立方体のキューブを細かく動かして色をそろえていくルービックキューブは、基本的に動かしやすいようにプラスチックなどの素材で作られます。そんなルービックキューブを食器や自動車などに使われるステンレス鋼で作り上げた人物が登場しました。

Lu Laboratories | Machining

http://lulabs.net/machining/ss-cube/

エンジニアのクリス・ルー氏が作り上げたステンレス鋼製のルービックキューブがこれ。ルー氏は以前アルミニウム製のルービックキューブを作成していたのですが、「完全に満足できなかった」ため、新しい素材で作成することを決意したそうです。ステンレス鋼はその組成によってさまざまな種類に大別されますが、ルー氏が選択したのはより加工のしやすい「303」と呼ばれるものです。



ルー氏がまず最初に作成したパーツはキューブの角に位置する8つのコーナーパーツ。1インチ(2.54cm)四方のステンレス鋼から切り出した一辺0.925インチ(約2.350cm)の立方体で、表面は見た目以上に荒削りとのこと。



ルー氏はコーナーパーツをフライス盤で削り取り、2つの立方体が融合したような形に仕上げました。これにより他のパーツと組み合わせて使うことが可能になります。



他のパーツと干渉しないように、わずかな傾斜を付けてほぼ完成。



市販のルービックキューブにもピッタリ入ります。



ルー氏が次に取り掛かったのは、コーナーでも中央のパーツでもない「エッジパーツ」と呼ばれる12個のブロック。



ルー氏はすべてを手作業で行っているため、小さなミスもあったとのことですが……



無事すべてのエッジパーツを完成させています。



残りは6面の中央に位置するセンターパーツ。ルー氏は内面を湾曲するように削ったあと、中央に穴を開け、ネジ山の付いたステムを差し込めるようにしています。



キューブの核に位置するパーツがこれ。6方向に足が飛び出たパーツで、足の中央には穴が空いています。以上全てのパーツを組み合わせてできたのが……



こんな感じのキューブです。



ルー氏はこれの表面に刻印を施し、みぞに黒い塗料を流して装飾。そしてサンドペーパーで磨き上げた完成品がこんな感じ。きちんとキューブを回すことができるものの、3ポンド(約1.4kg)の重さがあるため、「非常に疲れる」とのこと。ルー氏は「アルミニウム製のモノよりもはるかにきれいで滑らかです」と仕上がりに満足しています。