豚熱の感染源とされている野生のイノシシへの対策として、栃木県はヘリコプターを使って日光市などの山林へ経口ワクチンの散布を始めました。

人の立ち入りが難しい場所での豚熱のイノシシ対策として、県は11月24日から合わせて3日間、日光市や那須塩原市、大田原市など5市町の山林でヘリコプターによる経口ワクチンの空中散布を行っています。

県内では今年7月に那須烏山市の養豚場で豚熱が発生し、国内最多の5万6千頭余りが殺処分されるなど畜産農家は大きな打撃を受けました。

散布される経口ワクチンはイノシシの好物であるトウモロコシの粉で覆われていて、食べることで抗体を獲得できるということです。2019年12月に始まり、5回目となった今回はイノシシの生息数が多いエリアを選び、合わせて約160平方キロメートルに8千個の経口ワクチンをまきます。これと併せて手作業による地上での散布も行っています。

県は散布が終わり次第、捕獲したイノシシが豚熱の抗体を持っているかを調べて対策を進める方針です。