来季にもつながる重要な一戦 新垣比菜は上位フィニッシュをねらう(撮影:福田文平)

写真拡大

<伊藤園レディス 2日目◇12日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>
現在メルセデス・ランキング83位と苦しむ新垣比菜が、主催者推薦選考会(マンデートーナメント)を突破し出場する今大会でトータル6アンダー・10位タイと上位争いに食い込んだ。「ショットが安定してきて、自信を持っていけてます」と、ここ2シーズン不振が続くなかで上昇の兆しも感じ取っている。
2アンダーからスタートし、1つ伸ばして迎えた5番パー5。残り243ヤードの2打目を3番ウッドでピン右下8メートルにつけると、続くフックラインのイーグルパットが決まった。後半には13番から3連続バーディ。4つあるパー5ですべてバーディ以上と、獲りこぼしなく4つ伸ばした。
不振の原因になっていたショットも、「まだブレる時もある」というがまとまり始めている。グリーンを狙うショットがしっかりとピンに絡み、チャンスになる場面も増えてきた。昨年末のQTを19位で突破しながら、優先出場順位を決め直す2回のリランキングでともに68位となり、予選会を通過しての本戦参戦も続く。
メルセデス・ランキング50位以内は来季シード権を獲得し、51〜55位は前半戦の出場権が与えられる。ただこの下にも、重要なラインが引かれている。それが56〜70位以内の選手に約束されるQT第1ステージが免除される権利。ここを飛ばしてファイナルからの出場となれば、最低でも来季は下部のステップ・アップ・ツアーへのフル出場は可能になるという権利だ。
現在181.59ポイントで83位の新垣だが、例えばここで単独2位に入れば120ポイントが加算され、70位を突破する可能性が高まる。さらに来週はステップ今季最終戦「京都レディース」への出場を予定しているが、今大会で3位までに入れば、規定によりレギュラーツアーの「大王製紙エリエールレディス」に出られる。
今の頭のなかでは「ファースト(QT第1S)から受けようと思ってます」と、最悪の事態も想定。試合のなかった先週はQTファイナルステージが行われる岡山県のJFE瀬戸内海ゴルフ倶楽部を2ラウンド回るなど準備を進めている。ただ上り調子で来ているだけに、当然ながら来週は大王製紙−の会場がある愛媛県でプレーしたいところだ。
「あしたはそれ(3位以内)を目指して」というのが、残り1日への意気込み。「スイングの形は気にせずプレーできている」とクラブもしっかりと振れている。フェアウェイキープ率78.5%、パーオン率は88.8%という数字もそれを裏付ける。優勝なら、もちろんQT回避に成功。ツアー通算1勝の黄金世代は、“今大会3位”、“メルセデス・ランク70位”など、あらゆるルートを模索しながら来季への生き残りを目指していく。(文・間宮輝憲)
<ゴルフ情報ALBA.Net>