ブラック労働、離婚、詐欺被害の壮絶人生! 貯金ゼロから5年で1000万円貯めたミニマリストゆみにゃん

貯金ゼロから約8年で4000万円の資産を築いたミニマリストゆみにゃんさん。今年8月に著書『ミニマリストゆみにゃんのお金のつくりかた』を発売した。今の彼女を見ると順風満帆にも思えるが、20代の頃はほとんど貯金がなかったとか。月170時間の残業や、離婚、不動産投資詐欺に遭うなど、今に至るまでの壮絶な人生について聞いた。

結婚は幸せのゴールじゃない

――書籍の副題にもなっていますが「ゼロから5年で資産を1000万円にした」というのに驚きました。貯金はいつから始めたのでしょうか

28歳から始めて5年間で1000万円、36歳の現在までに4000万円を貯めました。20代の頃はブランド品の購入や暴飲暴食でストレス発散していましたし、結婚式や新婚旅行、マイホームの購入でもかなりの金額を使っていました。貯金を始めたのは離婚してからです。

――25歳でご結婚されたんですよね

学生時代に見たドラマ『やまとなでしこ』で、「女が最高値で売れるのは27歳」というセリフがあったんです。それを聞いて、27歳までに結婚したいと思っていました。仕事が大変だったのもあって、結婚したら幸せになって地獄から抜け出せるという直感もありました。

ただ、元夫は女性に人気があり、気が休まらないことも多かったんです。学生時代の話ですが、二人で一緒に行った免許合宿で、一人の女性と仲良くなったようで。私が教習で車を運転していると、横目に親しげな二人が見えるんです。もう気が気じゃないですよ。

――怒ったり注意したりしなかったのですか

指摘すると逆ギレする人だったんです。テラス席で食事していたときに、テーブルをひっくり返されたこともあります。

それでも仲は良かったし、辛いことがあっても7年半くらい耐えてきたので、これで結婚しなかったらバカみたいだと思っちゃったんです。

それが次第に自分で稼げる力がつくと、その人に耐えている必要はないなと思い始めて。別にその人じゃなくてもいいし、一人でもいいか、と考えるようになりました。

月350時間超の労働で涙が止まらない日々

――ずっと憧れていた企業に就職されたんですよね

中学生のときに、ゲームプロデューサーに密着したテレビ番組を見たんです。私はゲームボーイやプレイステーション、ドリームキャストなど、すべてのハードを持っているほどゲームが好きで、その会社のソフトもほとんどやっていました。それで、「これだ!」と。

1日10時間以上の受験勉強をして、大学でも夜20時まで授業を受け、憧れの企業で夢だったゲームクリエーターになれました。

――しかし、残業時間が多くて体調を崩されてしまったと

仕事自体は楽しかったんです。自分がプレイしていたゲームの続編も作らせてもらえましたし。

ただ、月350時間ほど働いていると体調が悪くなっていき、心と身体のバランスを崩しました。生理は100日間止まり、顔中には200個ものニキビが……。

思ったように身体が動かず、気づいたらめまいで倒れているとか、もう死にゆく直前。憧れの仕事ができているのに、「どうしてこうなっちゃったんだろう」と毎日泣いていましたね。

――転職は考えなかったのですか

転職活動はしましたが、転職はしませんでした。ゲーム制作って「ゲームを作るゲーム」をしている感覚なんです。どうやったら敵が出てくるか、どんな動きをさせようか。そのロジックを組むのが面白いので、ほかの仕事には興味が湧かず……。

そのうち、新規で立ち上がった部署に異動になりました。そこでの仕事が楽しくて、先陣切って部署を引っ張っていくうちに、体調も回復したんです。

とはいえ、そこでは年功序列が根強く、ヒットタイトルを作っても給与が上がらなかったので、数年後には年収を上げるために転職しました。

不動産投資は「千三つ」

――仮想通貨詐欺や不動産投資詐欺に遭われたとか

投資でお金を増やしたいと思い始めた頃、仮想通貨の情報が得られると聞いて、入会金30万円のコミュニティに入ってしまいました。また、無名の仮想通貨を勧められるがまま購入し、詐欺だと気づいたときには、すでに120万円も損していたんです。

不動産投資にも興味があったので詳しい人に業者を教えてもらったんですが、この業者が書類偽造していました。物件の売買利益だけ得て、どこかで飛ぼうと思っていたんでしょう。紹介してくれた人も騙されていたと思います。

――お金は返ってきたんですか

不動産投資については弁護士をつけて交渉しました。全額は返ってきませんでしたが、マイナス80万円くらいで済みました。このまま投資を続けていたら、1350万円のマイナスになっているところでした。

不動産業界は「千三つ」、つまり本当のことは千のうち三つだけと言われています。詳しい人でも騙されてしまうくらいなので、素人が手を出すのは危険ですね。

「捨て活」で前向きな人生を拓く

――以前は浪費していたとのことですが、どうやってミニマリストになったのでしょう

貯金ができるようになった頃、YouTubeでミニマリストの存在を知りました。少ないモノで暮らせばもっとお金が貯まるだろうと思って目指し始めました。

以前は、女子会や結婚式があるたびに服を買って、年間30万円は服に使っていました。人からお洒落に見られたいという見栄があったんですね。

また、50万円もするシャネルのバッグを持っている友人を羨んでいましたが、その人は結婚指輪の代わりにバッグを選んでいたんです。それなのに私は、指輪もバッグも全部を欲しがった。

Aさん、Bさん、Cさんそれぞれが持っているモノを、「みんな」が持っていると勘違いしていました。そんなに全部持っている人なんていないのに。架空の「みんな」という存在と自分を比較してしまうと、もう浪費の始まりです。だんだん、人と比較せず自分に必要なモノを持てばいいのだと気づきました。

――ご自宅には冷蔵庫も洗濯機もないんですよね

食事はお弁当か外食にしているので、冷蔵庫も電子レンジもお皿もありません。洗濯は週に1回、まとめてコインランドリーに持っていきます。

モノを捨てると判断力もついてくるんですよ。健康や友人との時間など、意味のあることにだけお金を使えるようになりました。自分の人生を自分で選べると、自信がつく。精神にも余裕ができ、儲け話にだまされることもなくなります。

私自身がそうだったように、人生で悩んでいる人や苦しい人は、モノを捨てみると人生が好転するかもしれません。

取材・文/吉村しおん 撮影/佐賀章広

『ミニマリストゆみにゃんのお金のつくりかた』(すばる舎)

ゆみにゃん

2022年8月12日

1540円(税込)

単行本 192ページ

ISBN:

978-4-799-11056-0

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