アパレルの各ブランドや小売業者は、実店舗のハイテクな試着室に投資をはじめている。2021年はバーチャル試着室の年だった。パンデミックのため顧客が自宅に留まっているなか、ウォルマート(Walmart)、ショッピファイ(Shopify)、Amazon、スナップ(Snap)のすべてが、顧客が服を着たときどのように見えるかを視覚化できる拡張現実や仮想現実テクノロジーに投資した。今年、2022年には、サベージXフェンティ(Savage X Fenty)からAmazonまでの各社が、対面販売の回復に賭け、実店舗における試着室のアップグレードを行っている。
大手企業も、試着室のアップグレードを模索している。Amazonは1月下旬に、最初のアパレル店舗を今年後半に開設し、ハイテク試着室を備えることを発表した。この店舗は、Amazonがアパレル分野への参入をさらに推し進めることを示すものだ。同社は過去数年にわたって、スタイルスナップ(StyleSnap)などのオンラインディスカバリーツールのスイートに投資してきた。このツールは、顧客がリアルでファッションアイテムの写真を撮影し、Amazonで同様なスタイルの商品を購入できるものだ。また同社は、オンサイトにゲーテッドセクションを開設し、オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar De La Renta)やミッソーニ(Missoni)などのデザイナーの服を販売して、ラグジュアリーファッションにも投資してきた。しかし、これらの販売は依然としてオンライン中心だったのに対して、Amazon Styleはテクノロジーをオフラインで統合するものだ。顧客は店舗の試着室でタッチスクリーンを使用して好きな商品を評価し、それらの評価に基づいてほかの商品のおすすめを受け、それらのスタイルを注文して試着室で受け取るまでの作業を数分で完了できる。「顧客は試着室から出ることなく、買い物を続けられる」と、同社は新たな店舗形式についてのプレスリリースで語っている。Amazonの新しい店舗は、ほかのブランドにも独自のハイテク試着室を開設することへの興味を抱かせるだろうが、一部のブランドは依然として実験モードだ。
ガートナー(Gartner)でディレクター業界アナリストを務めるチェルシー・グロス氏は、各社における最新の実店舗のアップデートは、オンラインとオフラインのショッピングを統合することが焦点になっていると、以前に米モダンリテールに語った。しかし、小売業者とブランドは新しいテクノロジーの実装に熱心であっても、顧客に取り入れられるのは遅くなるかもしれないと、同氏は警告する。「これらのテクノロジーが顧客に受け入れられ、なじみがあるものかを確認する必要がある。十分にテストが行われていない、または期待される受け入れや注目が得られないような新しいデジタル環境に資金をつぎ込まないように気を付ける必要がある」と同氏は述べている。[原文:Brands and retailers are giving their fitting rooms a high-tech upgrade] Maile McCann(翻訳:ジェスコーポレーション、 編集:黒田千聖)Image Via Savage X Fenty