神奈川県葉山町に住む、グレーヘアが素敵な76歳の坂井より子さん。主婦歴50年の主婦で、40代後半から15年ほど、自宅で料理教室を主宰していました。現在は、息子家族と娘家族と同居し、3世帯9人暮らし。ここでは、坂井さんの小さな暮らしのコツをまとめた『別冊天然生活 坂井より子さんの“いい”かげんの暮らし』(扶桑社刊)の中から、お気に入りの服を上手に着こなす坂井さんのクローゼットの工夫をご紹介します。

76歳、クローゼットには好きなものだけを

自分に似合うものがはっきりとわかっているから、クローゼットには好きなものだけを。より子さんのクローゼットとおしゃれのアイデアを拝見します。

「ここ数年、新しい服は買っていないんですよ。20年、30年と着ている服もたくさんあります」とより子さん。おしゃれの定番は、シンプルなTシャツにギャザースカートの組み合わせです。

「家事はしゃがむ姿勢が多いからスカートのほうが動きやすいし、ズボンは膝が出ますから、ほとんどはかないですね」

愛用しているのは自身でパターンを引いたスカートです。綿や麻などの天然素材で、クローゼットにはシックな色が並んでいます。

「なんにでも合わせやすい紺やグレーが好きです。派手な色の服は着ていて落ち着かないんです」

流行やブランドにとらわれず、お気に入りの服をときにお直ししながら、着つづけているより子さん。

「思い出も積み重なって捨てられないんです。新しい服も素敵だけれど、私は好きな服を長く大切にするのが、性に合っているみたいです」

坂井より子さんのクローゼットの工夫

好きな服を長く大切にするための、クローゼットの工夫をご紹介します。

●着ていない服は茶箱と柳行李に

親から譲り受けた茶箱と柳行李には、愛着があって捨てられない服をしまっている。「茶箱は防虫や防湿効果があり、服の収納にも最適です」

 

●ストールは玄関の和箪笥に

年中、愛用しているストール類は、クローゼットではなく玄関に置いた和箪笥に収納。出かける直前に巻くことが多いため、動線を考えてのこと。

●美しいカゴバッグは飾るように

手仕事の美しさが光るカゴは、山葡萄やあけびの蔓で編まれたもの。リビングの一角に設けた棚に置いた見せる収納で、手に取りやすくしている。

 

『別冊天然生活 坂井より子さんの“いい”かげんの暮らし』(扶桑社刊)では、毎日の積み重ねから生まれる暮らしの知恵や、家事の段取り、家族と楽しむ旬の味、普段の服とおでかけ服、お気に入りのクローゼットなど、坂井より子さんの生き方をたっぷりご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。