難しいブーツ選び。「これぞ!」というブーツを見つけても、いざ歩いてみて痛かったりすると、次からはなかなかはく気になれません。ファッションに関する著書のあるミニマリスト・整理収納アドバイザーのおふみさんは、ブーツ選びの「失敗」を経て、「大成功」の一足に出合えたとのこと。イラストと写真、文章で詳しく教えていただきました。

「失敗ブーツ」の敗因を洗い出して、最高の一足に出合えた!<おふみの暮らし絵日記・第11回>

今から3年前の秋、ブーツ選びに失敗してしまいました。
私は靴のボリューム感で悩むことが多く、バレエシューズのようなちょこんとしたつま先の靴を履くと、どこか「ものたりない感」があふれます。なんだか服の裾がたりない、みたいな感じで靴のボリュームがたりないのです。

【写真】足がむくんでつらかったら、サイドファスナーをあけられる「神」ブーツ

いろんなお店でありとあらゆるブーツを試着して、ようやく似合うものに出合いました。骨格診断ナチュラルに似合う、スクエアトゥにボリュームのあるソールの黒いサイドゴアブーツ。
はいた瞬間、「これだ!」と思いました。しっくりくるシルエットに満足し、ブーツを手にほくほくで帰宅しました。

しかし、いざブーツをおろしてみると、痛い。
夕方になると足がむくんでしまい、ブーツの履き口が足の前部分にめり込む勢いで干渉してくるのです。

飲食店で座っている間はブーツを脱いでしのいでも、いざ帰るべく履くと歩くたびに足に突き刺さって痛いこと痛いこと。
遠出するのに履くのは気が引けて近所だけで履いていたものの、まったく足になじませられず、結局手放してしまいました。

「あれだけ似合うシルエットだったのに惜しかった…」と思いつつ、靴は道具としての側面が大きく、痛みには代えられません。

大いに落ち込みましたがタダでは起き上がらないぞと、今回の敗因を洗い出すことにしました。

●失敗ブーツの敗因1:ジャストサイズで余裕がなかった

まず、サイズが小さかったのが大きな失敗でした。
普段ならMも試したのですが、人気でもうSかLしか残っていなかったのです。普段22.5〜23cmなのでいけるかと思いぴったりサイズのSで購入したものの、冬場は靴下が厚手になることも考慮して、むしろ少しサイズを上げるべきでした。

そのうえ、夏はスポーツサンダル、夏以外はスニーカーを愛用していて足を甘やかしています。
クッション性がないと1万歩歩くのが苦痛なので、インソールを入れたいのにジャストサイズだと心許ない。
これも踏まえて、今後は冬の靴を買うときは少しサイズを上げることを心に誓いました。

●失敗ブーツの敗因2:サイドゴアで履き口を調節できなかった

加えて、サイドゴアという形状が合っていませんでした。
たとえばサイドファスナーのような、履き口を広げて調節できるものであればまったく違ったはず。

次に買う場合、極力サイドファスナーやこはぜ(つめを引っかける留め具)など、「少しあける」といった調節がきくものを選ぶこと、もしサイドゴアなら筒の部分にゆとりがあるものを選ぶことに決めました。

こうして失敗から、自分が避けるべき条件を2つ洗い出しました。

●失敗条件を避けて神ブーツに出合えた!

そして今冬、ついにブーツ購入のリベンジに挑みました。
以前失敗したブーツと同じブランドで、リニューアルしたものに出合ったのです。

ボリュームのあるソールにスクエアトウで、骨格診断の似合う条件もクリアしています。

そのうえ、今回のリニューアルでサイドの素材が変更になっていました。外側はゴア素材で内側はファスナーという仕様に変わっていたのです! これには思わず歓喜しました。

さらにサイズ豊富な9月のうちに来店したので、すべてのサイズを試すことができ、ゆとりのあるMサイズで購入できました。

●インソールを入れて、足と靴が一体に

さて、無事に1万歩歩ける靴として履きこなせるようになるか…!?
まずはとくに靴をカスタムせず、厚手の靴下を履いて歩いたところ、かかとが前に滑る感覚があり、長距離歩くと足の裏が痛くなってしまいました。これはまずい!

そこでネットで買ったクッション性の高いインソールを入れてみました。すると前滑りがなくなり、足と靴が一体になったようで、どこまででも歩けると感じる履き心地に。

また、足がむくんできてもファスナーを少しあければ調節できます(これは推奨された履き方ではないと思いますが、座っている間だけでもあけられるとラクですよね)。

そもそもMにしたことで筒の直径がほどよくなり、履き口が足にめり込むこともなくなりました。

こうして無事に、スニーカーに近い感覚で1万歩以上歩ける、相棒と呼べる存在になりました。

人それぞれ靴に求めるものは違いますよね。失敗したからこそ、自分だけの条件を知ることができました。
失敗しても起き上がりこぼしのように立ち上がればよいのだ、と感じたブーツ選びでした。