パーソナルトレーナーを務める滝沢ななえさん【写真:宮坂浩見】

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新連載「悩み解決! 滝沢ななえのカンタン家トレ」−Vol.1 股関節を柔らかくして、姿勢もヒップもキレイに!

 コロナ禍で運動不足。在宅ワークが続き姿勢も悪くなってきたような気がする。通っていたジムもすっかりご無沙汰、かといって家の中でどんなトレーニングをすればいいのかわからない。気づけばすっかり体型も変わってしまった――。

 そんな女性に向けて「THE ANSWER」は新連載「悩み解決! 滝沢ななえのカンタン家トレ!」をスタート。現役時代は“美し過ぎるバレーボール選手”として注目を浴び、現在はパーソナルトレーナーを務める滝沢ななえさんが、誰でも、カンタンに、家でも仕事場でもできるトレーニング術を実践しながら指南する。

 新たな挑戦を始めるにはうってつけの4月。初回のテーマは「股関節を柔らかくして、姿勢もヒップもキレイに!」。どれも簡単に出来るので、運動は苦手、ちょっと面倒……と敬遠しがちな人も必見だ。

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 初めまして。パーソナルトレーナーの滝沢ななえです。

 今月から始まる、女性のためのボディメイクレッスン。毎回、多くの方が抱える体の悩み、あるいは憧れているボディラインなどから1テーマをピックアップ。10回に渡って、皆さんと一緒に体を動かしていきたいと思います。

 まずは、連載第1回ということで、簡単に自己紹介を。

 私はトレーナーになる前、バレーボール選手でした。V・プレミアリーグ、V・チャレンジリーグでプレーしていましたが、26歳で引退。その後、トレーナーとなり、一昨年、女性専用のパーソナルジムをオープン。毎日、様々な世代の女性の体と向き合い、皆さんの「なりたい体」になるお手伝いをさせていただいています。

 私がこの連載で伝えたいことは、体を動かすことの気持ちよさ、そして、体が変わっていくワクワク感です。

 でも、運動のよさ、楽しさって、本当にやってみないことには実感できないんですよね。ですから、運動の経験がない方、学生時代以来、すっかり運動から遠ざかっている方たちも、「やってみたい」「これなら続けられそう」と思っていただける内容を、毎回、お届けしたいと思います。ぜひ、だまされたと思って? 実践してみてください!

 さて、第1回のお題は「股関節を柔らかくする」です。

 股関節がガチガチに固まり、動かなくなると、体のあちこちに不具合が起きます。例えば、腰痛やひざの痛み、勿論、股関節痛もそう。よくつまずくようになったり、お尻が垂れてきたりするのも、実は股関節の硬さが関係しています。

 また、股関節が硬いと、骨盤のゆがみにもつながります。すると、骨盤が後傾して猫背や垂れ尻になる、反り腰になれば太ももの前がパンパンに張るなど、ボディラインのなかでも特に女性に多い悩みポイントが増えてしまいます。

 そして、股関節が硬くなるいちばんの原因は「動かない」こと。股関節は使わないと弱くなります。弱くなると使えなくなり、そして、動かなくなってしまう。ですから、特にデスクワークの方、日ごろからほとんど歩かない方は、放っておくと、硬くなる一方です。

 今回、目指したいのは、床に座って両脚が無理なく90度開けること! 「たったそれだけ?」と驚かれるかもしれませんが、床に座り、腰が丸くならない姿勢で90度開脚できれば、体的には合格点。そもそも、多くの方が憧れる「180度開脚」は、バレエダンサーなどダンスや一部のスポーツでは必要な柔軟性ですが、全員ができる必要なんて、まったくありません。むしろ体の構造からみると負荷がかかるし、骨格上、出来ない方もいます。無理矢理に広げようとすればケガにつながるので、要注意です!

 ということで、早速、皆さんが気持ちよく90度開脚できるようになる、4つのストレッチを紹介します。定番の「開脚して前屈」のストレッチがありませんが、ココがポイント。ギュッギュッと力づくで前屈を続けるのではなく、脚を開くために必要な筋肉を一つ一つ、柔らかくしていきます。このほうがずっと効率よく、柔らかくなれる近道です。

 チームスポーツは、個々が協力しあうことで、全体がうまく機能しますよね。股関節も同じ。股関節にくっついている筋肉の一つひとつがきちんと働いてくれれば、思い通り動けるようになります。必ず開脚できると信じて、コツコツと続けましょう!

股関節を柔らかくするストレッチの約束事
1)週一でも毎日でも、出来るときに出来るだけストレッチ。
硬い部位を優先し、時間のない日は柔らかい部位はやらなくてもOK!
2)ストレッチの最中は腹式呼吸を意識
3)お風呂上りなど体が温まっているときに行うと効果的

滝沢さんが実践、一目でわかる股関節ストレッチの方法

股関節を柔らかくする4つのストレッチ

1 お尻のストレッチ
お尻は股関節の裏側にあるすっごく大事な部位。ここが硬くなると骨盤がゆがみ、腰痛やたれ尻の原因に! 結構、大きな筋肉なのでゆっくりじっくり伸ばしましょう。

1 床に座り、左脚は足の甲まで後ろに伸ばす。右脚はひざを曲げて足先を体の左へ伸ばす。
2 息を吐きながら下腹部を正面に向けたまま、上体を前に倒し、ひじをついたところで30秒、腹式呼吸を続けながらキープ。

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骨盤が前に出たり、脚側に傾くと、お尻がしっかり伸びない

2 内もものストレッチ

 次は股関節の内側にあたる内腿。ここはほとんどの女性が、弱く硬くなっている、といっても過言ではありません。柔軟になると股関節痛の予防になるし、何より脚のラインがキレイになりますよ!

1 正座から上体を前に倒し、両ひじを床につける。両脚を左右に開き、ひざを直角に曲げる。

2 腰がまるまらないよう、お尻をしっかり後ろに引き、内ももの伸びを感じながら30秒間、腹式呼吸でキープ。

3 インナーマッスルのストレッチ
 背骨から股関節の前側にくっついている、とっても大事なインナーマッスル。でも、20代でも硬くなっている人が多いポイントでもあります。最近、つまずくな〜とか、歩くのが遅くなったな〜とか感じている人は要注意。

 立てひざから右足を大きく1歩前に踏み出す。腰を反らさず、お尻を前に押し出し、左の脚のつけ根に伸びを感じながら30秒、腹式呼吸を続けながらキープ。逆も同様に。

4 太もも裏側のストレッチ
 最後は太ももの裏側。ここはイスに座る時間が多い人ほど弱く、硬くなる傾向があり、骨盤後傾の原因に。柔らかくなると姿勢がキレイになるほか、お尻のエクササイズ効果もアップします!

 イス(またはベッドなど)に左かかとを乗せる。左ひざをゆるめ、腰を丸めないよう意識しながら上体を前に倒し、両手指先が座面に触れたところで30秒、腹式呼吸でキープ。逆も同様に。

■滝沢ななえ / Nanae Takizawa

 1987年9月22日生まれ、東京都出身。八王子実践中・高と進み、高校2年時に春高バレーでベスト8進出。卒業後、V・プレミアリーグ、パイオニアレッドウィングス(06-09年)に入団。09年、V・チャレンジリーグ上尾メディックスに移籍し、13年7月に現役を引退した。その後、バレーボールスクールのコーチを経てパーソナルトレーナーに転身。19年11月、東京・六本木にパーソナルジム「PERSONS Training Salon」を開業する。2017年、出演したテレビ番組で、レズビアンであることを公表。スポーツ界では数少ない、セクシャル・マイノリティであることを公表している一人。(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

長島 恭子
編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。