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時間が必要

アイデアのなかには実現まで時間を要するものが存在する。

四輪駆動システムを採用した初のパフォーマンスモデルとしてジェンセンFFが登場したのは1966年のことだったが、アウディやポルシェ、ランチアなどのスポーツカーメーカーによって、この4つのタイヤを駆動するというアイデアの優位性が認められるまでには約20年掛かっている。

最高のハイブリッドSUVは誰だ?

こうした話はターボやエンジンのアイドリングストップなど枚挙に暇がなく、いまこの洗礼を受けているのが、特にプラグインではないガソリンハイブリッド技術なのだ。

1997年、トヨタが世界初の量産ハイブリッドモデルを発売した時、この新技術が広く普及するまでに23年もの月日と、それまで存在しなかった新たなカテゴリーを創り出す必要があるなどとは思いもしなかっただろう。

プリウスに採用された技術は非常に複雑なものだった。最初のプロトタイプが実際に走行出来るようになるまでに7週間も掛かり、しかもその距離はわずか数百mだったと言う。

それでも2年後には無事発売までこぎつけており、一般的なカローラの約2倍もの優れた燃費性能を発揮することに成功している。

あの当時、関係者のなかでこの状況が後戻りすることを予想したものなどいなかったに違いない。

「セルフチャージング」ハイブリッド

では、ここで質問だが、これまでに何台のハイブリッドモデルを所有したことがあるだろう?

ハイブリッド技術が未だ普及段階にあるなどと言えば、おそらく違和感を覚えるに違いないにもかかわらず、おそらくその数はゼロだと言うひとが大半ではないだろうか?

CR-Vのインテリア品質は高く、NXに次ぐレベルだ。スバルの実用性は群を抜く。

1997年以降、プリウスだけでも600万台以上が販売されており、いまではスズキからフェラーリまで、ほぼすべての主要メーカーから何らかのハイブリッドモデルが発売されている。

だが、市場全体を見回すと、異なる情景が浮かび上がってくる。いまだにハイブリッド技術の拡がりはゆっくりとしたものでしかないのだ。

昨年、英国新車販売におけるハイブリッドモデルの数は10%に満たない。

さらに、プラグインではない一般的なハイブリッドを「セルフチャージング」と呼んで、英国中がその宣伝で溢れているのは、自動車メーカーがハイブリッドモデルを拡販することで、CO2排出量に基づく罰金を回避するためであり、決して市場からの要求に応えている訳ではない。

だからこそ、われわれはサリー州にあるロングクロス・プルービンググラウンドに、4台のミッドサイズSUVを集めることにしたのだ。

すべてが日本メーカー製であり、それぞれが最新のBMW 3シリーズよりもわずかに短い(が、幅広い)ボディに特徴的なデザインを纏っている。

日本製ハイブリッドSUV

この4台を集めたのは、フォルクスワーゲンによる排ガス不正問題の余波を受け、この幅広い人気を誇るクラスでも、ハイブリッドがすぐにディーゼルに替わる主力モデルとなり得るのかどうかを見極めるためだった。

さらに、いまだディーゼルが主役のこのカテゴリーが、真の変革期を迎えているのかにも興味があった。

最高のハイブリッドSUVは誰だ?

ハイブリッド技術はすでに十分な存在感を放っているというかも知れないが、だからこそ、われわれは3つのことが知りたいのだ。

全方位に渡ってもっとも魅力的なのはどのモデルなのか?

その価格を正当化することはできるのか?

そして、ハイブリッドSUVは真のファミリーカー足り得るのだろうか?

今回集まったのは、トヨタRAV4とスバル・フォレスター、レクサスNX、そしてホンダCR-Vの4台だが、これで日本製ミッドサイズ・ハイブリッドSUVが勢ぞろいしたという訳ではない。

三菱にはプラグインハイブリッドのアウトランダーがあり、日産からはひとクラス下だが新型キャシュカイのハイブリッドモデルが来年登場する予定だ。

そして、欧州勢は完全に日本メーカーの後塵を拝している。シトロエンからプラグインハイブリッドのC5エアクロスが登場したのはつい最近のことであり、プジョー5008 PHEVの登場は今年後半まで待つ必要がある。

さらに、アウディQ5ハイブリッドやマカン・ハイブリッドといったプレミアムモデルであれば、今回集まった4台とコスト面で競合する必要などないにもかかわらず、その登場までには時間を要している。

結局、手ごろな価格で購入可能なディーゼルに替わる選択肢というのは今回集まった4台なのだ。

まずはレクサス

発売順で紹介するなら、締め上げられたサスペンションを持つFスポーツが今回用意されたレクサスNXがトップバッターとなるが、このクルマが4台のなかで圧倒的に古い登場6年目のモデルだなどとは思えないだろう。

特徴的なデザインを与えられたこのクルマは、もっともスタイリング上の魅力を備えた(もしくは差別化した)モデルと言えるが、4万2500ポンド(608万円)という価格を考えればそれも当然かも知れない。

最高のハイブリッドSUVは誰だ?

このレクサスはスバルとホンダよりも約4000ポンド(57万円)、トヨタよりも5000ポンド(71万円)ほど高価なプライスタグを掲げているのだ。

別の言い方をすれば、今回集まったなかでRAV4のトップモデルを選んだ場合、他を大きく引き離すWLTP基準で17.0km/Lという燃費性能により、この差額で6万8000km分のガソリンを購入することが出来る。

だが、この価格だけがレクサスの問題という訳ではない。

NXには常に妥協が付きものだが、それはこのクルマのクーペ風のキャビンが感じさせる快適性を損なうには十分な、低速における荒れた乗り心地だけが理由ではないのだ。

かつては最先端だったものの、いまや物足りなささえ感じさせる2.5Lアトキンソンサイクル・ガソリンエンジンはCVTを介して電気モーターと連動しており、モーター単独でのリア駆動も可能だが、われわれがハイブリッドを好きになれない理由である不自然さが際立っている。

速度はCVTがコントロールし、エンジンは走行状態に関係なくもっとも効率の高い回転数を維持するよう制御されていることがその原因だ。