マイアミ製菓本店(5月6日帝国データバンク撮影)

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湘南銘菓「江ノ電サブレ」は、地元・江ノ島みやげとして親しまれていた

マイアミ製菓(有)(TDB企業コード:200807735、資本金500万円、神奈川県藤沢市片瀬3-16-8、代表鈴木彰夫氏)は、11月11日に横浜地裁より破産手続き開始決定を受けた。

 破産管財人は下田麻衣弁護士(神奈川県横浜市中区住吉町1-12-1、弁護士法人小嶋総合法律事務所、電話045-222-0560)。債権届け出期間は12月17日までで、財産状況報告集会期日は2022年2月17日午前10時。

 当社は、1960年(昭和35年)6月創業、62年(昭和37年)11月に法人改組された老舗の洋菓子店経営業者。「ラ・プラージュ・マイアミ」の屋号で洋菓子店を構え、「湘南らしさ」あふれる商品作りに力を入れ、地元で穫れたシラス入りの焼菓子も販売するなど、ケーキ類、焼菓子、サブレ、ゼリーなど約70種類の品揃えを有していた。特に従前からの主力商品である「江ノ電サブレ」は、地元・江ノ島みやげとして親しまれ、江ノ電の車両を模したサブレやパッケージもあって好評を得て、売り上げの過半を占めていた。江ノ島駅近くに店舗を構えていることから観光客の土産需要を中心に、県内の百貨店や大手スーパーなどでも販売され、2004年7月期の年売上高は約1億7200万円を計上していた。

 その後も地元観光客を中心に一定の売り上げを確保し、近年の年売上高は1億円台を維持していたが、2020年春以降は新型コロナウイルスの感染拡大で地元観光客が激減。2020年7月期の年売上高は約6000万円にまで落ち込んでいた。この間、百貨店での催事販売への注力など立て直しに努めたものの業況は改善せず、今年4月30日に閉店し、営業を停止していた。

 負債は債権者約54名に対し約4億1300万円。