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国技館に待望の立ち食い寿司が帰ってきました!

本日はお出掛けの記録です。「コイツお出掛けばっかりしてるな」と思われるかもしれませんが、世の中には同じ野球チームの試合に年間100回くらいお出掛けする人もいるのです。回数の多寡ではなく楽しさで判断していきたいもの。つまらないものに何回も行っているわけでなければ何ら問題はないのです。

休日を狙って飛んでくる日本殺しの台風が過ぎた日曜日、東京は澄み渡る青空に恵まれました。半裸の男が外でくんずほぐれつしたという相撲にとって快晴こそが絶好の相撲日和。僕も非常に気分よく国技館へと向かいます。

↓こののぼりを見ると相撲だなぁと思います。


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世間も徐々に平静を取り戻していくなか、大相撲はほぼ平静を取り戻しています。一応、トイレに紙を置くくらいの気持ちで消毒液や体温計は置いてありますが、使っても使わなくても客も運営も大して気にしてはいません。それどころか今場所の入場時には手荷物検査もシレッと消え失せていました。前からそうだったかもしれませんが、アフターコロナでコロナ前よりも警戒を緩めてきそうな団体として大相撲をマークしておく必要がありそうです。

フリーパスで入場した僕はいつも通り館内の散策から始めます。まず入場ロビーではガラガラ抽選会というのに参加。これもまた警戒緩めてガバい感じ(※ガバガバなクジだなぁの意)。SNS登録を求めるでもなく、ひとりが何回引いたかをチケットにハンコついてチェックするでもなく、ただただ並んだらガラガラを回せるという驚きの設定です。

「いいねぇ」「相撲っぽい」「小賢しいのは相撲には似合わん」と好印象ウッキウキでガラガラに向かう僕。フィールドワークの名のもとにいい感じのバイトとして活躍している実践女子大の学生さんが見守るガラガラを回しますと、4等を引き当てることができました。4等はレトルトカレーがいただけるとのこと。クジ運が冴えているようなのでもう一回並んじゃおうかなと思いましたが、ま、いいときに撤退するのもクジのコツです。今日はカレー1個で撤退としましょう。

↓一日1回のルールをみんな守っていると信じる!



↓カレーが当たりました。



↓ごっつあんです。



つづきましては相撲博物館へ。こちらでは特別展として横綱・鶴竜の足跡を振り返る展示をしています。化粧まわしや浴衣などの鶴竜親方所蔵の品々に加え、鶴竜青年のチャーミングな写真の数々や、入門のきっかけとなったあの伝説のお手紙の実物も展示されており、大変内容の濃い展示でした。

逸話としてはもちろん知っていて何度も見た手紙ではありますが、改めてこうして実物を見ると、どうにかして何とかして相撲の世界に行くんだという強靭な意志と、それに必要な努力を積み重ねている日常とを感じる、熱気渦巻くような手紙でした。こういうものを見せられると、強くなる人とそうでもない人の差というのを感じずにはいられません。この覚悟を持って取り組んでこそ自分の才能のすべてを引き出せるのだろうなと思います。ホント、「テッポウ禁止」とかの横に毎場所貼っておいてほしいくらいの手紙ですね!

↓まだ鶴竜になる前のアナンド青年が日本の雑誌宛てに送った手紙。



↓絶対にゲームをやるんだという強い意志を感じさせる配線。



↓記念撮影スポットもありました。



まだまだ散策の時間。新しい売店はないか、キテレツなグッズはないかと国技館を見回っていきます。正面入り口脇のスイーツ親方の店では春日山親方(勢)が今場所も売り子をしていたり、2階正面の売店では清見潟親方(栃煌山)が売り子をしていたりと、買いたくなりそうな売り子の姿もチラホラ。隙間スペースがガチャガチャで埋まっていたりするのは若干心配な感じもありましたが、お客も多くにぎわっている様子。うんうん、と頷きながら僕も冷やかしていきます。

そんななか財布の紐が固いことで知られる僕のハートをキャッチしたのは2階正面に売り場を設置していたヤマザキパンとのコラボ商品でした。スーパーでも販売されているのでわざわざ国技館で買う必要もないのですが、こちらで買うとそれっぽい紙袋に入れて、それっぽい短冊ポスターをつけてくれるというので、自分用のお土産にすることに。スーパーで探す手間が省けたのはよかったなと思います。

↓ヤマザキパンとのコラボ商品。



↓中身は北の富士カレー風のランチパックなど。



↓すぐ横にあった検査キットみたいなのは買わずにスルー。



お土産を購入したので今度は腹ごしらえに。まずはいつも通りに国技館の地下ちゃんこへ。大した人数ではない割に列が進まず、おっかしいなーと思っているとレジ横では弁当の販売も行なわれていました。レジまできてからお客が弁当を選び始めるので遅くなっていた模様。「地下はちゃんこだけでいいんだよ…」「ちゃんこと一緒におにぎりを売れとは言ったが弁当までは要望してない」「せめて並んでいる間に弁当メニューを見せてほしかった」などと愚痴りながら遅めの昼食としました。

↓みそ味のちゃんこです。



さぁ、ちゃんこを食べたあとは待望のアレの時間です。コロナ禍となって以来、飲食全般を忌み嫌う世のなかに迎合して手控えていた「立ち食い寿司」が国技館に帰ってきたのです。汁物をたっぷりといただいたあとの腹固め、勇んで寿司をいただくことに。

国技館2階にあります寿司の売店では職人さんがネタを並べて寿司を握っています。カウンターには先客たちの姿も。僕もカウンターに取り付きまして早速注文します。注文の直前まで「ま、気分だけでええやろ」と安いネタをひとつふたつ頼む程度のつもりでいたのですが、カウンターにつきましたら「寿司の帰還」にテンションが上がってしまい、クチが勝手に「特上!」と叫んでいました。ついでにお酒もいただきまして、完全にお大尽の様相です。

↓おかえりなさい、寿司!



↓いただきます、寿司!


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満腹となって再び散策へ(←まだ行くのか)。すると寿司の帰還のほかにも館内には変化が起きていました。長らく封印されていた「力士の入り待ち・出待ち」が復活したのです。国技館脇の道路を力士が通行していく姿を、西側テラススペースから眺めるという大相撲ならではのお楽しみ。スペースは狭く、握手や写真撮影などはダメということで、かつてと同じということではありませんが、いろいろなところがガバガバっと平静を取り戻している感じは伝わってきました。

すれ違う人をよく見れば、インバウンドなのか海外の方と思しき人たちも数多く見受けられ、かつての国技館に戻る日もそう遠くなさそうです。ま、完全に戻ってしまうと、とんでもない酔っ払いとか無限手拍子指笛野郎とかも出てきてしまうので、引きつづき協会から呼びかけられている「お酒は1本まで」制度などは維持してもいいかなと思いました。1本であればそんなに酔いはしませんから、ちょうどいい感じですよね(※相撲協会が1本で4リットル飲める大五郎を売店で売り始める可能性は残るが)。

さぁ、さんざん買い物と飲み食いをしましたところで、いよいよ相撲観戦です。十両の時間帯に組み込まれた幕下の取組には、コロナ禍において「キャバクラに通っていた罪」と「キャバクラに通っていないとウソをついた罪」で6場所休場となった朝乃山の姿が。平静を取り戻してみればアレがいかほどの罪だったのか僕には理解しかねますが、まぁ、本人の立ち回りが悪かったのは事実です。今場所は7戦全勝での優勝なら十両復帰というところでしたが、1敗を喫して惜しくも届かず。来場所も幕下の地位で相撲を取ることになりました。今はただ「早く戻ってきてくれ」「大関がめっちゃ弱くて困ってる」「幕尻優勝しちゃおう」と今後の活躍を祈るばかりです。

↓ウソをつくとひどい目に遭うという悟りを得た表情。



取組は進みまして幕内へ。何と言ってもこの日の注目は玉鷲VS高安の優勝争い直接対決です。個人的には高安が本割と決定戦で連勝するイメージはまったくわかず、「ここで連勝できるくらいなら途中の戦いがもっと違うものになっていたはず」という達観ムードではありましたが、それでも可能性がゼロではないというのは結構なことです。結果が出るまでは夢が見られるのですから。この一番があることで、この日全体がワクワクするものとなりました。

本来であれば、そういうワクワクを千秋楽まで維持するのは横綱・大関の責任なわけですが、残念ながら今場所はまったくそれが叶いませんでした。特に御嶽海と正代の両大関(※来年はふたりとも大関でなくなっている想定)はヒドイものでした。その意味では、14日目に「負ければ玉鷲の優勝が決定」という一番で勝ち残った高安はお見事でした。優勝争いの面白さを元大関として守ってくれたなと思います。大関よりもよほど大関らしい相撲でした。

今場所は残念ながら予想通りに悲願の優勝とはなりませんでしたが、玉鷲が成し遂げた最年長優勝の年まで頑張るなら、まだ30場所ほどのチャンスがあります。ぜひ諦めずに挑戦してほしいなと思います。「星3つリードして残り3日」とかくらいまで条件が整う場所があれば、優勝できる日もくるんじゃないかと思います!

↓優勝が決まるまでは、優勝は決まらない!



↓立ち合ったらすぐ優勝が玉鷲に決まりました!


↓そんな命運分かれた相撲のあと、笑顔で握手ができるふたり!

勝った玉鷲は強かった!

勝てなかった高安も立派だった!

清々しい場所をありがとうございました!

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終盤は「これでこんなに懸賞がかかるんじゃボーナスゲームだなぁ」「行き場を失った懸賞旗が結びに大集合」「半分くらい玉鷲VS高安にかけるべき」と思いながら一方が一方的に勝つ相撲を見守り、九月場所は終了。待望の寿司も食べられましたし、いい優勝争いも見られましたし、大満足のお出掛けとなりました。次回の観戦ではさらに平静を取り戻した大相撲になっているだろうなぁという期待感と、そろそろ座布団投げたりする人が帰ってきそうだなぁという不安感との両方がありそうですが、清々しい観戦になればいいなと思います!

↓優勝パレードこそなかったものの、クルマに乗って記念撮影をする玉鷲!


旗手は前回の優勝時につづき輝!

今場所の強さを見ると、まさかの三度目もあるかもですね!


早くまた優勝パレードも盛大にできるようになるといいなぁと思います!