日本のアニメは中国にもファンが多く、特にジブリ作品の評価は高く、ファンも非常に多い。中国メディアは、多くの中国人が涙したあるジブリ作品について論じる記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本のアニメは中国にもファンが多く、特にジブリ作品の評価は高く、ファンも非常に多い。中国メディアの快資訊は22日、多くの中国人が涙したあるジブリ作品について論じる記事を掲載した。

 アニメを子ども向けの娯楽作品だと思い込んでいる人は、日本のアニメを見てショックを受けることがあるだろう。日本にはメッセージ性の強いアニメがあり、評価が分かれることもある。記事が取り上げたのは終戦前後の幼いきょうだいを描いた「火垂るの墓」だ。

 記事の中国人筆者は、「中国のレビューサイトでは8.7点と高得点で、泣ける話だと聞いて鑑賞した」というが、「泣きたくなるより重苦しく、理解に苦しむ描写もあった」と感想を伝えている。この作品を観た人は、国内外を問わず「泣ける」という人と「重苦しく感じる」人に分かれるようで、特に主人公と叔母のやり取りに対する評価は大きく分かれるようだ。

 記事の中国人筆者は「泣けなかった」理由の1つとして、主人公に同情できなかったことを挙げた。主人公は親戚の家に身を寄せた際に叔母との関係をもっと良好になるよう努力すべきだったと指摘し、戦争孤児は確かにかわいそうだが、何が何でも生きるという意思と努力が感じられず、主人公が何を考えているのか分からなかったと主張した。

 さらに「反戦映画としては失敗」に感じたことも、「泣けなかった」理由だと伝えている。この映画が反戦映画かどうかはさておき、当時敵国だったために中国人としては複雑な気持ちになるようだ。中国への侵略行為に対する反省の言葉も懺悔もない、と不満を示している。また、戦争の及ぼす影響力を描きたかったにしても「侵略された中国のほうが100倍災難だった」と主張している。

 賛否両論あるとはいえ、反響が大きいというのは、「火垂るの墓」がそれだけ多くの人に鑑賞され、影響を与えていると言うことだろう。日本アニメはこれからも、中国を含めた世界各地へソフトパワーとして発信されていくことだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)