日々の暮らしぶりをSNSやYouTubeで発信しているタレントのRIKACOさん。インスタグラムのフォロワー数は30.6万人を誇り、多くの女性から支持を集めています。さらに昨年発売したエッセイ『RIKACO LIFE』(学研プラス刊)では、子育て論や更年期、終活のことまで50代女性が気になる内容がつづられています。ESSEonlineでは、改めてRIKACOさんに50代からの生き方をインタビュー。前編では、50代になってからの内面の変化についてお話いただきました。

RIKACOさんインタビュー。子育てを終え体調も安定してきた50代、ようやく自分と向き合えるように

RIKACOさんは現在56歳。50代になってから、気持ちや考え方にどのような変化が出てきたのでしょうか。

【写真】RIKACOさんと幼少期の2人の息子さん

「今長男は28歳、次男は24歳。ちょうど4年前に成人しました。それまでは、子育てを第一優先に、朝起こすところから始まって、学校行事やなんやかんやでサポートすることは多かったし、親がちゃんと導いていかなければという責任感もありました。とくに私の仕事柄、ちょっとしたことで記事になる可能性があるので、ある意味一般の方以上に気が張りつめていたと思います。

それだけに、次男が4年前に成人したときはやっと肩の荷が下り、ほっとしました。と同時に更年期も53歳頃から少しずつゆるやかになり、体調もだんだん安定してきました。おかげでこの数年間はすごく落ち着いてきて、2年ほど前からは自分と向き合う時間もできましたね」

●息子たちに背中を押してもらいながら、新しいチャレンジを

ちょうどその頃、2020年から新しいチャレンジも始めました。

「やっと自分の時間ができて、次になにをしようかと考えた結果、『LOVE GIVES LOVE』という、私がリアルに愛用しているものをシェアするブランドを立ち上げました。

自然環境に配慮し、サステナビリティに取り組んだものにしたくて、オーガニックの精油をブレンドしたオリジナルのオイルや、使い捨てではなく耐久性の高いヴィーガンブラシなどをプロデュースしています。もともと自分で出資してプロデュースする仕事もしていて、その延長でのブランドでもありますが、やはりある程度時間を要する事業。今だからこそ取り組めることですよね。ちなみに、“自然環境に配慮しながら”という視点は次男による提案なんですよ」

またRIKACOさんは、長男の提案で、2019年から、公式YouTubeチャンネル「RIKACO LIFE」で、自身のライフスタイルについて発信しています。その中で、自身の更年期や閉経についても医師に質問する形でオープンに話し、同世代の女性たちから大きな反響を呼びました。じつはこの発信自体も、長男による一言がきっかけだったそう。

「世代的に息子たちの方がITの知識がありますよね。それでYouTubeの撮り方や発信方法などをよく相談してきました。ある日、長男とYouTubeチャンネルの話をしているとき、こう聞かれたんです。『母さんと同じ世代の人が悩んでいることって何だろうね?』。そのときちょうど更年期について悩んでいたので、『多分更年期のことで悩んでいる人は多いと思うよ』と何気なく答えたら、『その情報こそ、オープンに伝えた方がいいんじゃない?』と提案されたんです。

正直、抵抗はありました。自分の更年期の経験を世間に発信することで、私自身のイメージが少し変わるのでは…と。悩む私に長男は、『母さんがやらないなら、だれが更年期の情報を発信するの? ちょうど更年期世代の母さんだからこそ、オープンに、明るく伝えられるんじゃない?』と背中を押してくれたんです」

●息子たちとはオープンな関係を維持

こうした会話からも、RIKACOさんと息子さんたちのオープンな関係が垣間見られます。

「子どもたちが小学生の頃から、性的なことも含め、デリケートな問題も隠さずに話してきました。成長期に息子の体つきが変わってきたときも、女性の生理や妊娠についても、戸惑うことなく自然体で。もちろん、私自身に更年期の症状が起きたときも、自分の体に今なにが起きているのか、なぜこうなっているのか、率直に話しました」

RIKACOさんがどんな話題でもフラットに話すことで、二人の息子さんも自然と悩み事を打ち明けるようになったそう。

「『相談があるんだけど』『こう思ってるんだけど、どう?』とか。私から聞かなくても、困っていることがあると言ってくれるので、放っておいてもある程度の安心感がありますね」

●50代になって手放したこと

50代になって新しく始めたこともある一方、手放したこともあると言います。

「自分と向き合う時間が増えてきたことで、なにが自分にとって大切で、なにが大切ではないか、見えてきました。たとえば、変なプライドは、なにか物事を始めるとき真っ先に邪魔になるということにも気づいてきて、二の足を踏めないときは“今、プライドが邪魔してない? ”と考えてみるように。過去を振り返ってみても、プライドが先に立ってしまうと、人の目が気になって自分のやりたいことが制限されていました。絶対譲れないところがあってうまく折り合いをつけられないこともありました。

こうした反省も踏まえ、最近では、“人は人、自分は自分。人にどう思われても自分の考え方を持って自分の道をしっかり歩いていこう”という気持ちも生まれましたし、以前は譲れなかったことでも譲れるようになりました。自分と向き合うことで、“あのときうまくいかなかったのは、変なプライドが邪魔していたんだな”ということに気づけたのはよかったと思います。

今後、60代70代と年を重ねるにつれ、余計な部分がもっとそぎ落とされていくのだと思います。人生の先輩方を見ていると、物事の受け入れ方が柔軟で、生き方が上手になってきている方が多い。私もそうなりたいですね」

RIKACOさんがどのような子育てをしてきたか、どのように更年期を乗り越えてきたのか、『RIKACO LIFE』(学研プラス刊)ではより詳しくつづられています。気になる方はぜひチェックしてみては。