人生100年時代の折り返し地点ともいえる50代。心を体をラクにする考え方のコツとは? カウンセラー・エッセイストの若松美穂さんが教えてくれました。

自「制」心に自「省」心、50代は5つの「せい」を意識して暮らす

50歳になったのを機に、2022年は自分なりのしたいこと、する必要のないことが明確になった年だったように感じます。
少しずつではありますが不安が減り、自分の決断や判断にOKを出すことができるようになってきたからかもしれません。

そこで今年は、造語も含め、心の5つの「せい」を意識して過ごせたらと考えました。

●1:自「制」心

自分や周囲に対して、願うことや湧き上がる感情はあります。でもそれを、外に出すかどうかは考えたい。
一人のときや心の中では自由に思う時間があったとしても、感情や言葉、態度を適度に制することで、悩みや「困った」が減ることがあると気づきました。
自分の気持ちに荒波が立ったり、問題を大きくしないこともできるでしょう。

ただ、気持ちをコントロールすることは大切ですが、抑えることばかりが正解でもないでしょう。ときには明確に伝えないと、相手に伝わらないことも。
うまく自分自身をコントロールできたらいいなと思います。

●2:自「省」心

自分の言動や気持ちを振り返る時間を持つ必要性は、日々感じています。
“省”を含む言葉として、初めに浮かぶのは“反省”ですが、自分自身の気持ちを見つめるという意味の“内省”を大事にしたい。

私はどう思った?
どう感じた?
今回はそうしたけれど、あれでよかった?
今後はどうしたい?

そう自分に問いかけるのです。

たとえばうまくいかないことがあったとしても、内省して次に生かせば無駄にはならない。経験として、次に生かすことができます。

以前内省した時の気づきがひとつ。
明確な目標は別として、できないことやする気のないことを、雰囲気や気遣いで「そうしましょう」「○○したい」と口に出すのは極力やめようと。
相手にも失礼ですし、自分の気持ちにもウソをついている。やめたら、気持ちの負担が減りました。

●3:自「整」心

自分自身の心と体、環境が整っていないと、いざというときに力が発揮できません。
住居・道具・体調・周囲との関係。その他もろもろの環境を整えると、活動がしやすく、時間もうまく使えるように思います。

私自身、うまくできていると言い難い部分もありますが、整えることを意識するようになってから焦りや心配が減り、心地よい時間の流れを感じます。

●4:自「勢」心

なにをするにしても、最後の最後一歩を踏み出し、自分の背中を押すのは自分自身。

だれかに励ましてほしい。
勇気を分けてほしい。
誘ってほしい。
チャンスがほしい。
あれがしたい・これがしたい。

と思うのであれば、そこに向かう勢いをつけるのは、やっぱり私自身。
まだ50代。小さなことでも、「エイッ」という勇気と勢いをもって行動する元気は持っていたいです。

●5:自「静」心

「勢」と逆ではありますが、勢いづけると同時に、心を静かにする時間と力ももっていたい。

心がざわついたとき、自分を穏やかに鎮める術があれば、結局のところ、ラクなのは自分です。
技術が必要なので、学びながら少しずつ自分のものにできるよう私も修行中。

ありがたいことに、以前よりずっと早く、心の表面を丁寧に自分でなで、平らにすることができるようになってきたと感じます。おかげで考えることはあっても、悩みは少ない方です。

2023年も、自分なりに一歩ずつ前に進めたらと思っております。皆様にとって、よい年になりますように。