東京電力福島第1原子力発電所の事故で発生した放射性物質を含む指定廃棄物を巡る問題で那須塩原市では農家が保管している農業系指定廃棄物を1カ所に集める暫定集約に向けた作業が26日から始まりました。

那須塩原市内の53戸の農家では2011年3月、東京電力福島第1原子力発電所の事故以降、10年間にわたり放射性物質を含む牧草や稲わらなどの指定廃棄物合わせておよそ1200トンを保管してきました。

保管農家の負担を減らすため、今年6月、国が市にこれらの農業系指定廃棄物を市内1カ所に暫定的に集約する案を示し、市のごみ焼却施設、那須塩原クリーンセンターに集めることになりました。

センターにはこれとは別に家庭などから出た指定廃棄物の焼却灰がおよそ1700トン保管されていて、このうち放射性物質の濃度が保管基準を下回ったおよそ1100トンは先月、指定を解除して一般の廃棄物として処分場に埋め立てることになっています。

農業系指定廃棄物の暫定集約の保管スペースを確保するため焼却灰が入った袋を処分場に運び出す作業が26日初めて行われました。

焼却灰の運搬は11月末までに終える予定で、これと並行して10月下旬から来年12月にかけて農業系指定廃棄物がセンターに集約されます。