報道特集です。ここからは報道部の近江記者とお伝えします。

 

近江:「よろしくお願いします。」

さて今回は米作りへの思いを少年の主張で発表し全国で3位に相当する国立青少年教育振興機構理事長賞に輝いた大田原市の中学生阿久津結花さんを紹介します。

若林:「少年の主張というと中学生が日頃抱えている思いや考えを発表する大会で全国の中学生からおよそ39万の応募があったそうですね。」

       

近江「はい。そうなんです。39万人の中の3位です。結花さんはお父さんの政英さんから教わった米作りについて感じていることを発表しました。まずは9月に宇都宮市で行われた予選の様子をご覧ください。」

近江:「この栃木県大会は私も取材に行き当日のニュースでもお伝えしました。結花さんはここで最優秀賞となり県大会の公式の映像を使ってWEB開催の全国大会に出場。そして今月13日に国立青少年教育振興機構理事長賞を受賞しました。

結花さんの少年の主張の題名は「私が育てる『結』」中学3年生ながら米作りに取り組んでいてその体験を発表しました。

 

発表の様子:「私の父と祖父はお米の食味を競う国際大会で最高賞に当たる金賞を受賞しています。気がつけば私の夢は世界で一番美味しいお米を栽培することになっていました」

近江:「結花さんはお父さんの政英さんとお爺さんの正徳さんに農業の技術を教わりました。」

小学6年生の時に与えられた田んぼで「ササシグレ」という品種の米を栽培。

育てた米に自分の名前の結花から「結」という名前を付けさらにパッケージもデザインして自然食品を扱うお店で販売しました。

  

すると、購入した人たちから結花さん宛てに感想のメールが届くようになったといいます。

阿久津結花:「会ったこともない人が私のお米を食べて美味しいと言ってくれる。こんなにも嬉しいなんて。本当にお米が人と人を結んでくれました」

近江:「育てて収穫するだけではなく米に自分の名前を付けて販売していて本当に愛情を込めて米作りをしているんだなと私は感じました。」

結花さん本人に受賞した喜びの声を聞いてきました。

阿久津結花:「小さい頃から気づいたら農業が好きでまずは嬉しいのとサポートしてくれた人たちへの感謝の気持ちでいっぱいです。」

近藤:「結花さんの受賞に家族も喜んでいるようです。」

阿久津結花さん父:「まず受賞したことはびっくりしました。小さい時から本当に親に言われるとかじゃなくて自分から農作業とかを手伝ってた。それがここに繋がってくるのがびっくりしてます。」

阿久津結花さん祖父:「努力しただけのことはあってよかったなと思ってみんなでお祝いの言葉をかけて祝ってます。」

具嶋:「家族みんなで喜んでいるようですね。」

近江:「発表にもあったように結花さんのお父さんとお爺さんはお米の国際大会でも賞を受賞していてそれに憧れて結花さんも米作りに励んでいます。」

そのお父さんとお爺さんが作っているのがこちらです。

近江:「宇都宮大学が独自に開発したゆうだい21です。」

 

ゆうだい21は1990年に偶然発見された突然変異の米で2011年ごろから大学だけではなく全国各地の一般農家でも栽培がスタートしました。

モチモチとした食感の粘りが特徴で覚めても粘りが低下しないためお弁当にも適していると言われています。

しかし、およそ600軒の農家で栽培されているゆうだい21は品質にバラつきができてしまうのが課題で改めてブランド化し栽培技術をマニュアル化することで品質の安定はもちろん認知度向上を図りたいとしています。

そのためには大学と生産者が一体となって取り組むことが重要です。

第一歩として12月16日にはJR宇都宮駅東口のライトキューブ宇都宮で栽培農家などが一堂に集うサミットを開くことになっています。ゆうだい21のブランディングを進める理由について宇都宮大学農学部の高橋行継教授はこう話します。

 

宇都宮大学農学部 高橋行継教授:「味の面では文句なくいい品種で米の全国の卸の業者さんもまずゆうだい21を知らない人はいないというくらい全国的に有名な品種です。ただそれの名前がなかなか一般消費者に浸透しなくてこれだけの食味の評価あるものなら大学としても取り組んで大学としてもゆうだい21を広げていこうと大学の知名度アップにもつなげたいと」

       

近江:「結花さんのお父さんの政英さんは栃木のPRをしようと2019年からゆうだい21の栽培を始めました。国内外の米のコンクールで様々な賞を受賞しています。SNSでも常に情報を発信していて全国から注文が相次いでいるそうです。」