【MLB】491億円ジャッジの“晩年”は「醜いものになる」 201cmの巨漢がもたらすリスク
大型選手の苦難…スタントンを“悪例”に
ヤンキース残留が報じられたアーロン・ジャッジ外野手への9年総額3億6000万ドル(約491億6300万円)の超大型契約は、米国でも驚きが広がった。39歳までプレーを保証することで、今季メジャー史を塗り替えたスターの引き止めに成功した。ただ、契約の長さにリスクを指摘する声も。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は「この契約の後半は、ヤンキースにとって非常に醜いものになるだろう」と見ている。
今季ア・リーグ記録を更新する62本塁打を放ったジャッジについて、同メディアが懸念点にあげたのが「体格」。6フィート7インチ(約201センチ)という巨漢で「歴史的に見ると、彼のような選手がこの契約の半分の期間でさえ、スターのような成績を残し、健康を維持する可能性が極めて低い」「6フィート7インチ以上の長身打者が、34歳を超えて生産的だった例はこれまでない」と言い切る。
“警告”として取り上げた例が、チームメートのジャンカルロ・スタントン外野手。27歳だった2017年に59本塁打を放ってMVPを獲得したものの「彼は健康を維持することに苦労し、成績がかなり低下した」と指摘。たしかに2019年は18試合、コロナ禍で短縮シーズンとなった2020年も23試合止まり。今季は110試合出場し、打率.211で「キャリア最悪のシーズンとなった」という。
その“悪例”を踏まえた上で「この9年総額3億6000万ドルの契約は、実際に活躍できる年月という観点から考えると、4年か5年契約のようになる」と厳しい。実質5年で3億6000万ドルと考えると、年俸は7200万ドル(約98億3000万円)。常軌を逸した額にも思えるが「2022年シーズンはそれに相応しい活躍をした」とも。今後5年は躍動してくれる期待を考えると「この契約は確かに安くはないが、法外に高額というわけではないだろう」とみている。
未来は遠くなればなるほど予測はできない。「ヤンキースにとっては、次の1年、2年の彼のパフォーマンスが、おそらく彼の契約の後半のパフォーマンスよりもはるかに重要になるだろう」とも。莫大な金額に見合った結果を残せるか、全てはジャッジのバットにかかっている。(Full-Count編集部)