広告バイヤーたちはFacebookの広告プラットフォームに関して多くの不満を抱えているが、それでもその支配的地位は揺らがない。というのも、バイヤーたちいわく、Facebookがほかでは得られないターゲティング機能や高い効率性を提供してくれるからだ。

しかし、プラットフォームへのアクセスを一時的に失った広告バイヤーたちにとって、最大の問題はFacebookのセールス、サポート、プロダクトの各部門が互いに連携していないことかもしれない。あるメディアバイヤーは自身のeコマース事業と他社ブランドのためにメディアを購入しているのだが、最近、自分のアカウントが停止され、広告ツールへのアクセスはおろか、このトラブルについて誰か窓口の人間と話をすることさえできなくなった。

匿名を条件に本音を語ってもらうDIGIDAYの「告白」シリーズ。今回はこの広告バイヤーが困難極まりないFacebookのサポートチームとの交渉について詳しく語ってくれた。なお、読みやすさを考慮して、掲載内容には若干の編集を加えている。

──Facebookに広告出稿できないというが、詳しい経緯は?

広告を出すようになって7〜8年になる。ファッション関係の会社数社と私自身の事業のために出稿しており、Facebook広告には何百万ドルも投じてきた。今年になって、私のアカウントが停止された。停止された当時、広告は出していなかった。何かのミスで停止になったのだと思った。異議を申し立てたのだが、すぐに最終決定だという返事がきた。翌日、アカウントが停止されただけでなく、すべての広告ツールにもアクセスできないという通知を受け取った。そんな問題が起こってから、ずいぶん日が経つ。ほんとうにがっかりだ。なにしろ私は、一部自分の会社の広告も含むが、他社のためにFacebook広告を運用し、それで生計を立てているのだから。

──トラブル解消のために試みたことは?

Facebookに何人か知り合いがいるので、彼らに連絡して相談してみたが、たいして助けにならなかった。ほかには、人間の返事をもらった気がしない。彼らのライブチャットはとんだお笑い草だ。ただ返事を返して、サポート用の各種フォームにつないでくれるだけの人間だ。ユーザーの代理でアクセスする権限も持っていない。情報の格納場所を教えてくれるだけだから、情報へのリンクをすでに持っているなら、そこで行き止まり。それに、アカウントを停止されたら、もう異議申し立ても送信できない。

──Facebookのサポートは役に立たないという点について、もう少し詳しい説明を

サポートチームは営業部門の人間と連携しないし、営業部門の人間はポリシーやコンプライアンスの担当者と連携しない。結果、Facebookのサポートはブラックボックス化している。最悪だ。広告担当者がいて、多額の予算を使っている会社なら問題はない。メール1本送れば、突如問題は解決し、アカウントも5分で元通りだ。毎月数十万ドルを使うような会社でなければ、こういう対応は期待できない。しかも、このゴタゴタの最中でさえ、Facebookのマーケティング担当者から営業電話だけはかかってくる。「もうすぐ第4四半期ですよ、予算を増額しませんか」。こちらとしてはこう答えるしかない。「この7日間で3度目の電話だが、私は目下、広告にアクセスできない。金を使いたくても使えない状況だ」。営業電話はいまも来るし、停止されたアカウント向けの自動配信メールも来るが、リンク先のプロフィールでは広告ツールを使用できない。

──Facebookにしてほしいことは?

私はただ、誰かと接触して、そもそもなぜ私のアカウントが停止されたのか説明してほしいだけだ。何かの間違いだとは思うのだが、もし私が何かをしたのなら、何をしたのか知りたい。同じ間違いを繰り返さなくてすむからだ。しかし、これが最終的な決定だというなら、社内でそれをちゃんと共有したらいいと思う。そうすれば、プロダクトのチームが自動メールを送ったり、アカウントが無効や停止になった人に何か新しい提案をすることもないだろう。社内で互いに連携すべきなのに、ぜんぜん連携できていない。Facebookのサポートは(来訪者をたらい回しにすることで悪名高い)運転免許センターに行くようなものだ。

──これはあなたのアカウントに固有の問題だが、ほかにも同様の状況に陥っている人を知っているか?

私だけでないことは分かっている。Facebookの広告バイヤーとメディアバイヤーのグループがあって、そこでは誰もが混乱している。自分のアカウントは誤って無効になったのか、自動的にそうなったのか、メディアでの調査報道のせいなのか、それとも統制力を強めようとしているのか、などなど。私はTwitterでも多くのメディアバイヤーをフォローしているが、彼らも似たような問題に直面している。もはやアカウントを回復できるとは思っていないし、次になすべきことも分からない。新しいIPアドレスを取得すればいいのか。新しいクレジットカードを作ればいいのか。新しい法人か、新しいFacebookプロフィールか。それもこれもFacebook広告を出したいがためだ。新しいアカウントにしろ法人にしろ、古いアカウントとどこかでつながっていれば、Facebookアドレスはただちに無効化されてしまうかもしれない。Facebookの営業担当者のひとりからはこう提案された。「とりあえず、第4四半期に広告費を使うつもりなら、新しいプロフィールを作成したらよいのでは」云々。Facebookで働いている人間が、新規にプロフィールを作れとはどういうことか。

──窓口担当者の拡充はあると思うか?

拡充は難しいのではないか。同時に、拡充が無理というなら、アカウントを停止した人間に5回も続けて営業電話を寄こすマーケティング担当者はなぜ置いておけるのか。きっと私に広告費を使わせるための人材なら増やせるのだろう。私は広告費を使えないというのに。使えるものなら最初の電話で使っている。彼らにとっても私にとっても時間の無駄だ。マーケティングの担当者、つまり営業電話をかける人々に、ポリシーを扱うチームと同程度に高いアクセス権を持たせるなり、許可を与えるなりすればよい。あるいは[アカウントが停止されたら]彼らにもすぐに周知させ、時間の無駄を避けるべきだ。

──この経験に鑑みて、ほかのチャネルへの移行は検討しているか?

検討してはいるが、いまのところ、Facebookはターゲティング機能に優れた最善のソリューションだ。昨年は、マーケティング予算の大半、およそ85%をFacebookで消化した。Twitterには本格的な最適化ツールやターゲティングツールがない。あったとしても、それほど洗練されたものではない。使ってみたところで、毎回、多大な無駄を出すばかりだ。最近、Googleも試してみたが、CPCがとにかく高い。たとえば、Facebookならクリック当たり2ドルか3ドル程度なのに、Googleでは30ドルくらいに跳ね上がる。まったく現実的でない。

Kristina Monllos(原文 / 訳:英じゅんこ)