マイホームを手に入れたものの、ご近所のトラブルは住んでみなければわからないもの。ですが、こちらがどんなに注意を払っていても思わぬことがトラブルの引き金になるケースも。引っ越し直後から巻き込まれてしまったというAさん(40代女性)の例をご紹介します。聞き手はライターの小林ユリさんです。

外構業者が隣家の室外機を勝手に移動?思わぬご近所トラブルに唖然…

マイホームを手に入れ、「これからこの家で家族の思い出をたくさん増やしていくんだ!」と夢見ていた矢先、ご近所トラブルに巻き込まれてしまったとしたら…?

ご近所トラブルは些細な出来事から発展するケースも多いといいます。知らぬ間にご近所トラブルの当事者となってしまった方にお話を伺いました。ご近所トラブルの経験を語ってくれたのは、首都圏に住む40代の既婚女性Aさん。
彼女は数年前、注文住宅のマイホームを購入することにしました。当然、施工業者や土地選びから気合いを入れて探したそうです。ご近所への挨拶まわりもすませ、事は順調に運んでいたはずが、引っ越し当日に事態が急変したと言います。

●業者が隣家の室外機を勝手に動かしてしまった

「引っ越しを終え、家で荷解きをしているとインターホンが鳴ったんです。急いで出て話を聞くと、隣家住人の方から『おたくが動かしたうちの室外機を元に戻してほしい』とのこと。施工期間中に私がたまたま撮影していた写真と見比べてみると、外構業者が作業を行った日に室外機の移動があったことがわかったんです」

Aさんは急いで業者に連絡を取り、事実確認を急いでもらうことになりました。隣家には、お詫びの菓子折りを持ってすぐに現状報告に行きました。

●たまたま撮影していた写真が動かぬ証拠になった

翌日、業者からの返事は「やっていない。証拠もないのに、疑われても困る」というもの。そこで業者に外構工事前後の写真を見せたところ、「ブロック塀を積む際、作業がしにくかったので隣家の室外機を一時的に移動した。室外機を動かす旨の説明をしようとしたが、留守だったのでそのまま作業をしてしまった」と発言の内容が訂正されました。これを受け、隣のお宅へは「室外機の足場を固めて、もともとあった状態よりもグレードを良くします」と交渉することになりました。

●隣人から「今後の冷暖房費の増額分を負担してください」と言われ…

勝手に自宅のものを動かされたわけですから、隣人の怒りは収まらず、足場を固めるくらいではもはや気がすまないといったような雰囲気だったそう。

話し合いの場において、隣家住人の希望としては、主にこの4つがあげられました。

・今後の冷暖房費の増額分をAさんが負担すること

・今回のことで受けたストレスに見合う分の金銭をAさんが支払うこと

・Aさん宅の室外機の場所を隣家へ向かない場所へ移動させること

Aさん宅の室外機と隣家の室外機はお互いの家の方に向いて設置されています。

「室外機同士の干渉はない(電気業者に確認済)ものの、わが家の排熱が隣家の方角へ排出されるのがそもそも不愉快なのだと言われてしまい、設置場所を変えることにしました。ただそのほかの部分については、すべて隣家住人の希望に応えることはなかなか難しく、話し合いは難航。その後も結局双方が納得する結果にはおさめることができませんでした」

●数年たった今でも、ご近所関係をそれほど修復させることができていない

話し合いは数日間続き、当該室外機の足場を固めた上での原状回復と、Aさん宅の室外機の位置を動かすことで話し合いは終結しましたが、しこりはそのまま残ってしまいました。ゴミ捨ての際など、いまだに顔が合うと挨拶をしてもそっぽをむかれてしまうことが多く、数年たった今も関係はさほど回復していません。

●ご近所トラブルを100%避ける方法はない

円滑なご近所づき合いのためには、普段からのコミュニケーションを取ることが大切だというようなことも言われますが、引っ越し早々のトラブルだとそうもいきません。今回は業者の対応がご近所トラブルを引き起こすきっかけとなってしまったようですが、ご近所トラブルというのはなにが引き金となるかわからないものなのですよね。

自分自身の注意だけでは目が行き届かないことがきっかけとなる場合もありますが、自分たちの平穏な暮らしを守るためにも、普段からご近所に迷惑がかからないよう気を配りたいものです。