ソフトバンク・柳田悠岐(左)と西武・平良海馬【写真:荒川祐史】

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伊藤はスライダーで三振の山、平良はストレートで打者ねじ伏せる

 勝負を決めるのは、極め抜いた「一芸」かもしれない。大混戦のパ・リーグで自身の長所を最大限に生かす選手たちの特集動画「ICHI-GEI パ」が、「パーソル パ・リーグTV」公式YouTubeチャンネルで公開されている。渾身の1球、異彩を放つバッティングは目を引く。(※成績は26日時点)

 ルーキーながら90奪三振、奪三振率9.35の日本ハム・伊藤大海投手。三振の山を築き上げる秘訣はスライダーにありそう。状況に応じて変化量の違う“魔球”で勝負。ふわっとした軌道で曲がりの小さな球があれば、逆に大きく変化する球も。ストライクゾーンを突くと見せかけて、鋭くボールゾーンへ逃げていく球には打者もお手上げ。多彩な“一芸”を操って「北のエース」へ急成長を続けている。

 好調オリックス打線の原動力である吉田正尚外野手は、体の軸がブレないフルスイングが代名詞。昨季、首位打者に輝いたことからも分かるように、ミート技術は折り紙付き。真芯でとらえる技術に、どこまでも飛ばす力強さ。その合わせ技が、吉田正のフルスイングという“一芸”を成立させている。

 今季は抑えを任され、39試合連続無失点のNPB新記録を樹立した西武の平良海馬投手。身長173センチと決して背が高いほうではないが、力強いストレートは一芸というほかない。打者からすれば、最終回のわずかなチャンスで攻略しなければならないのに、最速160キロの剛速球が投げ込まれたら手が出ない。さらにカットボールやチェンジアップなどの変化球や制球にも磨きをかけており、向上心とクレバーな投球でますます“一芸”が輝いている。

技術に裏打ちされた角中の「変態打ち」

 ロッテ・角中勝也外野手の一芸は「その球を振るの? しかもヒットにしちゃうの!?」と驚かされる“曲芸打撃”。尊敬の念を込め「変態打ち」と名付けられている。地面すれすれの明らかなボール球でも器用に対応。打撃技術は唯一無二と言えそうだ。

 楽天の松井裕樹投手といえばスライダー。今季ここまでリーグ2位の24セーブ、防御率0.63で、スライダーの被打率は.115と抜群の成績。負傷により登録抹消になっているが、1日も早い復帰が待たれる。

 ソフトバンクの柳田悠岐外野手は、もちろんフルスイング。かち上げるよう振ったバットから生まれる滞空時間の長い本塁打や、打ち損じたかと思わせてスタンドインさせてしまうパワフルな打撃は、野球好きをワクワクさせる。パワーにパワーがかけ合わさったフルスイングで、自身初の本塁打王を視野に入れている。(「パ・リーグ インサイト」菊地綾子)

(記事提供:パ・リーグ インサイト)