2022年6月に大阪府で2歳の女児が自宅に置き去りにされ熱中症で死亡するなど児童虐待は生命を脅かす重大なケースに発展することもあります。

こうしたなか児童相談所と警察が連携の強化に向けて児童虐待対応訓練が11月7日宇都宮市内で行われました。

訓練には警察官と児童相談所の職員合わせておよそ70人が参加しました。

訓練は児童虐待の疑いがある家庭への訪問や立ち入り調査など3つの想定で行われました。

このうち家族構成が母親と保育園に通う子ども、それに養父の3人で子どもが保育園をしばらく欠席しているという想定の訓練では裁判所の許可状を得て強制的に住居への立ち入りと子どもの捜索が行われました。

児童相談所の職員が家庭を訪問し玄関で保護者に身分証や許可状を見せても中に入らせてもらえないことからドアのチェーンを切断して強制的に中に入ります。

途中、養父が呼んだ知人が家の中に入ろうとして制止した警察官を殴りその場で逮捕される場面もありました。

一方、職員らは押し入れの中で縛られていた子どもを発見し手足にアザがあったため一時保護しました。

職員と警察官はあらゆる場面の手順を確認していきました。

児童相談所によりますと県内の昨年度の通告件数は1,638件でこのうち警察からの通告が612件とおよそ4割を占め最も多いということです。

「児童虐待」は4つの種類に分けられます。2021年度の栃木県児童相談所における相談の種類別件数によりますと、子どもに暴言や無視、夫婦のけんかを間近で見せるなどの心理的虐待が最も多く、次いで身体的虐待や世話を放棄するネグレクトが続きます。

県児童相談所によりますと通告件数が警察に次いで多いのは近隣の住民や知人で421件、続いて家族・親戚が216件、そして順に学校、病院となっています。

新型コロナの影響で家で過ごすことが多くなったことで周りの人たちとの交流が少なくなり家庭の状況や子どものシグナルが把握しづらくなったことが懸念されています。

児童相談所ではこどもに虐待の疑いがあると思ったら児童相談所の虐待対応ダイヤル189に電話をするように呼びかけています。