2004年に公開され大ヒットした、アメリカンガールズコメディ映画『MEAN GIRLS』。同作のミュージカルが、日本に初上陸を果たします。アフリカで生まれ育った少女・ケイディがアメリカの学校で体験するのは、スクールカーストならではの弱肉強食の世界。その中で、ケイディが一体どのように変わっていくのかが本作の見どころのひとつです。そんなケイディ役を演じる生田絵梨花さんに、舞台への意気込みやプライベートの過ごし方など、お話を伺いました。

『MEAN GIRLS』生田絵梨花さんインタビュー。熱望していた作品への思い

過去にブロードウェイで上演された『MEAN GIRLS』を見て、「ぜひこの作品をやってみたい」という思いを抱いていたという生田さん。

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「私自身、これまで参加してきた作品は悲劇的だったり、歴史的な背景があるものが多かったんです。かつ、女の子が題材になっている作品もあまりありませんでした。『MEAN GIRLS』は本当にハッピーでキュート。でもそれだけではなく、毒っ気のあるシーンなど、さらけ出している感じがあって、作品としてもおもしろいな、と思っていました」

いざケイディ役のオファーが来た際には、「すごくびっくりした」と言います。台本ができ上がってからも、こんな驚きがあったそう。

「日本語のセリフになると、よりパンチが強い印象で、これはかなり攻めているな、と思いました。ストーリー全体としては変わっていないんですけど、日本語にすると大胆な発言になっていたり、ぶっ飛び具合が強調されているような気がして。そこを私たちがどれだけ思いきりやれるか、そしてお客さんが楽しく受け取ってくださるか、というのは、今から緊張していますし、楽しみでもあります」

●周りに染まってしまうのは、だれしもあること

生田さんが演じるケイディはアフリカで生まれ育った少女。16歳で初めてアメリカにやってきて、スクールカーストの中でもまれていくことになります。

「アフリカのケニアで16年間過ごしてきたところから始まり、そこからアメリカのスクールカーストに染まっていく様子がおもしろく伝わればいいな、と思っています。
学校生活でカーストが決まっていると、みんなそれぞれの立場や役割に収まろうと思ってしまうところがあると思うんですけど、ケイディはそういったこととは関係なく、言いたいことを言ってしまったり、周りから浮いていても気にしない。そういうところが私は好きです」

そんなケイディも女の子同士のバトルに巻き込まれ、自身も次第にその空気に染まっていってしまいます。それに対し、「周囲に染まってしまい、それを人から指摘されるというのは、だれしもあることなんじゃないかと思います」と生田さん。生田さん自身にも、少しだけ重なる部分があるそうで…。

「道を間違えそうなとき、いつも気づかせてくれるのは私の場合は母で、おかげで流されずに歩めたのかなと思います。ケイディの場合は、それが友人のダミアンやジャニスで、間違いを指摘してくれたり、引き戻してくれたりする関係性なのかもしれません。そういう点は、私も自分を重ねながら演じられたらな、と思っています」

●昨年グループから卒業。「最初は猫をかぶっていました」

慣れ親しんだ環境から、未知の世界、アメリカに飛び込んだケイディ。生田さんも昨年、グループを卒業して新たな環境へと飛び込みました。

「最初は猫をかぶってしまうところがあって。たとえば、私いつもお弁当を2個食べちゃうんですけど、2個食べると欲深い人間だと思われそうで、1個にしたりしていました(笑)。
でもそういう風にしていると、だんだん息がつまってくるというか。やっぱり周りに対して壁を残したまま進んでしまうな、と思ったので、『真面目だと思われがちだけど、私はそんないい人間ではないです、ご承知ください』って前置きするようになりました。そうすると周りも受け入れてくれるスタンスになるので、少しずつ本来の自分を出していけるようになったんです。今は気を遣わずコミュニケーションが取れるし、お弁当もいくらでも食べられるし(笑)。すごくやりやすくなったな、と思っています」

●忙しい日々の中で大切にしていること

仕事で大きな変化があった生田さんの2022年。グループを卒業し、これまでよりもプライベートの時間が増えたと言います。

「ちょっと酵素浴に行ってみたり、料理教室に行ってみたり、あとは少し体を鍛えてみたり。そういう時間の使い方は今までしたことがなかったので、新鮮でしたね。もちろんいつも完璧な生活はできないので、ただ寝ているだけ、という日もあります。でも、そういう日が続くと自然とまた動きたいな、と思えるようになるんですよね。だから、体が求める方に動くようにしています」

忙しい日々の中でリフレッシュするときも、体や心に正直に、がモットー。

「健康な生活習慣にすることがリフレッシュになるときもありますし、逆になにもしないことがリフレッシュになるときもあります。ひとりでいたいときもあるけど、友達とワイワイごはんに行ったりするのが、リフレッシュになるときも。あんまりなにをするかは決めていないですね」

●「あんなに大変だと思わなかった」と生田さんが話す料理は?

そんな生田さんがとくに大事にしているのが、毎日の食事。「ごはんを食べないと本当にダメになっちゃう」のだそう。

「現場が多かったり、舞台の稽古・本番になると、どうしても冷たいものや買ってきたものが多くなってしまうので、朝ごはんだけはちゃんと食べるようにしています。前の晩から炊飯器の予約タイマーをかけて、ごはんを炊いて。おかずは、ただ焼くだけ、ゆでるだけの簡単なもので、みそ汁は好きなのでつくりますね」

ちなみに、と得意料理を聞いてみると…。

「ものすごく得意というわけではないんですけど、気合いを入れるときはスパイスカレーをつくったり。この間はロールキャベツをつくったんですけど、ものすごく大変だったんです。あんなに大変だとは思わなくて…。食卓にロールキャベツが出てきたときは、本当につくってくれた人に感謝したほうがいいと思います(笑)」

【公演情報】

ブロードウェイミュージカル『MEAN GIRLS』

東京:2023年1月30日(月)〜2月12日(日)東京建物Brillia HALL
福岡:2023年2月17日(金)〜2月19日(日)キャナルシティ劇場
大阪:2023年2月23日(木・祝)〜2月27日(月)森ノ宮ピロティホール

出演:生田絵梨花 田村芽実 石田ニコル 内藤大希 松原凜子 松田るか
小野塚勇人(劇団EXILE) 中谷優心/黒須洋嗣/壮一帆
伊藤かの子 工藤彩 黒田陸 篠本りの シュート・チェン
鈴木満梨奈 鈴木里菜 中嶋紗希 増山航平 松村桜李 村上貴亮 山崎感音
脚本:ティナ・フェイ 音楽:ジェフ・リッチモンド 作詞:ネル・ベンジャミン
演出・上演台本・訳詞:小林香
企画・製作:アミューズ

・オフィシャルサイト https://musical-meangirls.jp/
・オフィシャルTwitter/Instagram/TikTok @meangirls_jp

山崎感音さんの「崎」は、正しくは「たつさき」