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 マイナンバーカードと健康保険証を一本化する政府の方針をめぐり、岸田文雄首相は10月24日の国会で、「カードを持たない人には新しい制度を用意する」との考えを示した。

 マイナンバーカードの普及率は、10月18日時点で50.1%となり、国民の過半数を突破した。政府は2024年秋にも紙の保険証を廃止して「マイナ保険証」に切り替える方針だが、個人情報保護や紛失リスクなどの観点から不安視する声も根強い。

 国会では、立憲の後藤祐一議員から、保険証廃止後にマイナンバーカードを持っていない場合、医療機関の窓口では全額自己負担になるのではと問われ、岸田首相は「そうならないような新しい制度を作る」と答弁。

 紙の保険証でもなく、マイナ保険証でもなく、さらに保険証が手元になくても保険診療を受けられる「資格証明書」でもない「第4の方法」をつくると明言した。これには後藤議員も「それ、新しい保険証と何が違うんですか」と呆れていた。

 SNSでは、首相のブレブレな態度に批判が殺到している。

《呆れたわ。何もかも意味不明じゃん? ただ税金のムダ》

《「聞く力」を発揮しすぎて、結局本来の目的が骨抜きにになってしまうパターン。行政の効率化と不正利用の防止という点だけは、絶対に譲らないでほしいが、例によってあまり期待はできそうにない》

《客や自社の営業にわがまま言われ、仕様をどんどん追加したり、条件分岐をやたら細かくして複雑怪奇なシステム構造にするディレクターみたいだな》

《これ、マイナンバーカードで管理する意味無くなるだろ これこそ、不法滞在者を始め、外国人が不正受給等できる抜け穴に利用されるだけなの見えてませんか?マジで岸田氏は周囲の言われるがままになってるとしか思えん》

 一部報道では、政府がマイナンバーカードを持たない人のために、2024年秋以降も現在の紙の保険証を一定期間持ち続けられるようにする方向で検討しているという。

 マイナンバーカードを保険証として使うことのメリットは多い。

 医療機関の間で診療内容を共有することが可能になり、どんな薬が処方されたかもわかる。医療費控除や高額療養制度、医療保険の手続きなどが簡単になるし、引っ越ししても切り替える必要がない。医療機関側も、事務コストの削減につながる。

 また、現行の保険証には顔写真がないため、使いまわしなどの不正使用も少なくないとされる。保険証がマイナンバーカードと統合すれば、こうした悪用も減るはずだ。

「聞く力」も大事だが、毅然とした態度でリーダーシップを発揮してもらいたい。