慌ただしく過ぎていく毎日の中で、彼女の心を癒してくれるもの。それは、植物や昆虫などの図鑑を眺めながら、時間も忘れて空想に耽ることだった。

そんな彼女のお気に入りは、谷中の住宅街に佇む『ウサギノネドコ』というお店。まるで小さな博物館のようなその場所は、彼女にとっての「空想の世界への入り口」なのだ。

「センス・オブ・ワンダー」が呼び覚まされる空間

店内に1歩足を踏み入れると、ずらりと並ぶ鉱物や昆虫標本、動物の頭骨などが出迎えてくれる。ディスプレイをぐるりと見回すと、好奇心がむくむくと大きくなっていき、頭の中があっという間に自由な発想で埋め尽くされていくようだ。

もともとは京都に本店を持ち、2019年9月にオープンしたウサギノネドコ東京店。「自然の造形美を楽しむ」というコンセプトのもと、飾るだけで自然の美しさを楽しむことができるアイテムが数多く揃っており、彼女もオープン以来何度も足を運んでいる。

店内をゆっくりと見て回りながら、「この鉱物はどうやって生まれたんだろう」「この花はどんなところに咲いていたんだろう」と想像を膨らませるのが、このお店でしか味わうことのできない彼女にとっての至福の時間なのだ。







「生き物」だからこそ、個性を楽しむ

興味をそそられるアイテムたちが数多く揃う中、とびきり惹かれたのは、色とりどりのウニの骨格。大きさや色合いが異なる骨格が10種類以上も揃っているのは、このウサギノネドコならではの魅力だ。

「あのトゲの下にこんなに綺麗な骨が隠れていたんだ!」という発見もさることながら、さらに驚いたのは、このピンクやパープル、グリーンの鮮やかなカラーがすべて自然のままのものであること。同じ種類であっても個体によって色合いや形が微妙に違うという点も、まさに「生き物」ならではの美しさだ。

また、これらのウニの骨格は下からライトを当てることでガラリと印象が変わる。種類によってはレース編みのような繊細な模様が浮かび上がるものもあり、光を灯すことでオブジェのような洗練された雰囲気になる。「自然のまま」だからこそこうして飾る楽しみがあるなんて、何だかとっても不思議だ。







色褪せない美しさを飾り、想像の旅に誘われて

彼女が購入することにしたのは、「自然の造形美を楽しむ」というお店のコンセプトを体現したプロダクトである『Sola cube』。アクリルのキューブに植物の花や種子を閉じ込めたSola cubeは、アクリルへの封入や磨きなどすべての工程が職人の手作業によって行われており、まるで時を切り取ったかのような透明感を楽しむことができる。

また、Sola cubeにはそれぞれの植物の整体や逸話を基にしたオリジナルの「宙言葉(そらことば)」が添えられており、「風と生きる」「雨は止む」など、個性の光る宙言葉を眺めているだけでも楽しい。

実用性を求めるのではなく、ありのままの自然のかたちを飾る。ただそこにあるだけで、想像の旅に誘ってくれる。このお店に集うのは、そういう心を潤してくれるアイテムたちなのだ。

たくさん迷った末に選んだ、「実りある日々」という宙言葉の添えられているライスフラワーのキューブを手に、彼女は軽い足取りで家路に着いた。







店舗情報

ウサギノネドコ 東京店

住所:東京都台東区谷中2-3-3

アクセス:根津駅 徒歩5分/日暮里駅 徒歩16分

電話番号:03-5834-8058

営業時間:月 12:00〜19:00/土日祝 11:00〜19:00

定休日:水

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