やるべき家事がいろいろあるのに、なんだかはかどらない、終わらない…そんなことはありませんか? じつは予定がある日こそやるべきことをこなしやすいもの。そこで整理収納アドバイザーでブロガーの三條凛花さんが、予定がない日でも機敏に動ける「3種混合家事」をおすすめしてくれました。

時間がたっぷりあるほど、家事がはかどらない理由

まだ結婚前の、社会人時代のことです。忙しさに波のある職場でした。そのときは繁忙期で、私は毎日終電に揺られ、家に着くのは午前すぎという生活を送っていました。

「もっと時間があればいいのに…」

その後、結婚を機に転職することに。

次の仕事が始まるまでには一か月ほど猶予があり、つかの間の専業主婦生活、家をきれいに整えたり、ゆっくりできる時間を楽しもう! とわくわくしていました。

ところが毎日、気がつくと夕方。なにかをできたという感じがまったくないまま。家も思ったほどきれいになりません。自炊もはかどらないし、それ以上のことや趣味の時間なんて到底もてませんでした。

今度は「時間があるのにどうして?」という疑問が生まれました。

あれから何年も考えてわかったことがあります。それは「予定がない日ほど、じつは時間の使い方がむずかしい」ということです。

●予定のある日のほうが家事がはかどる理由

確かに、社会人時代も、平日よりも休日のほうがむしろ家事がはかどりませんでした。それは体が疲れているから休みが必要なのだろうと解釈していました。でも、その二つで大きく違うものがあります。

それは「動くスピード」と「集中力」、それから「ついで力(ついでに動ける機敏さ)」です。予定がある日のほうが、これらが発揮されているのです。

繁忙期以外の私は、仕事を終えて帰ると、ついでにスーパーとドラッグストアに寄り帰宅。そのまま素早く夕飯をつくり、洗いものをし、洗濯を回し、寝る前には多少片づけや掃除もしていました。目の前のことを寝るまでに急いで終わらせなければ明日に響くからです。

けれども休日の私は、お昼近くに起きて、ぼんやりごはんを食べながらテレビを流し、スーパーに行こうと思いながらも身支度ができていないから行けない。そうして気づくと夕方に…。

 もちろん、ここまでの差が出るのには平日の疲れや、蓄積されたストレスなども関係していたと思います。けれども、予定という「期限=〆切」があるからこそ、そこに向けて一直線でスピーディーにがんばれるのだと理解しました。

また、予定のあとは身支度ができている状態なので、外出して行なう予定もついでに簡単にすませられますよね。このように、予定のある日なら自動発揮される3つの能力ですが、予定がない日には意識しないと発動しないのです。

意識して3つの能力を発揮できる「3種混合家事」のススメ

今回は、予定のない日に3つの能力を自動発揮しやすい時間術「3種混合家事」を紹介します。

3種混合家事とは、どういうことかというと、家事をするときに、家事を3種類ずつ混ぜ合わせること。「静×動」「義務×楽しい」「場所3種」という3つのヒントを使うと、簡単にできます。

この方法を使うと「3種類の家事が終わるまで」が〆切になります。やることが決まっているので迷わずスピーディーに動けますし、違う性質のものを組み合わせることで、飽きずに集中力が続きますよ。

●組み合わせ(1) 静×動の家事

ひとつめのヒントは「静×動」です。

「静」は座ってする作業のこと。たとえば家計簿、レシート整理、書類整理、書類書き、献立決め、わからないことを調べる、ネットショッピング、買い物メモづくりなどです。家事というよりも、雑務に近い作業が多いですね。

「動」は立ってする作業です。料理・掃除・片づけ・洗濯といった一般的な家事のイメージを持つものです。

なにかを始める前に、この2つが必ず入るように、3つの家事を決めてから動きます。

座ってする作業は頭を使うものが多く、立ってする作業はやり方さえわかっていれば無心で動けるものがほとんどです。これを交互に行なうことで、頭を休めながら家事が捗ります。

●組み合わせ(2) 義務×楽しいの家事

2つめのヒントは、「やるべきこと・やらないと困ること(義務)」と「ごほうび(楽)」を組み合わせる方法です。「ついで作業」の手軽さを生かしています。

たとえば、お菓子づくりをごほうびに設定し、キッチンでするべき家事を2つ終わらせるようなイメージです。

この「ごほうび」がほったらかしにできる時間がかかるタイプのものであれば、最初に持ってくるのもおすすめです。

私は海外の家事系インスタグラムが好きでよく見ています。一日にやったことを短い動画でまとめているものを見ていてなるほどと思ったことがあります。それは、最初にケーキづくりなど時間のかかることからはじめて、それから片づけや掃除などをすませるもの。すると、掃除が終わるころにはケーキが焼けていてごほうびになります。

私にとってお菓子づくりというのは、きちんときれいにしたキッチンでやるものというイメージがあったのですが、この順番はとても合理的ですよね。

ここではすべて「家のこと」で組み合わせてみました。

もちろん、「楽」をふつうの趣味に変えても大丈夫です! たとえば「DVDを観る」「読書」「スマホゲーム」「ハンドメイド」などなど。

●組み合わせ(3) 同じ場所の家事

3つめのヒントは場所です。

同じ場所の家事を組み合わせると早く終わります。

でも、違う場所の家事を組み合わせるのもおすすめ。ほんの数十秒程度ですが、移動のために動くことでリフレッシュできるため、集中力が途切れにくくなります。

急いでいるときは同じ場所をまとめる、なんだかやる気が出ないというときは違う場所を組み合わせる、というようにその日の気分で試してみてくださいね。

なお、この方法は、「家」と「家以外の場所」に分けるのもおすすめです。

「3種混合家事」は、「もっとたくさんのことをやりたい!」「時間をうまく使えないのがもったいない」と感じている人におすすめの方法です。〆切をつくり、3種類の異なる性質をかけ合わせることで、集中力とスピーディーな行動が叶いますよ。