板倉滉のシャルケ退団が決定…相思相愛も財政事情で買取OP行使断念

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シャルケは5月31日、日本代表DF板倉滉(25)の今シーズン限りでの退団を認めた。

今季、マンチェスター・シティからのローンプレーヤーとしてシャルケに加入した板倉は、センターバックやボランチで公式戦32試合に出場し、4ゴールを記録。クラブの1シーズンでの1部復帰に大きく貢献していた。

シャルケは来季に向けても残留を希望していたが、クラブの財政事情を鑑みて、昨夏シティからレンタルした際、契約書に盛り込んでいた600万ユーロ(約8億3000万円)と言われる買い取りオプションの行使を見送る形となった。

残留を希望しながらも1年での退団が決定した板倉は、クラブの今回の決断を尊重すると共に、改めてクラブに対する愛情を示した。

「僕は本当にシャルケでプレーし続けたかったので、ここにいるすべての人々を恋しく思うでしょう。ただ、この決定の背後にある状況を理解しています」

「シャルケで過ごした時間に心から感謝しています。シャルケは素晴らしいクラブで、一緒に素晴らしいシーズンを過ごしました。ヴェルティンス・アレーナでのすべてのゲームと時間は、僕にとって特別なものでした。ファンは素晴らしく、幻想的な雰囲気を醸し出してくれていました。そして、僕自身は大家族の一員のように感じていました」

一方、シャルケのスポーツディレクターを務めるルーベン・シュレーダー氏は、板倉の買い取りオプション行使断念の理由について以下のように説明している。

「コウは素晴らしい人間であり、どんなドレッシングルームにも素晴らしい仲間だ。彼は昇格を勝ち取り、2.ブンデスリーガのトップを獲得するための我々の旅における重要人物の一人だった」

「コウが今シーズンのピッチで傑出したプレーヤーの一人だったという事実に疑いの余地はない。彼をブンデスリーガのチームに入れることを望んでいたが、経済的な理由からそれは不可能だった」

「現時点で、多くのチーム計画の決定を行う必要があるため、購入オプションを行使することができなかった。財政支出が多すぎて、慎重に計画された予算を超えてしまう可能性がある。クラブは、利用可能なお金だけを使うという戦略を継続したいと考えている」

また、クラブ幹部のピーター・クネーベル氏は、シュレーダー氏と同様に板倉を称賛すると共に今後の更なる活躍を心から願う。

「コウの温かい性格が彼を際立たせていた。彼はシャルケ在籍中に日本でワールドカップ出場を決定し、我々のクラブと我々の価値観の素晴らしい代表者となった。我々は彼が将来のために最善を尽くすことを願っている。同時にいつでもここで歓迎される。クラブ全体で、板倉の今後の活躍を祈っている」

なお、板倉の新天地に関してはヨーロッパリーグ覇者のフランクフルトや、スコットランド王者のセルティックに加え、来季からプレミアリーグに復帰するフルアムとボーンマスなど、複数クラブが候補に挙がっている。