緊急放送とサイレンを完コピするコトドリ(画像は『9News Sydney 2022年11月13日付Twitter「A lyrebird has been caught mimicking the ‘evacuate now’ siren at Sydney's Taronga Zoo.」』のスクリーンショット)

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今月2日にライオン5頭の脱走騒ぎがあったオーストラリアのタロンガ動物園で、再びけたたましいサイレン音と緊急放送が鳴り響いた。人々は一瞬ヒヤッとしたが、犯人は動物園で飼育中のコトドリだったという。本物と見分けがつかないほど完璧に模倣されたコトドリの緊急放送を『9News』『KIDSNEWS』などが紹介している。

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豪ニューサウスウェールズ州シドニーにあるタロンガ動物園で11月2日、オスのアフリカライオン“アト(Ato)”と子ライオン4頭が展示エリアから逃げ出し、動物園内に緊急放送及びサイレンが鳴り響いた。

当時、タロンガ動物園では「うなり声といびき(Roar and Snore)」という宿泊体験プログラムを開催しており、テントに宿泊していた参加者らはスタッフの誘導により迅速に避難した。

また5頭のライオンのうち4頭はスタッフの指示に従って落ち着いて展示エリアに戻り、残りの1頭も麻酔を施された後に戻ったため、脱走騒ぎは迅速に収束したのだった。

そんなライオンの脱走騒ぎが人々の記憶に新しいタロンガ動物園で13日、再びけたたましいサイレン音と「避難してください」の緊急放送が園内に鳴り響き、来園者をヒヤッとさせる場面があった。

『9News Sydney』が13日、Twitterに投稿した動画は、飼育エリア内の岩山に設置されたとまり木の上で羽を休める1匹のコトドリを捉えている。

すると園内に「避難してください」と緊急放送が流れ始め、けたたましいサイレン音が鳴り響く。

サイレンは止まることなく「今すぐ避難してください」と緊迫の状況が続くにもかかわらず、周囲は静かで園内がパニックに陥っている様子はない。

それもそのはず、緊急放送の出所はまさにこのコトドリだったのだ。

この“コトドリ(superb lyrebird)”はスズメ目コトドリ科に分類される同国の固有種で、他の鳥の鳴き声や犬、車や携帯の音など様々な音を真似することで知られている。しかも本物さながらの音を再現することができるのだ。

コトドリが音真似をするのは、繁殖の時期にオスがメスの気を引くためで、オスは音真似のレパートリーの広さと長い尾羽を使った踊りでメスに求愛しているそうだ。

今回、このコトドリは2日に起きたライオン脱走騒ぎの際に鳴り響いた緊急放送およびサイレンを記憶し、完璧に再現してみせたようである。

なおタロンガ動物園のコトドリは、2021年8月にもロックダウンを受けて閉鎖中だった動物園内で完璧な赤ちゃんの泣き声を模倣し、人々を困惑させていた。

画像は『9News Sydney 2022年11月13日付Twitter「A lyrebird has been caught mimicking the ‘evacuate now’ siren at Sydney's Taronga Zoo.」』『KidsNews 2022年11月15日付「Lyrebird learns emergency alarm after Taronga’s lion-proof fence fail」(Picture: Sam Ruttyn)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)