コロナで寝込んだときのために。レンチンや洗濯、「最低限の家事」を家族に教える3つのポイント
感染症が流行する冬。夫が不在だったり子どもが小さいなどの状況で家事の担い手が寝込んでしまうと、家庭の維持が一気にピンチに…。ライフオーガナイザーの尾花美奈子さんの実体験をもとに、家族に最低限の家事を教える方法をまとめました。
寝込んでも休めない状況はつらすぎる。家族に家事をなんとかしてもらう方法
新型コロナに加えインフルエンザや胃腸炎など、寝込む心配の多い季節になりましたね。いつだれにうつるかわからない状況では、「もし私にうつって寝込んでしまったら、子どもや家のことはどうなるのだろう」と不安に思ったことはありませんか?
わが家の場合、夫が単身赴任中で私が家事を一手に引き受けているのですが、昔に比べて子どもたちが家事をやろうと思えばできるようになったので、不安はだいぶ少なくなりました。
でも子どもたちが小さかった頃の夫は毎日帰宅が遅く、休日出勤、国内以外に海外への長期出張もあり、お互いの両親も頼れる状況ではなく、もし私が寝込んでしまったら育児と家事が機能しない状況だったのです。
●寝込んだら家族はなにもできず。体を休めることができない状況がつらすぎる
実際、子どもの風邪がうつり発熱したことがありました。ごはんはレトルト食品や冷凍食品を利用するにしても、子どもは電子レンジが使えず冷たいまま食べさせるわけにもいかなかったので私が起き上がって温めました。
洗濯物も縦型洗濯機だったのでブルブル震えながら干しました。
そしてなによりいちばんつらかったのが、お風呂でした。子どもが回復したとき私はまだ発熱中でしたが、もう何日もお風呂に入っていない子どもが気になってしまい洗ってあげたところ、手足が濡れたせいで寒気が増して震えがしばらく止まりませんでした。
早く回復するためには安静に…とはいっても小さな子どもを抱えていては安静にできるわけがなく、悪化の一途をたどることに。
寝込むたびにこんなにつらい目に遭ってはいられません。この経験から「ごはん」「洗濯」「お風呂」の3つは、子どもが少しでも自分でできるようにしておいた方がいいと痛感し、改革に取り組みました。
このままではいけない!改革すべきは「ごはん」「洗濯」「お風呂」の3つ
家事のやり方や家電の使い方を家族に教え、そのときはできたりわかったとしても時間がたつと忘れてしまってまた教え直したことはありませんか? もしそれを寝込んだときにやられたら本当に困りますよね。
そこで「私の代わりにやり方を教えるメモ」をプラスしました。
●1:電子レンジに温め手順のメモを貼る
わが家の電子レンジは温度指定での温めだと加熱ムラが少ないので、その手順メモを電子レンジに貼りました。
「(1)ココ」(最初に押すボタン)
「(2)あと5回」(70℃と表示される)
「(3)2回押す」(60℃になる)
番号どおりに書いてあることをやるとご飯やおかずにちょうどいい温度になります。
最初は私と一緒にメモを見ながらやり、繰り返すうちに次第に子どもひとりでできるようになりました。
●2:洗濯機には洗濯手順。これで迷わない
洗濯機も同様に手順メモを貼り、これも私と一緒に繰り返しやるうちにマスターしました。
洗濯物を干すのは、子どもの手が届く高さにピンチハンガーをかけて練習。初めは小さなピンチハンガーを使って自分の分だけ干してもらいました。自分の分となると責任感出るのか、きちんとやってくれました。
ハンガーにかける服はハンガーと服をひとまとめにして子どもに渡し、首に通してカゴに入れてもらうようにしました。ここまでやってあれば私は物干し竿にかけるだけなのでかなり労力が減りますし、なにより発熱中に濡れた服に触れないですむのは助かります。
●3:洗髪は、子どもでもできる湯シャンにきり替え
子どもの入浴で困ったのは髪の毛を洗うことでした。女の子で髪の毛が長いこともあって自分ひとりではなかなかうまく洗えず、最終的に「私の発熱中だけは湯シャンでOK」として、シャワーのお湯で頭を洗うように教えました。
これなら子どもにとってもプール上がりのようにすればよく、シャンプーが目に入ってしみることも洗い残しの心配もなく、私は自分の手足を濡らさずに横で見守るだけですみます。シャンプーを使わないとベタつきが残るのではと思いましたが、そういったことはありませんでした。
お風呂上がりには、水分の吸収率が高いタオル地のキャップやドライヤー用手袋など、手早く髪が乾くアイテムを導入しました。
●家事シェアできる環境への改革は、子どもの自立力へもつながった
以上の3つのプラスした仕組みによって子どもが自分でできることが増え、「なんとかなりそう」という気持ちも生まれてきました。
普段からやっておくことが必要ですが、それはママが寝込んだときだけでなく忙しいときにも助けになります。
子どもの自立力をつけるのは小さいうちからの習慣化が大切だと思うので、かつてつらくて大変な思いをしましたが、そのままにせず改革を行ってよかったと感じています。
ぜひ寝込んでしまう前に試してみてくださいね。