栃木県内二つの特別支援学校で子どもたちが親元を離れて共同生活を送る「寄宿舎」が廃止される問題を巡って、栃木市にある特別支援学校の一部の保護者らが29日、施設の存続を求め署名などを県議会議長宛てに提出しました。

署名を提出したのは、保護者などでつくる「栃木特別支援学校寄宿舎の存続を求め未来につなぐ会」です。10月から始めた署名活動で約2万5千人分が集まり、29日に県議会議長宛てに存続を求める陳情書とともに提出しました。

県教育委員会は栃木市にある栃木特別支援学校と那須塩原市にある那須特別支援学校の二つの寄宿舎について、施設の老朽化と通学困難者の減少を理由に今年度限りでの廃止を決めました。廃止後はスクールバスを増やして通学の利便性を向上させるほか、宿泊学習など学校生活の中で自立支援を充実させていく方針を示しています。

しかし、どちらの寄宿舎についても自立の力を養うために必要な施設だとして、保護者などが存続を求めて活動しています。

こうした声に対して県は教育委員会の説明と保護者の理解が不足しているとして廃止の延期を視野に入れて検討を始めました。