年功序列や終身雇用など企業の従業員のこれまでの働き方が見直されつつある中、地方の会社にもこうした動きが出てきました。

その一つに本業がありながら同時に別の仕事にも従事する「副業」の制度があります。

足利銀行などを傘下に持つめぶきフィナンシャルグループでは、1日から副業制度を導入しました。

対象は、グループ6社の合わせて9千人でこのうち足利銀行の対象は、パート従業員を含めた4千人です。

足利銀行の副業制度は、副業先と雇用契約を結ばない個人事業や業務委託で銀行業務と重なる業務は禁止。楽器や語学の講師、スポーツの指導者などを想定していて導入から2週間ですでに数件の申請があるということです。

多様化する働き方に選択肢を増やし、最終的には本業への還元も期待される一方で、企業秘密の流出のリスクや長時間労働を避けるため残業と副業の合算の目安を60時間以内に設定したほか人事部の審査とルール順守の誓約書の提出といった条件をつけました。

栃木県内に本店がある銀行で副業を導入したのは足利銀行が初めてで栃木銀行でも導入を検討しています。

中央の大企業が続々と副業を解禁する中で、県内企業で既に実施しているとアピールしているような所はほぼありません。

副業が地方の中小零細企業にまで広がり企業側と従業員の双方に、実益を生む仕組みになるのかまだ手探りの状況と言えます。

調査会社の帝国データバンク宇都宮支店に話を聞いたところ、デジタル技術を活用して新たなビジネスモデルを作るDX・デジタルトランスフォーメーション関連の調査と前置きがあったうえでこうした技術を持っている兼業、副業の人材を外部から受け入れを検討している県内企業は2割ほどあったそうです。

また、すでに兼業や副業の人材を受け入れている企業は2%ほどに留まっていてこうしたことからも県内で副業を導入している企業は現状では限定的です。副業が地域経済にもたらす影響が見えてくるのはまだ先になりそうです。