスティング。なお、チラシも手土産品もメーカーの方で準備していただきました。

セキスイハイムは工場でユニットを製造し、それを現場に運び込んで組みつけて家を建てます。ユニットのサイズは非常に大きく、ユニット同士の組みつけには、大型のクレーン車を利用。そのため、家の組みつけ中は道路を封鎖してしまいます。

道路封鎖などによるトラブル防止のために、近隣の住民には工期等が記載されたチラシを事前に必ず配るようです。

一方、工事中の隣人からは挨拶なし!遭遇したトラブル

説明の流れからは脱線しますが、ここで、いかに根回しが大切なのかがよくわかる事例を紹介しましょう。隣人の家づくりの工事の際に、わが家と近隣住民が遭遇したトラブルです。

このケースでは、隣人から挨拶や工事に関する事前連絡がありませんでした。その結果、工事中に出た砂ボコリによって、わが家を含めて近隣住民の洗濯物が砂まみれに。事前連絡がないので、当然、洗濯物を外に干さないといった対策もできませんでした。

隣の家を建てているメーカー(地域の工務店)に苦情を申し入れたところ、「工事の事前連絡をすることもあれば、しないこともある」という回答。

挨拶も工事の事前連絡もなかったので、隣人に対する第一印象はあまりよくありません。残念ながら、それが今でも続いてしまっています。挨拶や工事の事前連絡がいかに重要かを再認識するできごとでした。

 

挨拶回り時に手土産品があれば印象がグッとよくなる!

住宅メーカーの担当に準備いただいたものは食器用洗剤でした。わが家の隣人が越してきたときは挨拶もありませんでしたが(当然、手土産品もなし)、2軒隣の家に新しく越してきた人は、挨拶のときに食器用洗剤とアルコール製剤をいただきました。

まったく面識のない人から挨拶をされたとき、簡単なものでも手土産品があると印象がグッとよくなると感じました。

 

挨拶回りは、ハウスメーカーの営業と一緒に行く方がいい

わが家の近隣住民は、幸いにも変わった人はいなく、挨拶回りを問題なく終えられました。ただ、メーカーの担当者に聞いたところ、工事前の挨拶回りの際に、工事の騒音に対してクレームを入れる人もいるようです。

この手のケースでは、担当者が丁寧に説明しているそう。気難しい人に遭遇する可能性もあり、こういった人への対応を考えると、経験豊富なメーカーの担当者の同行を依頼した方がいいと思います。

家を建てるときの挨拶は、絶対にしなければならないことではありません。しかし、することのメリットの方が大きいと思います。挨拶をするかしないかで、「感じのいい人」、「変な人」と印象が正反対になってしまうからです。

マイホームを購入したら、その地域に長く住むことになるので、近隣住民との関係は良好なことに越したことはありません。不安に感じる人や緊張しやすい人は、筆者のようにハウスメーカーの担当と一緒に挨拶回りする方がいいと思います。