ハウスメーカーの家に住んで2年。電気の自給自足度を詳細にレポート
近年、ハウスメーカーのZEH(ゼロエネルギーハウスの略)商品が続々登場しています。実際のところ光熱費がどのくらい削減できるのか、気になるところです。そこで、2年前にセキスイハイムで家を建てた日刊住まいライターが、年間の光熱費の収支を詳細にレポートします。採用した設備は8kwの太陽光パネルと蓄電池。家づくりの参考にしてください。
4人家族の家に、8kwの太陽光パネルと蓄電池を採用
日々の電気代は、家族構成や生活状況、太陽光パネルと蓄電池の容量などによって大きく変わります。まずは、わが家の状況について簡単に紹介します。
●家族構成と生活状況
わが家は夫婦と子ども2人で、上の子は3歳、下の子は0歳。子どもがまだ小さいこともあり、日中の生活はリビング中心です。
夏は冷房、冬は暖房と加湿器を使っています。なお、冬場でも床暖房は使っていません。
●太陽光パネルと蓄電池の容量
わが家は、太陽光パネルと蓄電池をそれぞれ8kw採用しました。太陽光パネルは屋根と一体型です。セキスイハイムの家は庇(ひさし)を伸ばせるので、その分、太陽光パネルを多く載せることができました。
そのほか、電気代に関わるところでは、オール電化、全館空調システム、HEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)を採用しています。
HEMSは、太陽光パネルと蓄電池に連携されており、電気の使用状況をリアルタイムで確認できます。また、蓄電池から電気を使ったり、蓄電池へ電気をためたりの操作が自動で行われます。
わが家の屋根はフラットで、周囲には高い建物もないため、あらゆる方向からの太陽光を受けられます。
年間の電気代はプラス6万7000円。水道代もまかなえた!
上の図は、ある月の発電量と消費電力です。1126kWhの発電に対し、使用した電力は678kWh。差し引き448kWhのプラスになっています。
直近1年間の電気代を表にしてみました。なんと6万7312円のプラスでした。
ちなみに、この約6万7000円で年間の水道代を払うこともできるので、わが家の実質の年間の「水道・光熱費」はゼロ円です。
電気代の収支がよかったのは4〜7月。暖かくなってきたことで太陽光による発電が増え、さらに暖房を使う機会も減ったことで、電気代の収支もよくなりました。
一方、収支が悪かったのは12〜2月。太陽光による発電量が少なく、暖房を使う機会が増えたことで、電気代の収支がマイナスになりました。
なお、この年の8月は雨が多く、売電金額がやや低めでした。参考までに、前年の8月の売電金額は約2万円、収支はプラス約1万5千円でした。
電気代については蓄電池の効果が非常に大きいです。日中に発電した電気もムダなく使えているので、このような売電金額になったと考えられます。
一般的に、夏の太陽光パネルの表面は高温になり発電効率が落ちる一方で、冬の太陽光パネルの表面は適度な温度になるため、夏よりも発電効率がよいといわれています。
しかし、わが家の電気代の収支をみると、夏の方が発電しています。その理由は「日照時間」。たしかに、夏の太陽光パネルの発電効率は落ちているかもしれませんが、日照時間が長いので、総発電量は多くなったと考えらえます。
停電時に蓄電した電気を使える安心感もメリット
写真はわが家の蓄電池です。発電された電気をためることができるので、停電時にも比較的安定して電気を使える安心感もあります。
売電価格はわが家の場合、1kwあたり約24円です。ただ、約24円は2年前の価格で、太陽光エネルギーの買い取り価格は年々減少しています。そのため、これから太陽光パネルや蓄電池を採用される方は、1kwあたり24円以下の売電金額になります。
各月の電気量の推移はわが家と似た傾向を示すかもしれませんが、売電金額については低くなると考えられます。太陽光パネルと蓄電池を採用する際は、この点に注意が必要。
これから太陽光パネルと蓄電池の採用を考えている方の参考になれば幸いです。