インターネットの普及により、ユーザーが飲食店の情報を集める手段は多様化しました。集客施策を考えようとしても、「何から始めればよいか」と悩むオーナーが多いかもしれません。

特に売上が安定しておらず、少ないコスト・労力で集客しなければいけない場合、最も効果の高い集客施策の仮説を立てるため、課題を整理することから始めてみましょう。本記事では、低コストですぐに実践できる飲食店の集客アイデアを、店舗が抱える課題別に詳しく解説していきます。

こんな人におすすめ

お客さんを呼び込みたいが、何から始めるべきか分からない お金のかかる集客方法を導入するのは難しい すぐに実践できる集客アイデアを知りたい
飲食店の集客の仕組みとは? まずは自店の課題を整理 飲食店の認知度を向上させる5つの集客方法 1.SNS運用 1.Twitter 2.Facebook 3.Instagram 2.フードデリバリーサービスへの登録 3.メディアへの露出 4.チラシの作成・ポスティング 5.看板の作成 来店を促すために使える3つの集客サービス 1.Googleビジネスプロフィール(旧・Googleマイビジネス) 2.グルメ情報サイト 3.ホームページ リピーター獲得につながる3つの要素【アンケートが重要】 1.料理 2.接客 3.内装 再来店を促す3つの方法 1.SNSを利用したコミュニケーション 2.ポイントカード 3.クーポンの配布 まとめ:自店舗にあう集客方法の実施が大切

 

飲食店の集客の仕組みとは? まずは自店の課題を整理

効果の高い集客方法を考えるためには、「自店舗の課題はどこにあるのか」「どの段階のお客さんへの集客に力を入れるべきか」を考える必要があります。集客アイデアを実践に移す前に、まずは集客の仕組みについて理解しておきましょう。

お客さんがお店に来店するまでには、いくつかの段階があります。以下は、その流れを表した図です。

一般的に「集客」というと、上記の「認知・関心・検索」をイメージすることが多いですが、継続的な集客のためには「新規のお客さんをいかにリピーター化させるか」の観点も重要です。リピーターが増えれば、広告やチラシなどの割合を減らしてコストを削減することができます。

さらに、リピーターが知人に紹介したくなるようなお店として認知されれば、自然とお客さんが集まる仕組みがつくれます。再来店(Repeat)までが集客と考え、施策を練っていきましょう。

リピーターをつくるには、まずお店を知ってもらい、来店を促す必要があります。次章以降では、「認知」に関して有効な集客方法を紹介していきます。

Point

お客さんに来店してもらうには「お店を知る(認知)」「興味を持つ(関心)」「詳細を調べる(検索)」などいくつかの段階がある 段階ごとに、力を入れるべき集客方法が異なる 最も理想的な集客方法は「新規のお客さんをリピーター化すること」

 

飲食店の認知度を向上させる5つの集客方法

まずはお店を知らない人、関心を持っていない人に向けた集客方法について説明します。

SNS運用 フードデリバリーサービスへの登録 チラシの作成・ポスティング メディアへの露出 看板の作成

認知を取りたいターゲット層が広い順に、各集客方法のコストや特徴を解説します。

1.SNS運用

SNSはさまざまな業界で注目されている集客ツールです。スマートフォンの普及に伴い、Yahoo!やGoogleなどの検索エンジンだけでなく、SNSを利用して情報収集をしている人が増えています。

LINEリサーチの調査では「スマホで調べものをするときに使っているものは?」という質問に、14,895人のうち59%が「SNS」と答えました。

以下、3つがお店の認知獲得に役立つ主要なSNSです。いずれも広告を除く基本的な投稿機能は無料で利用できます。

Twitter Facebook Instagram 1.Twitter

Twitterは、日本での月間ユーザー数が4,500万人を超えるSNSです(2017年時点)。10~20代の約7~8割が利用しています*1。

TwitterはほかのSNSに比べ、拡散性が高いことに特徴があります。テキストの投稿は全角140文字までと制限がありますが、魅力的なコンテンツは「いいね」やリツイート機能で拡散されていきます。リツイートとは、他者の投稿がリツイートしたフォロワーのタイムラインに表示される機能のことです。

例えば、投稿が10リツイートされ、リツイートしたユーザーにそれぞれ100人のフォロワーがいたと考えてみましょう。その場合、「リツイートした10人 × 100フォロワー」で1,000人のユーザーのタイムラインに投稿が表示される可能性があるということです。

Twitterでは「面白い」「かわいい」といった感情に訴える投稿が拡散されやすいため、他店と異なる面白いコンセプトやメニューを持つお店に向いているSNSです。

お店のアカウントとして運用する際は投稿やリプライ(コメント)、「いいね」を積極的に使ってアカウントを知ってもらうことから始めましょう。リプライやいいね、を通してアカウントの存在に気づいてもらえれば、投稿情報が拡散される可能性も高まります。

また、来店したお客さんの投稿を見つけたら、自分からリツイートをしましょう。信頼性の高い、実際のお客さんの声は自店舗の質の証明につながります。

2.Facebook

Facebookは実名登録が推奨されており、リアルな交友関係でつながっている人が多いSNSです。おすすめユーザーを紹介する機能「知り合いかも?」は以下をはじめとする基準で紹介するユーザーが選ばれています。

共通の友だちがいる 連絡先に登録されている 学校・職場など同じネットワークに所属している

このような特徴からオフラインで面識のあるユーザー同士がつながっていることが多く、シェアされた投稿が同じ環境にいる人の目に触れやすいSNSです。ユーザーの中心は20~50代と、幅広い層に利用されています*2。

投稿できる文字数は60,000文字と多いため、イベントやキャンペーン、新メニューの告知など、自店舗の魅力をしっかり伝えることも可能です。

一方、実名制であることから、つながりを持つハードルが高い側面もあります。集客Facebookを活用する際は、まずはオフラインで関係性ができている友人やお客さんに情報のシェアをお願いすることをおすすめします。

店舗形態としては、お客さんとオーナーの距離が近いバーや居酒屋、カフェの集客に向いています。

3.Instagram

 

Instagramは、主に10~30代の若い世代が積極的に利用しているSNSです*3。ほかのSNSに比べ、男性より女性のユーザーが多いことも特徴です*4。

Instagramの大きな特徴は以下2点です。

画像投稿が中心 拡散性は低く、ハッシュタグ(#)を利用した検索が一般的

Instagramは「映える(ばえる)」という言葉で表現されるように、画像や動画が投稿の中心であるSNSです。画像や動画といった視覚的な表現でメニューや店舗の雰囲気、料理の魅力を伝えることができます。

飲食店が運用する場合「かわいいデザート」「超大盛りの定食」「美しいプレート料理」など、写真で魅力が伝わる画像を投稿しましょう。

また、Instagramは「ハッシュタグ(#)」で検索を行う文化が根づいています。投稿の際は「#地域名+ランチ」など関連性の高いタグを設定し、ユーザーの検索キーワードを意識することが重要です。フォロワーが少ない状態でも、ハッシュタグで検索したユーザーに投稿が表示される可能性が高まります。

若い女性がターゲットのお店、写真として映えるメニューや内装、外装が魅力のお店は効果的に活用できます。投稿する写真の撮影方法については「料理写真は『光』と『ズーム』!フードフォトのプロが教えるスマホ撮影術」でも解説しています。

2.フードデリバリーサービスへの登録

新型コロナウイルス感染拡大の影響でユーザーが急増しているフードデリバリーサービスへの登録も、認知度を高める方法の一つです。マーケティング調査会社「株式会社ヴァリューズ」の調査によると、フードデリバリーサービスは2021年3月時点で約1,000万人のユーザーが存在し、前年同月である2020年3月の約3倍まで成長しています。

多くのフードデリバリーサービスは、トップページで登録しているお店を紹介していたり、ユーザーが食べたいジャンルのお店を探すときに近くの店舗が一覧で表示されたりといった機能があるため、お店を知ってもらうきっかけになります。

以下、代表とするフードデリバリーサービスへの登録を検討してみてください。

Uber Eats 出前館 menu

利用には手数料が必要ですが、注文が入れば直接、売上を伸ばすことも可能です。

また、テイクアウト用の梱包資材などは用意する必要があるものの、配達員は自店舗で用意することなく、デリバリーサービスが提供できます。在宅需要でフードデリバリーの市場は拡大しており、デリバリーサービスをきっかけとしてお店を知ってもらうことで、実店舗への集客効果も期待できます。

3.メディアへの露出

地域のフリーペーパーや個人ブログなど、メディアへの露出を行うと、掲載先の影響力を活用した集客効果に期待できます。メディア露出と聞くと高額な料金が必要なイメージを持つかもしれませんが、地域の専門誌や地域の情報を発信しているブロガー・YouTuberへの依頼であれば、そこまで大きな費用はかかりません。

例えば、滋賀県内のグルメ情報などをレポートしているサイト「日刊!滋賀県」では、飲食店の開店情報を無料で作成・掲載しています。さらに、月3万円で、PR記事や広告の掲載なども可能です。

地域に特化しているメディアは「ターゲットとするお客さんに届きやすいこと」「出稿にかかる費用が比較的安価であること」から費用対効果が高くなりやすいため、新規店舗のPRにおすすめです。地産地消など、地域とのつながりをコンセプトにしていたり、オーナーの地域に対する思いがあったり、地域性が高い飲食店におすすめの方法です。

4.チラシの作成・ポスティング

チラシの作成やポスティングも、お店を知ってもらうために有効な手段です。店舗近くの住宅に配布することで、来店の可能性が高い「周辺地域の人」に絞って宣伝できます。

チラシ作成の際には、下記の情報を盛り込みましょう。

お店の強み・アピールポイント 分かりやすく表現された地図 キャンペーン・クーポンなど来店を促す特典

すでにお店を知っている人の家にポスティングした際も、来店を促す特典があればより行動を起こしてもらいやすくなります。

チラシ作成の料金目安は以下のとおりです。デザイン費用は制作会社やデザイナーによって大きな幅があるため、あくまで目安として参考にしてみてください。

  デザイン費用 印刷費用 A4 約4万円 約15円~/枚 A3 約5.5万円 約30円~/枚

※片面カラーの場合

A4サイズのチラシを500部作成する場合、費用は5万円弱です。加えて、ポスティングにかかる人件費が発生します。

住宅街のような周辺に見込み顧客が多い地域で出店している飲食店には、チラシのポスティングは有効な手段です。一方、オフィスや駅の周辺など、住宅が少ない地域は効果が薄くなることがあります。

5.看板の作成

多くの人に向けた認知獲得の手段として、SNSやフードデリバリーサービス、より来店見込みの高い人に向けた地域メディアを紹介しました。最後に、アピールできる範囲は狭いものの、お店に最も近い距離で認知獲得ができる看板について解説します。

道路から見える位置に看板が出せる路面店であれば、設置することで偶然通りかかった人が興味を持ったり、SNSやチラシを見た人がお店を思い出すきっかけになったりといった効果が期待できます。

おすすめメニューの提示やキャンペーン告知などを掲載しましょう。

料金相場は、木製の立て看板で約5,000円~2万円です。自作も可能ですが、デザインをプロに任せる場合は、デザイン費1.5~3万円を加えて、~5万円を目安に依頼できます。チラシをポスティングしているなら、チラシとデザインの雰囲気を合わせて思い出しやすくなる工夫をしましょう。

看板はインターネットで集客したお客さんを店舗へスムーズに誘導する役割もあるため、なるべく目立つ場所に設置することが重要です。

 

来店を促すために使える3つの集客サービス

お店を知って興味を持った人は、続いてより詳しく「どのようなお店なのか」を調べる段階に入ります。その際、以下のような「お店の詳細」が記載されたサービスを参照する傾向にあります。

Googleビジネスプロフィール(旧・Googleマイビジネス) グルメ情報サイト ホームページ・SNS

お店に興味を持った人を、確実に来店につなげるためには、上記のサービスに記載される情報をできるだけ詳しく、正確に充実させておくことがポイントです。

1.Googleビジネスプロフィール(旧・Googleマイビジネス)

引用:Google を使ってビジネスを無料でアピール|Google

Googleビジネスプロフィールとは、Google社が提供しているサービスに、店舗の情報を掲載できる無料ツールで、主に以下のような機能が利用できます。

Googleマップへの住所や営業時間などの掲載(店舗) 写真やメニュー情報の投稿(店舗・ユーザー) 口コミ投稿(ユーザー)

特に口コミは重要です。広告やSNSのコンテンツは発信者がお店であるため、ユーザー目線ではありません。実際のお客さんが投稿した口コミの評価は、他のお客さんにとって参照性の高い情報になります。

お客さんが思わず口コミを書きたくなるような質の高い料理やサービスの提供に努めましょう。

また、店舗を検索したユーザーを逃さないために、住所や営業時間はもちろん、料理や店舗の雰囲気、外観などの画像も記載しておく必要があります。お客さんの中には「デートで利用したい」「重要な会食で使用したい」など、シチュエーションを想定してお店を検討している人もいます。

「個室あり」「落ち着いた静かなお店」「内装の雰囲気」など、自店舗の魅力や特性をアピールできる情報は可能な限り公開し、お客さんが来店を判断しやすくなるよう工夫するのが大事です。

2.グルメ情報サイト

引用:食べログ公式サイト|食べログ

お店を調べる際、検索エンジンではなくグルメ情報サイトで検索する人もいます。登録すればユーザーのレビューが集まるため、うまく活用すれば集客効果にも期待できます。

代表的なグルメ情報サイトとして、以下3つがあげられます。

食べログ ぐるなび Retty

掲載料金はサイトによって異なりますが、ぐるなびの場合は以下3つのプランがあります。

  スタート ライト ベーシック 基本加盟料/月 0円 11,000円 33,000円 ネット予約対象 席予約のみ 席+コース 席+コース ネット予約手数料 固定 選択可能 選択可能 Google/LINEで予約 手数料あり 無料 無料 ディスプレイ広告掲載 なし なし あり 特設ページ掲載 なし なし あり ぐるなび台帳機能 (予約情報と顧客情報を一元管理) なし(有料) あり あり

グルメサイトを通して予約が発生した場合、多くのサイトでは手数料が発生します。ぐるなびの場合は手数料に幅があり、支払った手数料に応じてポイントが還元されます。

ランチ:10~40円/人 ディナー:50~200円/人

なお、食べログはライトプランまたはベーシックプランを利用していると、GoogleやLINEで予約した際の手数料が無料になります。グルメサイトからの予約だと費用はかかるものの、レビューやサイト内で組まれる特集による集客効果もあるため、まずは無料で登録できるグルメ情報サイトを利用してみましょう。

3.ホームページ

引用:ペライチ公式サイト|ペライチ

お客さんが参照するのは、グルメ情報サイト内の情報だけではありません。GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索する人も多く、この場合、ホームページがお店の詳細を知ってもらう媒体として有効です。

グルメ情報サイトのように掲載料やインターネット予約時の手数料が発生せず、アピールしたい要素が自由に表現できます。提供するメニューや内装の雰囲気が写真で伝えられるだけではなく、こだわりやオーナーの思いなど、多くの情報を掲載できるのがメリットです。

ホームページはペライチやWixなどの無料サービスを利用することで、費用をかけずに開設できます。ただし、無料プランの場合はホームページ業者の広告が掲載されたり、自由にカスタマイズができないなどの制限があるため、状況によって有料プランを検討しましょう。

ペライチの場合は月額3,278円で予約機能つきのホームページが制作可能です。検索したにもかかわらず、「情報が少ない(見つからない)。よく分からないからやめよう」と思われないよう、情報を提供するための媒体を準備しておきましょう。

 

リピーター獲得につながる3つの要素【アンケートが重要】

冒頭でも触れた通り、最も理想的な集客は「新規のお客さんをリピーター化し、再来店してもらうこと」です。本章では、リピーター獲得につながる3つの要素を紹介します。

料理 接客 内装

「また行きたい!」とお客さんに思ってもらうためには、お店の中で得られた良質な体験が不可欠です。「長く愛されるお店を作りたい」「お客さんにとってなじみの店になりたい」と考えている人は、自店舗の状況、特に、お客さんが「体験する部分」を振り返り、強化していくことを考えるといいでしょう。

1.料理

質の高い料理やメニューを提供し、常に改善し続けることがリピーターの獲得には重要です。おなじみ編集部が実施したアンケートでは「行きつけになった理由は?」の1位は「料理のおいしさ」(約86%)でした。

また、「価格が安い」も理由の一つに挙がっていることから、「おいしさ」「コストパフォーマンス」が重要だと考えられます。「どのようなメニューだとお客さんが喜ぶか」「どうすればコストを下げられるか」という点を意識して、メニューを改良していきましょう。

2.接客

気持ちの良い接客を提供することも「また来よう」と思ってもらえる理由の一つです。

先ほど紹介したアンケートでは「行きつけになった理由は?」という質問に対し、51%の人が「店主の人柄や関係性」、33%の人が「従業員の接客」と回答しています。

お客さんの「行きつけのお店」になるためには、料理のおいしさだけではなく、お店で得られるコミュニケーションの質、居心地の良さが重要であることが分かります。笑顔で接したり、注文したいお客さんにすばやく反応したりといった基本的な部分はもちろん、次のようなことがないように配慮してみるとよいでしょう。

強過ぎる常連の輪ができている 店員同士がずっと話している シェフやオーナー、スタッフのピリピリした空気に、お店の雰囲気が支配されている

常連のお客さんの輪に関しては一概に悪いことではありませんが、「客席を分ける」「優先や特別対応をしない」など、新規のお客さんの居心地が悪くならないよう配慮する必要があります。

お客さんは料理の味だけでなく、お店のスタッフの雰囲気も気にしています。お客さんだけに気持ちの良い対応をするのではなく、スタッフ間の思いやりや良好な空気も大事です。

3.内装

「デート」「重要な会食」「友人との気軽な食事」など、シチュエーション別にマッチする内装や店内BGMは異なります。どのようなシーンで利用されるお店を目指しているか、目指す姿と合った雰囲気のお店になっているかを確認しましょう。

例えば、お店のコンセプト別に以下のような工夫が考えられます。

お客さんがワイワイ楽しく過ごせる居酒屋:アップテンポのBGMを流して場を盛り上げる ゆったりとした空間でお酒と料理を楽しむ小料理店:暗めの照明で落ち着いた雰囲気を出す お客さん同士の交流が深められるバー:会話が聞こえやすいようにBGMのボリュームを下げる

自身が他店舗に行った際に「心地良く感じた点」「違和感を覚えた点」なども参考に、自店舗の改善点を探してみるのもひとつの手です。

***

 

「料理」「接客」「内装」を改善するには、常連のお客さんに意見を聞いてみたり、卓上アンケートを設置したり、お客さんの声を参考にしましょう。

また、LINE公式アカウントを導入するのも有効です。LINE公式アカウントのアンケート機能「リサーチ」を利用すると、友だちになったユーザーに対し、アンケートフォームを送付できます。

▼LINE公式アカウントのリサーチ機能

「登録してくれたらデザートサービス」といった特典を用意して友だちを集めておき、店舗の改善に役立てましょう。

>>LINE公式アカウントを見てみる

 

 

再来店を促す3つの方法

お店での体験に満足しても、すぐに再来店してくれるお客さんと、きっかけがないと来店につながらないお客さんがいます。お客さんの背中を押し、再来店のためのきっかけづくりとして、以下の手段が考えられます。

SNSを利用したコミュニケーション ポイントカードの配布や利用促進 クーポンの配布

効率的にお客さんとの関係がつくれるツールとして、LINE公式アカウントの利用方法も合わせて紹介します。

1.SNSを利用したコミュニケーション

下記をはじめとするSNS上でのコミュニケーションを通じて、お客さんとの接点を持ち続けるようにしましょう。

定期的に新メニューやイベント、キャンペーンについて投稿する 投稿にコメントしてくれたお客さんに返信する 関係性が築けているお客さんにはダイレクトメッセージでお知らせを送信する お問い合わせをダイレクトメッセージで受け付ける

お店からお客さんへのコミュニケーションだけでなく、双方向のやりとりをすることで、よりお店の存在を身近に感じてもらうことができます。

TwitterやFacebook、Instagramはもちろん、LINE公式アカウントの使用も検討してみましょう。LINE公式アカウントでは、LINE上で「友だち」になったお客さんだけにメッセージを配信できます。

LINE公式アカウントではユーザーと普段のようにLINEでやり取りできる「LINEチャット(左)」、メッセージ(テキスト、スタンプ、画像、動画など)やクーポンが配信できる「メッセージ配信(右)」など、友だちに対するさまざまなコミュニケーション機能がある

送信先が「すでに来店している」または「ホームページなどで興味を持っている」お客さんに絞られるため、来店のきっかけづくりに有効です。TwitterやFacebookでもメッセージの一斉配信は可能ですが、「ユーザーがすでに来店しているか」が分からないため、お客さんの管理や送信先の選定に手間がかかってしまいます。

また、LINEは国内の月間利用者数8,900万人、アクティブ率が約8割(どちらの数値も2021年9月末時点)と、多くのユーザーが日常的に使っており、配信メッセージがプッシュ通知としてスマホ画面に表示されるため、メッセージを読んでもらえる可能性が高いです。

インターネット調査会社「マクロミル」の調査によると、「企業・店舗のLINE公式アカウントの発信を受けたユーザー」の71.8%が「企業からのメッセージを読んだ」と回答しており、高い開封率が期待できます。

実際にLINE公式アカウントを利用している埼玉の精肉店では、来店したことがあるお客さんにLINE上でメッセージを一度配信すると、約10分で商品の予約枠が埋まったこともあります。レシピや注文、購入商品の感想などをチャットでやりとりすることで、お客さんとの長期的な関係づくりができています。

>>埼玉の精肉店の事例を見てみる

 

2.ポイントカード

ポイントカードの発行も、リピーター獲得施策のひとつです。来店ごとに貯まるポイントに特典をつけることで、再来店のきっかけ提供することになるからです。

ポイントカードをお客さんに利用してもらうには「最初にいくつかポイントを付与しておくこと」が効果的です。人はゴールに向かって進歩していると実感したときに、モチベーションが上がる、という心理があることは研究もされており、こうした心理は「エンダウド・プログレス効果」と呼ばれています。

0ptから10ptを目指すよりも、10ptから20ptを目指す人が利用促進の効果が高く、カードを渡す時点でポイントを付与しておくと、最後まで使ってもらえる、つまり再来店を促す可能性が高まります。

なお、紙のポイントカードを所持するのは面倒と感じる人もいるので、スマートフォンで発行、管理できるポイントカードを用いるとよいでしょう。店舗用のポイントカードアプリやLINE公式アカウントの活用がおすすめです。

例えば、LINE公式アカウントのショップカード機能を使うと、友だちになったユーザーに対し、ポイントカードが発行できます。お店にQRコードを設置して、来店時に読み取ってもらうことでポイントを付与できる機能です。

広島県と東京都に8店舗を展開するカフェチェーン「SUZU CAFE」では、LINE公式アカウント上でポイントカードを管理しています。ゴールまでのポイントを20ptにし、5ptごとにデザートのサービスなどを行いました。

その結果、LINE公式アカウントの友だち登録者の約半数がショップカードを利用し、リピート集客に高い効果を発揮しています。

>>SUZU CAFEのショップカードの利用事例を見てみる

 

3.クーポンの配布

お客さんの次回以降の来店時に使える割引クーポンの配布はお得感があるため、リピーター獲得に効果的です。利益率は下がってしまいますが、来店者数増加につながります。

サンケイリビング新聞社の調査では「お店への再来店、商品を再購入する際、割引・特典クーポンの有無で来店・購入の意向に影響がありますか」という質問に対し、86.6%の人が「かなり高まる・まあまあ高まる」と回答しました。

クーポンのアイデアはざまざまですが、代表的なものとして、以下が挙げられます。

次回使える割引クーポン 毎月◯日に使えるクーポン 雨の日割引クーポン

紙でクーポンを管理すると、渡し忘れたり、なくしてしまったりといった可能性が考えられるので、若いお客さんを狙うのであれば、積極的にSNSを利用するのが有効です。例えば「『この投稿を見た』と伝えたら〇〇円引き」などのメッセージを配信する、といった手法が考えられます。LINE公式アカウントのメッセージ配信でもクーポンを送ることが可能です。

お好み焼チェーン店「ぼてぢゅう」の「ぼてぢゅう食堂 西葛西店」では、LINE公式アカウント上で100円引きクーポンを配布した結果、1カ月で72件の利用がありました。毎月◯日に配信されるクーポンを用意することで、定期的な再来店を促しています。

短期的な利益は減少しますが、長期的な売上アップにつながるクーポン配布は、開業したばかりの店舗でも非常に効果的な集客方法です。

>>ぼてぢゅうのクーポン活用事例を見る

 

まとめ:自店舗にあう集客方法の実施が大切

 

「集客」と一口にいっても、多くの施策が存在します。新規のお客さんからの認知向上、再来店促進など、目的に応じて、打つべき手はさまざまです。手当たり次第にさまざまな施策に取り組むのではなく、自店舗の課題を整理し、優先順位を決めて取りかかるのが効率的です。

また、「来店してくれたお客さんに、長期的な顧客、リピーターになっていただくには」という観点もとても重要です。「お客さんに通っていただく」ことは、広告やグルメ情報サイトへの掲載といった有料サービスを必要としない、最もコストパフォーマンスの良い集客施策だからです。

常連のお客さんに愛されるお店にすることで、お店を運営するモチベーションも上がることでしょう。「新規のお客さんを集め、また来てもらうこと」を目標に、お店づくりに邁進してください。

お客さんとの関係づくりには、ぜひ「LINE公式アカウント」を活用してみてください。以下の機能を基本無料で利用できます。

お客さんへのメッセージ配信 チャットのやりとり ポイントカード(ショップカード) アンケート(リサーチ) クーポン

お客さんにとっておなじみのお店になるため、相互のコミュニケーションがとれるサービスを導入してみましょう。

*1:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告|総務省

*2:*1を参照

*3:*1を参照

*4:*1を参照