台湾の半導体メーカーMediaTekは8月20日、赤道上空35,000キロの静止軌道にあるインマルサット(国際海事衛星機構)の「アルファサット」衛星Lバンドを介してデータを転送するフィールドトライアルに成功したことを発表しました。


両社は、イタリアのフチノ宇宙センターにある基地局で、台湾の情報産業研究所(III)が開発したテストデバイスで試験を実施。MediaTekの衛星通信対応のNB-IoTチップセットを搭載したテストデバイスをイタリア北部に設置し、 静止衛星「アルファサット」との通信チャネルとデータ転送の確立に成功しました。


この実験成功が意味するのは、単一のデバイスが衛星ネットワークと携帯電話ネットワークの両方(ハイブリッド・ネットワーク)を確立したという、世界規模での新しいユビキタス5G IoTサービスの実現可能を示唆しています。


インマルサットプロダクトグループのシニアディレクターは「MediaTekの標準NB-IoTチップがインマルサットの静止衛星ネットワーク上で動作することが確認できたことにより、既存のモバイルネットワークをほとんど変更する必要なく、静止衛星上で効果的に機能することが実証されました。これにより、ユビキタスおよびハイブリッドなグローバルIoTカバレッジがリーズナブルな価格で実現されることが期待されます」と述べています。


なお、MediaTekはスマートフォン向けにSoC(System On Chip)を供給している世界第4位の半導体メーカー。2020年5月から7月にかけて、ミドルからハイエンドのスマートフォン向けの5G対応SoCの本格展開の発表や、日本市場向けの供給などを発表しています。


 


Source: MediaTek